「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
紙の本
秘密室ボン (講談社ノベルス)
著者 清涼院 流水 (著)
ドイツ生まれで日本育ちのメフィスト翔は、「密室の神様」を名乗る老人によって「秘密室」に囚われてしまう。脱出する方法はただ1つ。「密室YES・NOクイズ」に全問正解すること...
秘密室ボン (講談社ノベルス)
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
ドイツ生まれで日本育ちのメフィスト翔は、「密室の神様」を名乗る老人によって「秘密室」に囚われてしまう。脱出する方法はただ1つ。「密室YES・NOクイズ」に全問正解すること…。本編が封印された「密室本」。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
清涼院 流水
- 略歴
- 〈清涼院流水〉1974年兵庫県生まれ。「コズミック世紀末探偵神話」でメフィスト賞を受賞し、デビューする。著書に「カーニバル」「秘密屋」「トップランド」など。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
正直、清涼院の小説が分からない。とくに『コズミック』には参った。で、それに比べれば分かりやすい。でも、これって本当に密室なの?ただの青春小説じゃあないの?
2005/03/28 21:13
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「密室に閉じ込められた翔に、密室の神様と名乗る老人が告げたのは、その部屋の酸素が90分でなくなるということ。必死のカウントダウンが始まった」密室ミステリ本。
舞城王太郎の『九十九十九』の中で、何度も言及された清涼院流水の、軽やかなタッチの一冊。カバーのデザインも、実にアッサリ。
冒頭に、はじめに、がついていて、清涼院が奨めるこの本の具体的読み方が詳しく説明される。ストップウォッチを用意すること。読むのは夜のほうがいいこと。できれば眠る90分前まで、読むのを我慢すること。一人で、電気を消して電気スタンドの光で読むこと。ストップウォッチをスタートさせ、カウントダウンをしながら、ベートーベンの『運命』の冒頭だけをかけることなど。
二部構成で、一部「In the秘密室」は、『運命』の大音響と、カウントダウンで始まる。主人公は、ドイツのボンで生まれ、日本で育ったメフィスト翔、年齢は不明だが20歳前後だろう。何も無い部屋、というか半球形の空間に投げ出され、一人カウントダウンの数字を見つづける彼に、見知らぬ老人の声が告げる言葉「ワシは、あらゆる密室を司る『密室の神様』じゃ。」「ワシの秘密室にようこそ」。
記憶を封印され、734円をポケットにいれただけの翔に告げられたのは、秘密室内部の酸素が90分で、無くなるということ。そして「ボン」と口にすれば、密室ボムが大爆発すること。それを逃れるためには、ある一定のお金を差し出すか、神様が出すクイズに全問正解すること。翔と、七色の声を持つ神様との駆け引きが始まった。
二部「Out of the秘密室」については、触れない。いや、ここにエキストラ・ボーナス「歴代メフィスト賞作家名あて謎謎」があることだけは触れておこう。わたしは、問題自身に気付かずに、あとで慌てて読み返したが、どこが問題かも分からず、必死に一部のほうばかり探していて、長女に馬鹿にされた。勿論、問題は二部に堂々と出ている。
全体として、清涼院流水って、こんなだった?と思わせる軽快さで、多分、これは彼のお遊び(ま、全作品そうだとも言えるのだけれど)色が濃いもの。『コズミック』で、理解をすることに絶望したわたしにとっては、逆に今回は子供だましみたいなもので、何が清涼院の姿なのか分からなくなったというのが、本当のところ。
ここまで行くと、逆に平凡すぎるのだが。