紙の本
能、手塚治虫、吸血鬼の絶妙なカクテル
2003/03/24 22:28
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投稿者:Nekomata - この投稿者のレビュー一覧を見る
トビラには、ルカ伝福音の一節が記載されていて、これが本編とどう関連するのか?
最初の場面が義経と弁慶の逃避行で、どうも義経が主人公らしいと思ったが、
時代が進んで東京が空襲されているらしところで主人公の記憶が曖昧なこと、
いつの時代も何者かに狩られていることが分かる。
そして、大災害の後の千年後には主人公は、とうとう黒蜜と離ればなれとなり、物語は再び動き出す。
主人公たちを千年もの間追い続ける者はいったい何者で、その目的は何なのか?
主人公と黒蜜は再会できるのか?
そして義経としての記憶は戻るのか?
一応吸血鬼物の様だが、食料としての吸血ではなく超人的な体力、治癒能力が衰えてきたときに維持、
回復するために時々行うらしい。
能の「黒塚」、手塚治虫の「安達が原」に吸血鬼が加わって、渾然となった絶妙な物語。
ルカ伝福音は黒蜜を変身させた吸血鬼が、映画「ドラキュリア」の吸血鬼の正体と同じだからか…
弁慶は最終的に立ち往生してしまったし、義経と黒蜜はどこへ向かうのだろうか?
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中盤のあたりで、ちょっと訳が分からなくなった。
でも、ラストが美しい。
血とか炎…そういうものを、物凄く美しく描写すると思う。
それにしても、これは実際に舞台化されたんだろうか?
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登場人物の名前が好き。雷、歌留多、久遠、黒蜜。
人間の生への思いの強さが浅ましくも強く、印象的。
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実を言うと夢枕獏の作品は、これと「陰陽師」シリーズしか読んだことがありません。遥か時空を越える愛の物語。愛の成就のためには他人の命など・・・流れ落ちる血、美しくも妖しい恋愛絵巻です。
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吸血鬼を浅ましくなく、美しく表現していると思う。
時代を超えた愛に圧倒された。
登場人物の名前の美しさにも惹かれた。
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初夢枕獏です
とっつきにくそうな表紙ですが、とても読みやすい。
二日で読了。
ラノベっぽいとも言えるかも。
SF伝奇ファンタジー、ヴァンパイア物が好きな方はぜひ。
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【退けい、退けい、人間ども!!】
恩田陸のライオンハートっぽい
また、きみの名残っぽくもあるかな
もう一度読みたい。漫画版も読みたい
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夢枕さんをしっかり読んだのは初なのですが、良かったです。
和風ヴァンパイアって感じですね。
それなりに怖いですよ。
けれどもこれくらいないと印象薄いかな?
きれいな話でした。
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夢枕獏さんの作品は初めて読んだ。源義経と弁慶の逃亡をモチーフに、古来日本的な神秘さ、幽玄さ、恐怖観から一転して近未来SF的な場面へとスピード感のある展開でスケールの広い作品だった。どうも、ゲームソフトのシナリオっぽいなぁという印象が読んでいてあったのだが、最後まで飽きのこないストーリーで面白かった。
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2003.6.7 4刷 857
十二世紀末。鎌倉に追われる九郎坊と大和坊は、奥州の山中で妖麗な女が独居する藁屋に一夜の宿を請う。黒蜜と名乗る女は奥の間を覗かぬことを条件に逗留を許す。十九世紀、奥州山中の荒屋に宿を請うた男は、生首となって生きる九郎坊を奥の間に見る。さらに時代は流れ……九郎坊は高層ビルから廃墟と化した都市を見下ろしていた。永遠の命を生きる異形の者の、時空を超えて展開する愛憎と闘い。
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アニメ始まるらしいですね、どうせ見れませんけど! 宮野が九郎で吸血鬼で相手は朴さんで、って気になってたのに。ああでも、読んでみたらエログロで自分には映像はハードル高そうでした…。いったいどこまで映像化するつもりなのかぁ。でも、本はすいすい読めました。やっぱり自分は義経好きなんだなって。義経に与えられるキャラにホント弱いみたいです。全然ビジュアルは違うのに、脳内で動く九郎は、どうしてもどっかのオレンジ髪に変換されてしまって、自分の業の深さに笑える。
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義経と吸血鬼、そして近未来という題材に惹かれました。
アクション小説を探して行き着いた一冊。
終わり方に「永遠」のようなものを感じました。
聖書とか、偉人や聖人?とか出てきたときにはなんかもう、オイシイ気分でした。
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中学時代に一日かけて読んだ思い出の本
コミックスで存在を知り、原作が読みたいと思って夢枕先生の存在を知った。
源義経が黒蜜という不死の女に出会ったことによる壮大なSF作品
黒蜜が不死となった原因の話もSFらしくなかなか興味深い
時間があったらまた読み返してみたい作品です
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表紙はとっつきにくそうな絵だけど
悲しくて美しいお話です。
不死の女とその女に愛され続ける男の壮大なスケールの物語。
とても読みやすくて夢中で読んでしまいました。
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これを歴史物と言って良いのか分からんが
一応。
名前だけ義経やら弁慶やら借りてますしね。
黒蜜が私の中で
陰陽座の黒猫さん再生。
でもクロウは瞬火さんでもなく。
どれかっていうと
せがわまさきの甲賀忍法帖の
伊賀のイケメン。
何なの何なの、と
すいすい読めると言えば読めるんだけど
要らなかったんじゃない?と思う場面は少々。
でもやっぱり
欲深い女の恋情は好きなのです。
欲深いと言ってしまうと俗っぽいけど。
1000年以上にわたる恋情、
「仕方が無かった」と
自分の恋を燃え上がらせる姿。
「仕方が無かった」と
言ってしまえるのが素敵。
九遠を犠牲にしてまで、という。
好きだから仕様が無いじゃないと開き直るように
さめざめと泣くような姿は嫌いじゃないです。
甲賀忍法帖の朧みたいなのは嫌いですけど←
恋情のために全てを振り回す。
斯く在りたいものです←
最後終わりはあんなもんなのかなぁ………
もうちょっとすっきりした終わりで読みたかったかなと言う感じです。