- カテゴリ:一般
- 発行年月:2003.1
- 出版社: 学会出版センター
- サイズ:20cm/269p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-7622-3007-3
- 国内送料無料
紙の本
知のツールとしての科学 バイオサイエンスの基礎はいかに築かれたか 上
人々が時代を超えて何を疑問としてきたか、また自然哲学者や科学者たちがどのように考え、答・アイディアなどを導き出してきたかを説き明かす。上巻では、科学思想の先駆者たち、進化...
知のツールとしての科学 バイオサイエンスの基礎はいかに築かれたか 上
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商品説明
人々が時代を超えて何を疑問としてきたか、また自然哲学者や科学者たちがどのように考え、答・アイディアなどを導き出してきたかを説き明かす。上巻では、科学思想の先駆者たち、進化思想の発展などについて述べる。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ジョン A.ムーア
- 略歴
- 〈ムーア〉1915年生まれ。進化・発生生物学者。現在、米国カリフォルニア大学リヴァーサイド校名誉教授。
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紙の本
「知は力なり」——知識獲得の手段としての生物学の歴史をたどる
2003/03/03 19:04
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投稿者:三中信宏 - この投稿者のレビュー一覧を見る
こういう歴史書のスタイルもあるのかと新鮮な印象を受ける。本書は、いくつかの研究領域に光を当てることにより、「自然界についての知識であると同時に、その知識を獲得する方法についての知識でもある」(下巻, p.572)生物学のたどってきた道のりを明らかにしようとする。題名の「知のツールとしての科学」は、確かに本書全体を貫くテーマを掲げるスローガンだ。つまり、単なる回顧的な歴史趣味から本書は書かれたのではない。むしろ、新たな世紀を前にした生物学が過去2000年に及ぶ長い歴史をどのように継承して、将来へのビジョンを描いていくのかといういわば「攻めの視点」のもとに、ツールとしての生物学の基盤を再認識する試みである。
先駆者たちの自然学思想を概観した第1部では、生物学という「科学する心」がどのように育まれてきたのかをたどる。精神的存在によって世界を理解しようとする宗教とは異なり、科学は「自然現象を基にして自然界の事物や出来事を説明する」(上巻, p.33)。生物学においても、どのようにして仮説を立て、それをテストし、推論を重ねるのかが「知を得るツール」として確立されていった。続く第2〜4部では、進化学・遺伝学・発生学という今日の生物学で重要な位置を占めている領域ごとに、どのように問題状況が認識され、その解決への努力がどのようになされたのかが論じられる。当時の資料にまでさかのぼった詳細な記述は臨場感を感じさせる。
生物学教育に長い経験をもつ著者の手になる本書は、とりわけ生物学を教える立場にある読者には得るものが多いだろう。「我々は今、人類の永続的な未来にとって、生物学の知識こそが不可欠であるという、歴史的な瞬間に到達している」(上巻, p.4)という序論の言葉は、「知のツール」としての生物学の意義を教える「攻めの生物学史」が、これまでにもまして生物学の教育課程の中で必要とされていることを物語っている。
(三中信宏/農業環境技術研究所主任研究官)
【上巻目次】
はじめに v
序論 1
生物学のための概念的枠組み 5
第1部:自然を理解する 9
第1章:科学思想の先駆者たち 11
第2章:アリストテレスとギリシャ人の自然観 33
第3章:理性的なギリシャ人? 51
第4章:ユダヤ・キリスト教の世界観 71
第5章:科学の復興 93
第6章:模様石と可塑能力 123
第2部:進化思想の発展 155
第7章:進化に関するパラダイム 157
第8章:ダーウィンの仮説を検証する 179
第9章:進化の立場から見ると 207
第10章:時代を越えた生命 231
【下巻目次】
第3部:古典遺伝学 271
第11章:パンゲネシス(汎生説) 273
第12章:細胞説 295
第13章:染色体連続性の仮説 311
第14章:メンデルと遺伝学の誕生 333
第15章:遺伝学+細胞学——1900〜1910年 353
第16章:ショウジョウバエの遺伝学 383
第17章:遺伝子の構造と機能 419
第4部:発生の謎 447
第18章:第一の原則 449
第19章:発見の世記 469
第20章:記載発生学 487
第21章:分析発生学の夜明け 509
第22章:発生中の相互作用 541
むすび 571
訳者あとがき 577
引用文献 [12-25]
参考図書 [10-11]
出典 [8-9]
索引 [1-7]