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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2003.1
  • 出版社: 新潮社
  • サイズ:19cm/284p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-10-458001-5

紙の本

阿修羅ガール

著者 舞城 王太郎 (著)

【三島由紀夫賞(第16回)】やべー泣きそうだ。泣きかけだ。半泣きだ。ううう、目が熱い−。恋するアイコがガーリッシュに悩んでる間にも世界は大混乱! 殺人鬼はグルグルだし、子...

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阿修羅ガール

税込 1,540 14pt

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商品説明

【三島由紀夫賞(第16回)】やべー泣きそうだ。泣きかけだ。半泣きだ。ううう、目が熱い−。恋するアイコがガーリッシュに悩んでる間にも世界は大混乱! 殺人鬼はグルグルだし、子供は街で大爆発。魔界天界巻き込んで繰り広げられる物語。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

舞城 王太郎

略歴
〈舞城王太郎〉1973年福井県生まれ。「煙か土か食い物」で第19回メフィスト賞を受賞しデビュー。著書に「暗闇の中で子供」「熊の場所」など。

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みんなのレビュー143件

みんなの評価3.4

評価内訳

紙の本

アイコは勝つ

2020/07/07 13:56

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る

学校での些細ないじめから、通り魔までヒロインに危機が迫ってきます。男に媚びない強さと、好きな人へのピュアな想いを合わせもつカツラアイコが魅力的です。

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紙の本

ごちゃごちゃです。(私が)

2004/07/26 06:15

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ミドリ - この投稿者のレビュー一覧を見る

第16回ミシマユキオ賞受賞!とか書いてあるから
おいおいおい何だよ舞城珍しく真面目くさって文章かきやがったんか!
と思ってビックリして読んでみたらやっぱり舞城王太郎は舞城だった。
何がどうなってこれが受賞に繋がるのか。
どうせ受賞なら煙か土か食い物だろ、いやあれはメフィストとったけど。
それにしてもなんでこれが…長かったからか? 身も蓋も無いな。
まさか、ユキオの趣味か? おいおーい、頼むよユッキ〜(フランク)
まあ色々思うところはあるけど所詮私は舞城好きなので作品がよっぽどあれでも舞城ワールドが味わえればそれで良いということに今気付きましたが。
あ、でもグルグル魔人の独白は笑った。
あんなにウンコウンコ言ってるのも初めて見たし、しかもそれがハードカバーだし純文学だし。純文学?何それ食えんの?みたいな勢いでウンコウンコ綴ってる舞城がかっこよすぎた。
あといきなり字がでかくなるのも笑ったし、森の悪魔も怖かったし、アイコそれもう別人格だからって感じのシャスティン嬢も大変麗しかったし、
陽治の愛にも心臓掴まれた。あ、なんだ結構名シーン多いじゃないか!
ていうか陽治の台詞の為にもっかいこの本読み返してもいいじゃないか。
読んだ直後は「あーがっかり」感が強くってしばらくだらけてたけど、
思い返してみるとあはぁ、なるほど面白かったんだな、ていう作品でした?
つか、書きながらどんどん感想変えてくのやめような自分。
というかこれは書評…か? まあ、これ読んで私の混乱振りからこの作品の舞城っぷりを感じ取っていただければ多分目論み成功。
感じ取れない方には、ピコーン!に九十九十九を足した物、と思って頂ければ大体合ってるはず。ってどっちも読んでなければわからないっていうかそれ読んでたら阿修羅もとっくに読んでる方が大半でしょうけど、も。

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紙の本

嫌悪感!なのに本を閉じられない!

2004/06/14 23:06

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:いばこ@25 - この投稿者のレビュー一覧を見る

書評露出度の高い、インパクト大の書き出しに惹かれ惹かれて、読まずにはいられなかった一冊。

この思い切りのいい書き出しのまま、アイ子の言葉はどんどんエスカレートする。決して子どもには読ませたくない表現に、神戸や島根の残酷な事件を軽々しく使う著者に、嫌悪感は増幅していくばかり。ページをめくるごとに顔は歪んでいく。
なのに、本を閉じられない。その先に何かがある気がするのだ。そして、そのバラバラのろくでもないストーリーのかけらが、糸をつたうように繋がっていったとき、著者のイマジネーションに追いついていけてなかった自分に気付き、

“くそぉぉぉぉーーーーー!”

