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商品説明
目を閉じれば、今もあの風景が目に浮かぶ。ゆるやかに蛇行する川のほとりに、いつもあのぶらんこは揺れていた。私たちはいつもあそこにいた…。あの夏、あの川のほとりで、少女達に何が起きたのか? 書き下ろし3部作第1弾。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
恩田 陸
- 略歴
- 〈恩田陸〉1964年宮城県生まれ。早稲田大学卒業。91年「六番目の小夜子」が、93年「球形の季節」がそれぞれ、日本ファンタジーノベル大賞最終候補作に選ばれた。著書に「ライオンハート」など。
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紙の本
ブックデザイン賞をあげるとしたら、私は躊躇いなくこの本を選ぶ。おまけに内容がいい。でも残念なことに全3巻揃うのはまだ先なんだって
2003/03/14 20:29
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ともかく、ブックデザインがいい。装幀は中央公論新社デザイン室、DTPはハンズ・ミケ。紫色を上手に使った洗練されたデザインが、さりげなく自己主張。本の紙質がザクッとしていて、厚めの割に軽くって、ちょっと洋書のPBを思わせる、しかも「1巻」の表示が、とても粋で、最近、いいデザインの新書が増えたけれど、なかでも群を抜く存在。版画家の山中現の仕事を連想させてくれる。今のところ、これに匹敵するデザインは、新潮社の『進化論の現在』シリーズくらい。
おまけに値段が安い。これが文庫本一冊の値段で買えるなんて、それマジ? デフレもこんな形であらわれるなら歓迎だ。予定では全3冊、2巻は4月、3巻は8月に出るという。全巻揃った時は、どんな様子になるのか、想像するだけでも楽しくなる。
この本は、全3冊のうちの第1巻、1冊がそのまま章にあたる。章のタイトルは「ハルジョン」。舞台は、川が市の中心部を流れ、蛇行した支流のほとりには、古い屋敷や図書館が、野外音楽堂が点在する地方都市。登場人物は、私、蓮見毬子。高校一年生。中等部のころから大道具係で、演劇祭の背景を描いてきた。
そんな私に、高等部の晴れ舞台への協力をもとめてきたのが、美術部の憧れの上級生二人久瀬香澄、斎藤芳野だった。二人とも美人だが、趣味で絵を描くような香澄、天才肌の芳野と持ち味は微妙に異なる。誘いに私は舞い上がるが、そんな私に注意を促すのが同級生で友人の真魚子。美人で、大学生にも見られる彼女は、二人が毬子を誘った動機がわからないという。
毬子の前に、見知らぬ少年が現れ「久瀬に近付くな」という言葉を残して去る。そして真魚子の仕組んだダブルデートで、毬子はどこか真魚子に似た志摩暁臣と知り合う。私立名門校に通う彼と話すうちに、彼女は警告を発した少年が貴島月彦という名前であることを知る。毬子の母の信頼を勝ち得る暁臣、かれになれようとしない飼い犬のトト。
高校入学と同時に、長い間空家だった「船着場のある家」に引っ越してきた久瀬香澄。昔の事故の噂。小さな女の子の死。夏休み、香澄の家で始まった泊り込みの作業、少年たちの食い違う言葉。ものの印象が変わり、真意が見えなくなる。まさに恩田陸の世界。『六番目の小夜子』『麦の海に沈む果実』を思わせる学園の謎。月光に包まれた狂気。話は予断を許さない終わり方をする。次の巻が待ち遠しいシリーズの、記念すべき第1巻。『上と外』みたいにならないで、予定通り、続巻が出版されることを願ってやまない。
紙の本
制服をきていたころを思い出す本です
2003/11/28 23:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:むしぱん - この投稿者のレビュー一覧を見る
制服を着ていた時代、
この本に登場する少女たちのように世界を見ていた気がします。
女の人なら誰しも共感できるのでは?
自意識過剰で世間知らずだったあのころを思い出して少し恥ずかしく懐かしい気持ちにさせられました。