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ある人生の音楽
  • みんなの評価 5つ星のうち 4 1件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2003.1
  • 出版社: 水声社
  • サイズ:20cm/141p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-89176-472-4

紙の本

ある人生の音楽

著者 アンドレイ・マキーヌ (著),星埜 守之 (訳)

ピアニストを夢見たロシアの少年の、運命の悲しみ−。「ソヴィエト」という時代に押し流されていった、ひとりの男の人生へのレクイエム。【「TRC MARC」の商品解説】

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ある人生の音楽

2,160(税込)

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著者紹介

アンドレイ・マキーヌ

略歴
〈マキーヌ〉1957年シベリア生まれ。ソルボンヌ大学で博士号取得。ロシア系フランス人作家。「フランスの遺言書」で95年度ゴンクール賞・メディシス賞・高校生のゴンクール賞を受賞。

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みんなのレビュー1件

みんなの評価4.0

評価内訳

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紙の本

打ち砕かれた人生の心惑わせる単純さ

2003/01/29 22:47

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:桃屋五郎左衛門 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 私たちは(それがどのような形をとるにしろ)日々自分らしくあろうと願いながら、与えられた条件の中でそうあるべきものと思っているものとは異なる生を時に(不本意に思いつつも)演じなければならないと感じて生きている。ところが『ある人生の音楽』に描かれているのは、自分らしくあることを自らに禁じ、他人として生きていくことを選んだ男の数奇な人生だ。しかし、あるいは、それゆえにこの作品は私たちに自らの人生を生きていくことがどういうことなのかという問いを静かに投げかける。
 物語はウラルの一都市の駅の待合室からはじまる。いつ到着するとも知れぬモスクワ行きの列車を待っている話者は、真夜中というのにどこからか響いてくるピアノの調べに導かれて一人の老人に出会う。翌朝、話者はこの老人とともにモスクワに向かう列車に乗り込む。やがて老人が静かに自らの過去を物語り始める。
 老人はアレクセイ・ベルクといい、かつて、ピアニストになることを夢見つつモスクワで少年時代を過ごしたという。だがデビュー・コンサートを間近に控えたある日、両親が再教育のために国家保安局によって逮捕され、彼自身も自分が「ひとつの世界」から追放されたことを知る。疑惑と恐怖の中で彼は今までまったく付き合いのなかったウクライナの親戚を頼って逃亡する。しかし、国家保安局の手はそこにも伸びてくる。折りしもドイツ軍がその小さな村にも侵攻してきた。ベルクは戦場でソ連兵の死体から軍服を剥ぎ取り、自分ではない者となることによって生き延びることを決意する。ピアニストになる夢と自らの過去を封印し、個性のない誰でもない者として生きていこうとするのだ。こうして田舎からやってきた兵士セルゲイ・マルツェフ、すなわちベルクは戦場から戦場へと転戦する。死から逃れるために「もっとずっと確実な死に晒され」ながら。
 しかし、無個性に徹しようとした「私」は、その意思とは裏腹に人々の記憶に刻み込まれ、さらに封印されていたはずの過去がわずかなほころびを見せはじめる。
 ベルクはある日、戦争前に投獄された者たちへの特赦の可能性を耳にしたことで、それについて考えることを「みずからに禁じつつ、しかしそのことばかり考え」ていた両親のことを思う。手の中の死んだばかりのリスの温もりとしなやかさと両親への思いがベルクを忘れていたはずの人生に連れ戻し、「日々の戦闘を通じて鍛えてきた無関心とがさつさの鎧の下に隠れた、驚くほど感じやすい誰か」が表にあらわれる。マルツェフに掛けられた言葉についベルクとして返事をしたことから、ある将軍の運転手となり、その命を助けたことで戦後もその運転手を務める。だが、物静かな運転手マルツェフであるはずの青年に将軍の娘はちょっとした気まぐれから、あろうことかピアノのレッスンをはじめ、やがて自分の婚礼の宴の余興に招待客の前でピアノを演奏するよう命じる。このときベルク青年がどのような生を選び、それが彼にどのような運命をもたらすのか、何より意外な結末については、これからこの作品を読む人のために語らずにおこう。
 私はこの作品の物語を辿りすぎたかも知れない。けれども、この作品の穏やかな、それでいて、その底に静かで深い悲哀を感じさせる語り口の魅力について具体的なことは何も書いていない。それにベルクの物語全編を覆う重苦しく暗い詩情をたたえた空気についても触れてはいない。この作品の真の魅力はむしろそこにあるはずだし、そのことは実際に手に取ればおのずと理解されるだろう。そしてこの語り口と作品を支配する空気ゆえに、私たちは、この打ち砕かれた人生の心惑わせる単純さから、穏やかな、しかし確かな手ごたえをともなう感動を受け取ることができる。

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