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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2002.11
  • 出版社: 国書刊行会
  • サイズ:20cm/207p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-336-04029-X

紙の本

透明な対象 (文学の冒険シリーズ)

著者 ウラジーミル・ナボコフ (著),若島 正 (訳),中田 晶子 (訳)

とあるさえない編集者と大作家と美しい女性。3人の男女のまわりにナボコフ一流の仕掛けが二重三重に張り巡らされ、やがて読者を迷宮へと誘い込む。最後の未邦訳作品を刊行。【「TR...

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透明な対象 (文学の冒険シリーズ)

税込 2,420 22pt

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商品説明

とあるさえない編集者と大作家と美しい女性。3人の男女のまわりにナボコフ一流の仕掛けが二重三重に張り巡らされ、やがて読者を迷宮へと誘い込む。最後の未邦訳作品を刊行。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

ウラジーミル・ナボコフ

略歴
〈ナボコフ〉1899〜1977年。サンクト・ペテルブルク生まれ。革命により亡命し、ケンブリッジ大学卒業後、ベルリン、パリで生活する。著書に「賜物」「ロリータ」など。

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みんなのレビュー2件

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評価内訳

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紙の本

言語遊戯の見事さや自意識&美意識過剰が取り沙汰される玄人好みの職人的作家だけれど、私が好きなのは、身の回りから幸福を発見する、この亡命作家の美感。

2003/02/10 13:16

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中村びわ(JPIC読書アドバイザー) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 革命が成就し、社会主義の理想が具現化されたソ連という国家は、間違いなく20世紀の象徴の一つであった。理想が反理想に転化し夢がついえたあとも、この国の功罪を依然として考えさせられてしまうのは、主に芸術的遺産に触れるときである。それは例えば国家の庇護を受けた映画や音楽、バレエなどの豊饒な実りであり、それとは逆に、粛清を受けた作家たちの悲痛な小説であったりする。そしていま一つ、「亡命」を余儀なくされた芸術家たちによってもたらされた遺産というものもある。 
 亡命貴族であった作家ナボコフは、他国語で書く必要が生じたとき、ロシアの上流階級に定着していたフランス語ではなく、彼の家庭教育において大切にされていた英語を選択した。英語で書くことは、単純に考えれば読者を増やすことにつながる。従ってその選択は結果として、世界的な成功への重要な転機だったのだろう。「ロリータ・コンプレックス」という言葉が生まれる元となった『ロリータ』(恥ずかしいが、私は未読)の作家として、ナボコフの名は人口に膾炙している。だが、ナボコフの転機について考えるとき、作家としての成功の一方で、哀しみめいたものを感じ取ってしまうのは私だけだろうか。

 言うまでもなく、言語の背景には民族の文化や歴史が息づいている。「囲炉裏」という日本語を口にするとき、私たちがそこに民話や夜なべ仕事、伝統的な鍋料理のイメージを喚起したり、鄙びた温泉旅館の佇まいを感じ取ったりするのが一例だ。
 ロシア人としての文化や歴史と切り離されたところで、英語という表現手段を使うに当たり、この作家は言葉というものに異常なほど意識過剰にならざるを得なかったようである。彼の小説は、あちこちに散りばめたディテールのイメージを相関させたり、音や類似語やアナグラムを利用した言語遊戯に満たされ、原書から得られる愉しみはめくるめくものだと聞く。裏を返せば、翻訳者泣かせということである。
 言語遊戯で特徴づけられる故と思うが、ナボコフ作品はどこか文学通、つまり玄人好みという評価が定着している。一般に読まれないので絶版になりやすい。しかし、読みたい人が途切れないところで、絶版本に法外な価格がつけられ、古書市場を騒然とさせている。思い切って買ってみれば、それは作家の遊び心に無神経な訳書であることを、ネットの中の優れた読み手たちの情報から得ることができた。

 原題『Transparent Things』のTの響きを大切に、さらにそこに込められたヴィトゲンシュタイン『論理哲学論考Tractatus Logio-Philosophicus』との呼応に繊細な配慮をしてつけられたのが、本書の『透明な対象』という端正で硬質なタイトルである。
 最後の未邦訳作品であり、遺作のひとつ前の長篇である本作は、作家終焉の地となったモントルーを思わせるトルー(Tで始まる)というスイスの町が主な舞台になっている。そこを4度の旅行で訪れたことがある男性の「滅び」が、不思議な語者によって語られている。『目』というユニークな話者の短編があるのだが、それ同様、あるいはH・ジェイムズやV・ウルフ作品同様、「意識」の不思議を考えずにはいられない読後である。
「設定がのみ込みにくい」「悪戯な仕掛けがある」という、読者を惑わすトリッキーで意地の悪い作風なのだろうが、「挑発して遊んでやろうか」というのは、少年らしい愛情の発露だと勝手に理解している。また、油断ならないこの書き手をどこか信頼できるのは、思い出や家庭や友人や身の回りの品に対する溢れんばかりの愛が感じ取れるからである。
 決して玄人向けではなく、万人に開かれた小説がもたらす「美」の世界へ、私はもっと深く入り込んでいきたい。

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2012/06/09 19:51

投稿元:ブクログ

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