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商品説明
病院で子どもたちと絵本を読む関係を続けてきた著者が、お年寄りと絵本を読みあうようになった過程・その出会いを丁寧に描き、絵本を読みあうことの意味を考える。1997年刊「絵本を読みあうということ」の改題。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
村中 李衣
- 略歴
- 〈村中李衣〉1958年山口県生まれ。梅光学院大学教授。著書に「かむさはむにだ」「小さいベッド」「おねいちゃん」などがある。
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紙の本
お年寄り向きの絵本だってある。「介護」についても考える本。
2016/04/07 14:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「一緒に読むことの大事さ」。それは幼児相手の時ばかりではないことを教えてくれる一冊でした。
子どもとの接し方として「絵本を読みあう」は大事な手段だと認識されています。小児病棟で「読み聞かせ」を続けてきた著者は、自分の祖母の入院をきっかけとして「老人にも読み聞かせ」を始め、「お年寄りとの交流にも」と考えるようになりました。本書では一緒に読んだ幾つかの本の内容も具体的に紹介しながら「こんな反応があった」などの事例が紹介されます。ホームに看護に来た家族のエピソード、著者の詩なども交え、老人との関わり方を綴っていきます。
老人の、それもかなり御歳を召して少し記憶がほぐれはじめた方などは特に、違った時間の世界を生きているように感じることがあります。それは、若い人が中高年を、子供が20歳以上の人を見ても思うことかもしれないけれど、接し方に戸惑うこともある。それでも、心を通じ合わせる方法はきっとある。絵本を読むことも一つの手段に入れて良いようです。
絵本を「読んであげる」のではなく「読みあう」こと。「読みあう」ことが目的ではなく一緒の時間を過ごす事。大事なのはなにか、を考えさせられました。子ども、老人だけでなく、人間関係すべてに通じることだとおもいます。
ホームで起こった小さい体験を綴った章は、介護する人たちの「あるある」かもしれません。このような風景が、これからはもっとあちこちで目にされることでしょう。人によっては「読み聞かせ」が向かない関係もあるかもしれません。本の種類も心に触れるものは違うでしょう。本書の中でも「おじいさんが興味を示すものとおばあさんが示すものは違う」などとあり、それはそれで興味深いところでした。
自分も年老いたら「読んでもらう」立場になるかもしれない。その前に知人に読んであげることが起こるかもしれない。そんな「介護」についても考えさせられる本です。