って興奮していた。
共感とか、そういうレベルじゃなく、普段意識してないことを気付かせ感じさせる。美しい表現力、共感できるストーリーで人をいい気分にさせてくれる小説もいいけど、物語りで勝負。独特な想像力と物語の強さで展開するこの本に、私もアイ子同様、ガツンと金槌をくらった感じだった。

嵐のあとのすがすがしい晴天。その爽やかな終わり方に、多分賛否両論?と思ったが、私的には“うまく裏切ってくれてありがとう”とホッとしました。

→HPもどうぞ

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紙の本

読む快感

2004/02/21 13:28

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:KENSEI - この投稿者のレビュー一覧を見る

舞城王太郎はこんなにも〈小説〉の書ける人だったのだ。知らなかった。「世界は密室でできている」はタイトルに惹かれ手に取ったが、版面が読みづらくて棚に戻した記憶がある。ずっとミステリ作家だと思っていた。ミステリはどちらかといえば、ストーリーが主体だろう。今回評判もよく、装丁も気になったので、どんなミステリなのかと読んでみた。まったく予想もしていなかった。すばらしい〈小説〉だった。

小説は「ただその文章を読んでいるだけで楽しい」という快感があって、詰まっている情報も、言葉の選択やリズムも、最高(携帯のメールをニチニチニチニチって描写好き)。第一部は次になにが続くのか予測できなくて、引き込まれた。ラスト最高。第二部の“文字”はジュブナイル小説の手法にあるが、効果的に使っていて感心した。いかにも、だ。「森」は言葉の力に圧倒された。ナイフのシーンの怖さや、森のシーンなどは、昔話の持っている原始的な恐怖に近いものを感じた。もちろん背景として借りているのもあるだろうが、作者のつむぐ文章の力がなければ、ここまでの表現にはならなかっただろう。また「グルグル魔人」は、この不快感を書ききってしまうところがすごい。
〈読む〉快感を味わいたいという人におすすめの一冊だ。

ただ終章の第三部。ここは登場人物の桜月淡雪の言葉を引用したい。「もうちょっと本読んだほうがいいね」。でもこの平穏で平凡なラストが、ふさわしいといえば、ふさわしいのかもしれない。

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紙の本

惜しい!

2003/06/01 06:20

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:矢野まひる - この投稿者のレビュー一覧を見る

 かっこいい装丁を裏切らない面白さ。主人公は女子高校生。近所で「酒鬼薔薇聖斗」的事件があって、なんとなく周辺はざわざわしている。ネットのコミュニケーションが生活に組み込まれると気持ちの在り様がどう変わるかっていうことや、「酒鬼薔薇聖斗」的事件の犯人はどんなつもりでいるのか、とか、今の問題にきちんと向き合おうとしていて爽快だった。

 不満もある。重要な背景として実在する巨大掲示板を連想させる「天の声」っていうコミュニティが描かれるのだが、ひとつ肝心なことを忘れてやしないか。

 現実の世界でネット上のコミュニティを利用する人々は、この世にはネットでのコミュニケーションなんて想像もつかない、まして某巨大掲示板なんて見たことも存在さえ知らない人もたくさんいることをけっこう忘れがちなように思う。その視野の狭さこそ特徴であり問題であるのに(みんなじゃないけど)、それについての視点が全くない。

 ジャンク小説と乱暴にもくくられてしまうのは、読者が「天の声」−実在する巨大掲示板と実感を持って連想できる人だけ、に限られてしまっているからなのではないのか。まあそれはそれでいいんだけど、ここまでおもしろいんだからもっと多くの読者を獲得して欲しいと要らぬおせっかいを言いたくなった。

