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商品説明
平氏が滅亡し、鎌倉幕府もまだ成立していない混沌の時代に多感な十代を過ごした一郎−後の京都高山寺の開祖明恵上人の物語。狂気と信仰のはざまで揺れる、未成熟な精神という普遍的なテーマで描いた長編小説。【「TRC MARC」の商品解説】
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電子書籍
抑えた筆致の緊張感がいい
2015/08/08 00:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:KNSC - この投稿者のレビュー一覧を見る
のちに高山寺をひらく明恵上人が、一郎という名で神護寺の稚児であった頃の話。一郎、そして神護寺に修行に来た彼と同年代の唯戒という若年僧のふたりを中心に話は進む。
先行きの見えない時代(「末法の世」)、山奥の僧院という閉ざされた環境、そしてそれぞれが抱える出自にまつわる苦悩と煩悶が重層的な世界観を形成している。
さらに、筆者の抑えた筆致がいっそう、物語の緊張感を高めている。
下巻はふたりが徐々に気持ちを通わせていく過程と、唯戒におとずれる哀切な結末が描かれる。
ふたりの出会いが、一郎にとってどのような意味があったのか、なぜそれが仏の思し召しだったのか。
最後に用意されたカタルシスにしばし涙した。
書籍版が1000円以上するのに、電子版が100円台ということで、あまり期待せずに購入したが、思わぬ掘り出し物を見つけた気分。
惜しむらくは、誤字脱字が多いこと。
電子書籍
抑えた筆致の緊張感がいい
2015/08/08 00:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:KNSC - この投稿者のレビュー一覧を見る
のちに高山寺をひらく明恵上人が、一郎という名で神護寺の稚児であった頃の話。一郎、そして神護寺に修行に来た彼と同年代の唯戒という若年僧のふたりを中心に話は進む。
先行きの見えない時代(「末法の世」)、山奥の僧院という閉ざされた環境、そしてそれぞれが抱える出自にまつわる苦悩と煩悶が重層的な世界観を形成している。
さらに、筆者の抑えた筆致がいっそう、物語の緊張感を高めている。
上巻はふたりの出会いと、それぞれの苦悩が描かれる。
まだふたりの間には壁があり、なぜこの出会いが必然であったかは分からないまま、一郎は絶望的な行動へとはしる。
書籍版が1000円以上するのに、電子版が100円台ということで、あまり期待せずに購入したが、思わぬ掘り出し物を見つけた気分。
惜しむらくは、誤字脱字が多いこと。