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エコロジーといっても、いま流行りの「エコ」ではなく、生態学的思考のすすめです。
「風が吹けば桶屋が儲かる」ではないけれども、環境問題に対して、
局所的対応をしたところでどのような副作用がでるかわからない。
それは人体も同じで、病気だから切除するとかクスリを飲むとか、
そういう対応では一時的に治っても、機能を失い、死も近づきます。
地球全体を1つのシステムととらえ、マクロ的、全体的、
イコール生物学的な思考をすすめています。
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「風が吹けば 桶屋が儲かる」に象徴される、連想・想像を駆使することの大切さを語っている。
昨今の想像力欠如気味な多くの事件を見るにつけ、この本(ばかりではないけどね)を読んでほしいなぁなんて思う。
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初版の発行年はなんと、1971年です。これにはびっくりしました。70年代と言えば、まだまだ環境というキーワードが無かった時代と思います。当時は話の内容が高度過ぎて一般読者はついてこれなかったのではないでしょうか。それくらい、今で言う最先端の内容だと思うのです。生態学というと普通は昆虫とか植物とかの互いの関連性を調べてあれこれ考える学問だと私は、思っていましたが、その思考法は、政治、経済にまで応用できる技術論だったんですね。佐藤栄作とか、カポネとか、著者は様々な人を引き合いに出して生態学的思考法とはどういうものかを論じていきます。それの例えが非常にわかりやすく、頭の鈍い私でも理解が容易でした。環境問題に関心のある人は必見の書だ、と言えると思います。最近の読んだ中ではイチオシです!それにしても植物はえらいですね。太古の昔から、開放系の無限にある太陽エネルギーを最大効率で利用していたんですから。やはり、この書を読むと、この神からの贈り物ともいえる太陽エネルギーを利用しないで無駄にしている人間はつくづく愚か者だと認識しました。
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多様性と循環を、思考とか生活に結びつけること。
いや、ちがった。
思考とか生活はそもそも多様性とか循環の中でまかり通るもので、特例的に多様性と循環を排除してしまったら、長続きはしないということ。
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「エコロジー」の
そもそもの意味を
考えさせられる本。
資源の再利用は
環境だけでなく
思考にも云えることで
インプットの少ない人は
アウトプットも少ない・・・
脳も再利用活動しているのだなぁ。
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1971年出版された著者の処女作にして、今に通ずる普遍的本質に富む。
・エコロジー生態学=関係性
・生物学の両極:分子生物学、生態学
・科学の条件:論理性、客観性、実証性、定量性 を満たさない、観察によるチエ。
・人間は、最低エントロピー生物:情報の集積
・人間は広食性雑食動物:繁栄の条件
・人工資源採掘システム
→■資源性の評価に、時間軸、閉鎖系か否かを取り入れる。
・食物は1/10に縮減→食物連鎖は5段階程度が限界
・生かさず殺さずの自然の管理 cf.マタギ
・人工システムは、自然システムの模倣であり、非効率、無駄大(外部性など)
→■廃棄物を発生プロセスにより分類・管理
・生物多様性=システム「全体」の安定性
単純:効率、脆弱
複雑:非効率、安定(but人工システムの保守コスト大)
・システムのエコロジー→フィードバック機構 cf.クラウド
・遷移と適応→最適条件から危機状態に 周辺から中心へ
・善悪の相対→撲滅の危険性
・自分の価値体系の相対性を学ぶ ■成長の律速か
○弱者は臆することなく卑劣に生き、強者は弱者の甘えと卑劣を許す
○人を使うにはなわばりを与える
○人間はむしろ、ムダがムダとしか見えず、ムラがムラとしか見えない自分を恥ずべき(全体の合理性は)
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同書は1970年に発刊されたものを1990年に文庫版として刊行したもの。
それを2010年に読んでいるので、初出から40年経つ。
驚かされる点は多々あるが、その中でもふたつ。
ひとつは、極限まで文系的思考で理系的考察を繰り広げている点。
その整理・体系力は感嘆に値する。
もうひとつは、これを書いた立花隆は当時30歳ということ。
もちろん、洞察力はそれなりだが、認識違いを恐れず、堂々と提言する姿勢にはたまげる。
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立花隆さんの実質的な処女作らしいです。今でこそエコロジーの考え方は常識ですが、この時代にこの思想をもっていた筆者には頭が下がります。
内容は同じ結論が繰り返し書かれていて少々読みづらいです。今でこそ当たり前のことしか書いていないので、新しく得られた情報や「なるほどな」と改めて考えさせられた点はありませんでした。
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ちょっと昔の本であるが、震災で津波や原発が大変なこの時期に読むのに意味のある内容だった。人間は自然に対し驕り高ぶってはいけないということがよく理解できる。
本としてもエコロジー思考を軸に、環境問題を大局的につかむ内容から入って、人間の社会システムの有り様にまで言及していて読みやすかった。
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生態学的視点による人間文明の見直し
■1971年に日本経済新聞社にて出版されたのが一番最初であり
1990年に中公文庫にて改題、一部補足的加筆が加えられ版を重ねている。
■著書の他の作品に比べて専門用語が少なく分りやすく感じるのは、ミクロにも話が及びやすい個別題材と異なり、生態学というマクロの全体的視野に基づく全体の関係性による分野が題材となっているためであると思われる。
■自然のエコシステムの複雑な関係性の視点を、人間の社会、経済のシステムを分析するためのベースにおき、はや1970年からアンバランスになっている人間文明
について警鐘を鳴らしている。後の文明の逆説、宇宙からの帰還、そのほかの作品にもつながりが感じられ、かつ時代をへても色あせない作品だと感じる。
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様々なデータをもとにエコロジー論を展開。
科学をベースにしつつ、人間社会の在り方を論理的に提示するというアプローチは、さすが。
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■生態学の教え
A.複雑でチャネルの多い自然のシステムに比べて、人工システムは単純である。それゆえ、どこかに狂いが生じると、故障したチャネルの機能を他のチャネルがすぐに引き継ぐことができず、システム全体が破壊される。
B.生物は、その時、そのところでの環境に最も適応したものが栄えるが、ある生物が繁栄すると、その生物の繁栄自体が別の環境を作り出し、別の生物が繁栄しやすくなる。こうして繁栄する生物が移り変わる現象を「遷移」という。
C.人間は、人間に害を与える生物を「害虫」と呼び、撲滅の対象とするが、害虫からすれば、人間こそ「害獣」となる。このように、自然界における善悪は相対的である。
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結果に至るまでには必ず原因があるといった事を学問とした生態学を解りやすく解説した内容。それをもとに現在の状況が引き起こすだろう未来の環境破壊を切々と説いたもの。
まるでインクレディブルマシーン。
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生態学の視点で物事を捉えることで複雑化する現代社会の問題に対する解決策を考えるヒントを得ることができるのではないか。驚いたのは1971年30歳の著者の処女作であること。知の巨人と言われる片鱗が垣間見れた。
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地球全体における人類の位置づけについて考えさせられる。
リソースは有限であり、一時的な過剰摂取は、後々の不足を引き起こす。循環を考慮することが大切
初版は1990年と古いが、30年たった今でも十分に通じるということは、環境は長い目でみる必要がある。よくなるも悪くなるかの傾きが大事