 その「酒鬼薔薇聖斗」も自分をとりもどしつつあり、深く反省しているという報道を読んだ。理解してあげたいけど、それにはあまりにも罪が重すぎる…。

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紙の本

私が私であることが不快なんです。

2003/06/01 00:14

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:栗山光司 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 《減るもんじゃねーだろうとか言われたのでとりあえずやってみたらちゃんと減った。私の自尊心》、恐らくこの冒頭のために私はこの本を読み始めたのだし、第一部(アルマゲドン)でどうやら、私が無意識に作り上げている物語の行き末が違った連結になり、勝手に作者を詰って、「なんだ、マジに金田陽治はいい奴なんだ!」「グルグル魔人の正体がアイコの好きな愛の陽治かと、…」。そんな風に陽治が怪物(阿修羅)として描かれる気配がないと感じ始めて、中途で放り投げてしまった。気を取り直して読み直したのは、読み巧者諸氏の楽しげな書評です。

 『熊の場所』は一気に読む事が出来たし、冒頭のこのツカミに違和感なくノッテ、性別判らぬこの人のパワフルな文体に、よっしゃっ、よっしゃっと、読み進んでいたら、第一部の終わりに陽治でなくて、美少女のマキが金槌持って。アイコをKO!、なんじゃ、これは、そうか、これはミステリー小説ではないのだ。三島由紀夫受賞作品なのだ。その勘違いの私が悪いのだ。でも、気分の切り替えはなかなか、難しい。
 通常ならもう一度、チャレンジすると言った気持ちにならないのだが、書評が興味を繋ぎ止めてくれたのです。
 ならば、第二部から、どんなノリで?埴谷雄高なのです。彼の口癖に【自同律の不快】というフレーズがあります。私=私は×なのです。私が私であることに耐えられない、その不快が運動のエネルギーになるのです。××××を羅列して、永久に未完の阿修羅、『死霊』に接続して、第二部の「三門」を“あつは、ぷぷい”と、くぐり抜けたのです。
 そんな読み方をしたので、正体不明の占い師、桜月淡雪は埴谷雄高になってしまい、第三部(JUMPSTART MY HEART)でアイコに淡雪は、本も新聞もちゃんと、読んで、ネットとかでつまらないサイトばっかり見ないで、外出していろんな子とちゃんと、付き合ったほうがいいだろうね。と諭し、なんでと訊くアイコに、ほうじ茶を飲みながら言ってしまう。
 
 ーだって、僕、君と君の三途の川まで行ったでしょう? あの時の君の世界のイメージ見てたら、君、あんまりにも想像力が貧困なんだもん。ああいうのって、やっぱり勉強とか経験とかの度合いが反映されるからね、君、ちゃんといろいろ物事学んだ方がいいよ?ー

 なんだか、埴谷雄高の口舌が聞こえそうだった。
 ぐるぐる魔人に三つ子を殺され、夫は自殺しちゃった吉羽沙耶香さんは、どうやら、陽治と強い結び付きがあるみたいである。陽治にとってアイコは友達。でも吉羽さんって、埴谷雄高論も書いている“池田晶子”さんを想像してしまった。そう言えば、彼女は哲学者として、少年、少女達に様々なメッセージを送っている。

 どうやら、舞城文体のグルーブ感的ノリで読んだのは第一部。第二部で哲学少女の『ソフィーの世界』(ヨースタイン・ゴルデル著)の森に分け入って、自同律の不快のエンジンで走り、飛び、第三部で、熱を冷ます。そんな読み方をしてしまった。
 私の読解は偏読、誤読かもしれない。でも、逸脱を怖れない舞城さんは私のような読者を許してくれると思う。

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紙の本

この作品で舞城は新たな一歩を踏み出した、みたいなコピーがあったけど、いやいや舞城は登場したときから、私たちの何歩も先を行ってたんだぞ

2003/05/04 22:21

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

今までも、分類不能な小説にたびたび出逢ってきたが、21世紀に彗星のごとく登場した文圧の持ち主、ブラックホールもかくやとでも言いたくなる異才、舞城王太郎が描く学園小説。というわけで、娘が通う中学校が「あなたが子供に薦める本」というアンケートを求めてきたので、嬉々として舞城のこの作品をあげたら、見事にというか理不尽にも黙殺されてしまった。現在を見つめることを逃げて、何が教育であるか、と母は怒るのだった。

セーラー服姿の少女が、季節の頃は初夏だろう、踏切を渡る姿が何とも清々しいカバー。その写真は、佐内正史の『女生徒』(作品社)よりと、巻末にデータが載っている。モデルは清水真美、括弧がきで(イトーカンパニー)と書いてある。思わずこの娘がプロ?と首を傾げたくなる。軽装本だが、新潮社装幀室のデザインは切れが良くて、色合いが抜群。写真のバランスも絶妙。

