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商品説明
唐代の伝奇ファンタジーから金庸の武俠小説まで、中国のアクションヒーローの系譜を追い、その痛快無比な活躍ぶりと彼らが生きる物語世界を描き出す。ヒーローたちの文学史。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
岡崎 由美
- 略歴
- 〈岡崎由美〉1958年香川県生まれ。早稲田大学文学部教授。専門は中国大衆文芸。
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紙の本
友を選ばば、書を読みて、六分の侠気、四分の熱(与謝野鉄幹)
2003/08/09 02:52
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投稿者:星落秋風五丈原 - この投稿者のレビュー一覧を見る
かねてから、宮城谷氏と酒見氏による三国志を切望していた身としては、
酒見賢一氏が別冊文藝春秋で「泣き虫弱虫諸葛孔明」の連載を始めた時は、
まさに、願ったりかなったりで、笑いが止まらなかった。
氏は、予想通り、いや、予想を遥かに越えて、私の知っていた
三国志世界を豪快に壊し続けている。
元から暴れん坊だった張飛の
酒とバラガキの日々は更にパワーアップし、
劉備玄徳は「たれぱんだ」もどきだし、
孔明に至っては、「ああ、よくぞここまで変な奴に描いて
くれた」と三拝九拝したくなるほどだ。
酒見氏描く桃園トリオは、
従来『三国志』として知られてきた「義に生き義に死す」ヒーロー達の
イメージとは違う。
「全く彼独自の発想なのかな?」と思ったが、
本書を読むと、「連載の彼等の方が、実像に近かったのではないか?」
と思えてきた。彼等は、「侠気」を重んじていた。
「義」と「侠」の言葉の意味を調べると、存外よく似ていたが、
どうも私は「侠」の字で博徒を連想し、 暴れん坊で乱暴者という、
どちらかと言えばマイナスのイメージを持っていたらしい。
軍師の割には人殺しのイメージが薄い孔明が、自ら他国の使者を斬ると
いったくだりもある。
「『ニキータ』『ダーク・エンジェル』「あずみ』の元ネタか?」
と思われるような女刺客の物語も紹介されている。
攫われていた何年間かに、殺人の技を身につけた彼女の上司は
やはり女性。後頭部に匕首を埋め込む(どうやるのだろう?)
サイボーグもどきの彼女の物語を、
隣国日本がもし先に知っていたら、今頃リメイクしていたのは、
フランスだったかもしれない。
思いこみが先行して、今までその手の本を読まず、映画を見ずにきた
武侠ワールドが、好きな三国志とつながった。
だからこれからは、奥深いこの分野に一足踏み込んでみようと思う。
宮本昌孝氏の「夕立太平記」に一部設定が似た小説「東洋武侠団」を、
ものしている日本の武侠小説家・押川春浪への言及があった事も嬉しい。
目次
1 ヒーローが生まれる地平
2 空飛ぶ侠客—唐代豪侠小説のイマジネーション
3 江湖の豪傑たち—アウトサイダー世界の形成
4 清官と侠客—正義の裁きからチャンバラ活劇へ
5 塵外のヒーロー—剣仙と僧侠
6 戦う女たち—中華美少女戦士の系譜
7 武侠の黎明—旧派武侠小説の世界
8 エンターテインメントの王道—新派武侠小説の展開