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紙の本
ほんわり恍けたお話が一つ一つ胸にしみる佳作。
2015/09/27 23:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:arima0831 - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず表紙がステキだ。
伊藤若冲の『糸瓜群虫図』調で、夕顔の花咲く間に間に虫たちが遊んでいる。
短い漫画はそれぞれに様々な形で虫をモチーフにした幻想譚。初出は90年代のガロだったそうで、なるほどちょっと見覚えのある「ガロっぽい」タッチではある。
ガロ調で虫?オエー!となる人も結構いそうだが、生臭くも暗くもない。
虫自体の書き込みはリアルなのに優しい風情で、虫好きとは到底言えないワタシでもほのぼのと楽しめる。それぞれが不思議で優しくて、ほんわり恍けたお話が一つ一つ胸にしみる佳作。
紙の本
森ん中の内緒のこと
2003/05/15 00:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:またたび - この投稿者のレビュー一覧を見る
南伸方の美しい装丁にひかれて購入したけれど正解だった。何かに夢中になり、その何かを大切にしている人を知るのは心地がいい。著者の場合は虫・昆虫の類。まず、絵を見ればわかる。虫や周りの植物は細かく精緻に描かれているのに、対照的に人間の描写のおおらかなこと。彼女の感心をとらえる造型は虫や植物のものであり、人間のそれではないのだ。もちろん、擬人化された虫はそれはそれでとても愛らしい。そして、作品の内容もとても繊細だ。収録の『虫の神』『へくそだま』『十三夜』などは幻想的で、素晴らしかった。『へくそだま』の中の台詞、「森ん中にはたくさん秘密がありますで 気まぐれに見せてくれる時もあっけれど それは内緒のこと」。このような台詞を書く作者を、素直にうらやましく思った。なかなか書けない。最後に収録してある『ピーちゃん』も、いい。