小説は三部構成、第一部「アルマゲドン」は、舞城らしい切れ目の少ない文章が、読者の目に流れ込み、まさに文圧を感じさせる部分。冒頭、少女の罵倒というか嘆きから始まる。彼女の名前はカツラアイコ、小六で既に身長百六十センチだったという、現在高校三年生(多分)。彼女が叫んでいる場所は、連れ込みホテル。好きでも無い佐野明彦とやっちゃったことを悔やむ。そして、延々とチンチンについてのレトリックを展開する。高校生らしい愚かな男の言動、顔射に対する怒り、カタカナ混じりの文は、舞城の独壇場。

そして、アイコが告白する金田陽治への想い。小三のときバスの窓からおしっこをし、体育のサッカーでは、味方のゴールにシュートする、修学旅行でバスに鹿を乗せようとして見つかり、バスを百メートルくらい追いかけるお調子者。背が低いくせに、目立つ、うるさい、しれっとして「愛」なんて言葉を小学生でほざく奴。そのアイコがトイレでのシメにあう。相手はカン、シマ、ナルッチ、ナカジマ、そして背が高くてモデル体型の美人の斎藤マキ。シメの規模を「戦争」と「紛争」に関連して定義す所は笑える。

第二部は「三門」という名で、小さな三つの章からできている。現代日本の有名人達が、突如活躍し始める「崖」、ここでは、やはり活字の衝撃が大きい。夢枕獏のお陰で、タイポグラフィック小説には慣れてはいるものの、暴力的で久しぶりにペンは剣よりも強い、と思ってしまった。ハデブラ村の夏休み、森で繰り広げられる追いかけっこ「森」、ミステリ要素をもった「グルグル魔人」。

第三部は「JUMPSTART MY HEART」、突然に英語で何だろう、と思うけれど、この静けさは第一部と対となって、日常への回帰の部分。分量的にも前の二部が各々130ページくらいなのに対して僅か20ページ。

最後に、各部の扉の、どこかワープロ文字風の活字を眺めながら、いろいろ工夫しているなあ、と思った。で、気に入ったのがアイコと兄との関係。剣道とテニスで鍛えたアイコが繰り広げるのは、お兄ちゃん譲りのアイコキック。それ以外にも喧嘩のコツまで教わっている。殆ど姿を見せないお兄ちゃんだけれど、案外重要なんだぞ、と思わせる。

東京新聞の書評で、評者が舞城の作品を「ジャンク文学」と表していたが、椎名誠の文章に「昭和軽薄体」と命名した人間と一緒とは思わないけれど、何と失礼なジャンク評論家だ、とその現代感覚のない発言に呆れてしまった。学校もだが、評論家が現在をつかめなくなったら、お終いだろう。ともかく、舞城の中学生くらいまでの言語を駆使する能力と、完全に彼らにシンクロできる才能は、奇跡といってもいい。それでいて、軽薄さなど微塵も感じさせない。これを迂闊にまねしようとすると、火傷をする。

ここで、私はbk1投稿史上初の予告をする。舞城を意識して見事に砕け散った日明恩『鎮火報』を次回は取り上げる。む、これって反則?

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紙の本

ラップだね、これは。つーか、これ今年の直木賞でいーんじゃないの?

2003/03/03 21:33

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投稿者:yama-a - この投稿者のレビュー一覧を見る

んなもん感動するわきゃねーだろーがと思いながらとりあえず読み始めたらちゃんと感動した。驚異の冒険小説。って、この bk1 の内容紹介もそうだけど、結構みんながこの文体を真似したくなる。おもしれーと思って真似してるかっつーと、プリティ・ファッキン・ファー・フロム・イット。ただ感染るんだよね、このリズム。読んでるとノッてくる。ラップだね、これは。そう、ラップのリズム。
「ざけんじゃねーよ」みたいな言葉遣いするバカ女子高生が主人公だし、俺みてーな、普段からまともな小説とか読んでるまともな読書家なんかが、こんな浮ついた文章読んでも「うぜーっ」て思うだけじゃねーのって思ったけど、やべー、引き込まれるよ、これ、マジで。軽そうに見えて超深いし、スジ凝ってるっぽいし、ちゃんと纏まってて、ちゃんとした力量のある作家のちゃんとしたメッセージのある、ちゃんとした、まいっか、なんかすげーっ! つーか、これ今年の直木賞でいーんじゃないの? 速攻買って読みなよ。

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紙の本

軽快なリズム感、疾走感、摩訶不思議感。くせになること間違いなしの現代を象徴した傑作だ。

2003/02/27 22:22

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投稿者:諏訪旭 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 信じられないことに今時の女子高生の一人称で物語は語られる。「つーか」とか「やべー」とかまさに普通に街で女子高生が使っている言葉で埋め尽くされた小説。これはかなりぶっとんだ小説だ。メフィスト賞受賞でデビューした舞城王太郎にとっては、特に驚くことではないのかもしれないが、一般の人にとっては、何これ? まじでー!って叫びたくなるにちがいない。文章の美しさ洗練さなどは問題ではない。軽快なリズム感、疾走感、摩訶不思議感。くせになること間違いなしの現代を象徴した傑作だ。
 訳の分からない小説だが、その根本は単純な恋愛小説である。一人の女子高生が同級生に恋をする。なかなか上手く行かない恋愛。と、なんとも温かいラブストーリーのように思えるが、恋愛をとりまくように勃発する出来事が何ともすごい。いきなり好きでもない男とセックスするは、同級生の女の子の顔をぼこぼこに蹴りまくるは、街では中学生があばれだして誰彼かまわず襲いだすは、グッチ裕三に石原慎太郎出てくるは…etc 舞城王太郎がつくりだしたまったく新しい世界。舞城ワールドに浸ってみたら、しばしの茫然自失、そして気づくとほんのり癒されていた。
 冒頭より — 減るもんじゃねーだろとか言われたのでとりあえずやってみたらちゃんと減った。私の自尊心。返せ。—

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紙の本

アイコにテキーラを一気したような爽快感と高揚感をもらう

2003/02/25 21:20

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投稿者:わにこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

元女子高生の視点からみてアイコの心情はすごく共感できる部分が多い。
その共感したまんま、小説のリアルでパラレルな世界にひきずりこまれていくからすごい!
うぉ〜さっきまでラブホに、調布に、いたんじゃないかぁ、、とか思ってるうちに次の章に巻き込まれていく感じ。
アイコは超前向きでもないし、特に改心するわけでもない。けど逆にそんなところがより共感させられる。好き。
ドリュー・バリモアの高校に潜入取材する映画にくそっくらえと思った人向き。
中だるみはあるものの読み終わった後テキーラを一気したような爽快感と高揚感が味わえます。
ひさびさに顔面に一発きた! 読むべし。

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紙の本

恋する乙女は必読!でも責任は持てない

2003/02/17 18:10

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投稿者:青月堂 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 三つ子のバラバラ死体が一箇所に……、このイメージだけで、僕は痺れてしまった。でも、きっと、たぶん、これは恋愛小説なのだろう。
 主人公・桂アイコは女子高生。アイコの一人称で語られる世界は、いつもの如くドライヴ感に溢れてる。リンチ、誘拐、アルマゲドン、物語は爆走し、ついには現世を越えてあの世の際まで。恐〜い森が出てきたときには、理由も無く村上春樹を思い出していた。言うなれば、裏・村上春樹だね。
 何と言っても凄いのがグルグル魔人の章。このぶっ飛びかたはハンパじゃない。この章を読んでから、ついルパン3世のテーマソングを口ずさむようになった。PTSD(心的外傷後ストレス障害)の一種だと思う。
 さすがミステリー作家だけあって、物語は一応の体裁を整えて(ほんとか?)落ち着くべきところに落ち着く。恋する乙女は必読! でも責任は持てない。

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紙の本

疾風怒濤、舞城王太郎の快進撃が始まった!

2003/02/05 18:34

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投稿者:タカザワケンジ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 『煙か土か食い物』でメフィスト賞を受賞し、ミステリーファンの間で話題を呼んだ舞城王太郎を御存知だろうか。立て続けに『暗闇の中で子供』『世界は密室でできている』と歪なミステリーを連打、斯界のカルト作家になるかと思われた舞城王太郎だが、冗談か本気か、純文学の牙城「群像」に「純文学作品」を発表。手早く『熊の場所』なる短篇集を発表した。
 そこへ、この『阿修羅ガール』である。まずタイトル。阿修羅はインドの鬼神。憤怒を露わにした形相の阿修羅像を、誰もが修学旅行で見ているはずだ。阿修羅とガールがいっしょになった人を食ったタイトルは、しかし、読み終えてみればハッタリだとも言い切れない含蓄に富んでいる。そのあたりが舞城王太郎から目が離せないところである。
 とりあえず、冒頭(イントロ)。

「減るもんじゃねーだろとか言われたのでとりあえずやってみたらちゃんと減った。
私の自尊心。
 返せ。
 とか言ってももちろん佐野は返してくれないし、自尊心はそのそも返してもらうもんじゃなくて取り戻すもんだし。そもそも、別に好きじゃない相手とやるのはやっぱりどんな形であってもどんなふうであっても間違いなんだろう。」

 女子高生アイコ(愛子)がヤってしまって自尊心を減らしてしまった相手、佐野が誘拐され、指が佐野宅に送り届けられる。アイコはクラスメイトから疑いをかけれられ、女便所でシメられそうになるが、反撃して美少女の鼻を折る。
 三つ子誘拐バラバラ殺人事件の余波で、調布駅前で「天の声」なるネット掲示板の住人たちが、犯人探しと称して厨房狩りを始め、暴動になる。家に独りぼっちになったアイコの元に、金槌を持ったクラスメイトが現れ、アイコの精神はあの世の近所までぶっとぶが……。

 わけがわからないストーリー説明で申し訳ないが、読んでみても、わけがわかるかどうかは保証の限りではない。
 しかし、はっきりしているのは、この小説がえらく派手でパワフルだということだ。伝統的な文芸出版社として「ブランド」である新潮社から、エンターテインメントとか文学とか、そういうくくりを無効にする長篇小説として登場した本作は、現実に起こっていることを巧みに小説世界に引き寄せ、そこにウソとデタラメと飛躍と想像力を加味して、アルマゲドン状態のニッポンを曼陀羅絵に描いている。金と銀をまぶした絵筆で力任せに。悪くない「ノリ」だ。
 ディテールに仕掛けられた周到な「遊び」を堪能しつつ読みふけりたい一冊。(タカザワケンジ/bk1エディター)

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紙の本

舞城ワールド中毒

2003/02/02 21:26

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投稿者:ツキタ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 相変わらずのぶっ飛んだ分圧で、それでいて物語は全部が全部登場人物が勝手に動き出すのを写生するみたいに素直に書かれているものだから、読み手の頭の中はとにかく作中の誰とでも同化できるんじゃないかってくらい身近です。

 主人公もサブもチョイ役もどいつもこいつも暴力セックス死たっぷりの変な人間味があって、そんな世界観が良いとか悪いとか考えるまでもなく、むしろそんなものもはや何でも良く、とりあえず読んで追ってってそれだけでとても楽しい、スリリング、熱い。
 そういう圧倒的な力を持った作風はさすが。

 そして過去作品全てに共通する、スピーディな文体にも隠れきれないナイーブな部分、それもやっぱり健在でした。
 後半のワンシーンでの、古来から疑うものなんてほとんど無かったはずのあの名言を否定してしまったことですらすらりと共感できてしまって、これ以上舞城作品を読むと自分は危険だ! と感じてしまうほどでした。

読めば確実に引き込まれてしまう、
舞城ワールドという世界の実在を確信させる一冊だと思います。

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紙の本

内容紹介

2003/01/06 16:10

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投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る

女子高生アイコが漂流する天国と地獄−。
小説の新たな扉は舞城が開く!

恋するアイコが陽治びハート求めてガーリッシュにもじもじ・・・ってはずが何か間違えてうわーってなってる間に街にはカオスの大車輪! “グルグル魔人”調子こいてるし、同級生誘拐されてるし、子供はアルマゲドン始めてるし、馬鹿じゃん!? って全部どうでもいいし! 現世と魔界彷徨って、アイコが見つけたものとは?

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2005/09/14 12:09

投稿元:ブクログ

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