紙の本
待望の文庫化!読み逃してた人は必読です。
2003/04/06 19:30
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:山村まひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
1993年刊『ぼくの推理研究』と1997年刊『死神になった少年』を合本の上、文庫化したもの。
上記2冊は、もともと「ジャンプノベル」に掲載されたあと新書版の「ジャンプJブックス」で発売されたのですが…ジュブナイルということと、「ジャンプJブックス」自体がマイナーなこともあって、あまり本屋に出まわらなかったし、話題にもならなかったと思います。
私は我孫子さんのファンなので、探しまわって買いました。
マンションで母親と2人暮らしの中学生の歩(あゆむ)。
同じマンションの友だち大塚。
歩の塾仲間の森本。
過去にいじめを受けて不登校気味の中学生・可奈子。
ある意味、普通のマンションと、普通の中学校なんだけど、そこを舞台にして、4つの事件がおこります。
その事件を、ある日、夜中に引っ越して来た二十代半ばくらいの青年「萩原さん」が解き明かして、少年、少女たちの「日常」を回復させようと努力する、っていうような物語です。
親には理解されず、学校からも浮いてしまった子どもたちが、一人暮らしでゲームをいっぱい持ってる萩原さんの部屋に遊びに行くようになり、少しずつ自分のことをしゃべったりするようになって…その何気ない日常の会話から萩原さんは、いろんなことに気がつくんです。
こんなお兄さんが、同じマンションにいてくれたら良いよね〜。
短編4つなので、すごい大きなトリックっていうのはないんだけど、ジュブナイルとは言っても、子供だましってことではないわけなので「ジャンプJブックス」で出たときは、もったいないなあ…って思っていました。
子どもに向けて書かれたものって、大人はあんまり手にとらないことが多いから。
だから、今回の文庫化はとても嬉しい。
未読の方はぜひ手にとって、読んでみてください。
初出「うたたね通信社」
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もとは、ジャンプノベルという雑誌(今はないらしいが)に載せられていたもの、だそうだ。作者がいうところのジュヴナイルである。
4つの短編なのだけれど、主人公は少年(中3)と少女(中1)が、交互になっている。そしてミステリなら探偵役に当たるのが萩原さんという青年。解説の乙一氏(!)も書いておられるのだけれど、思春期という微妙なバランスを保った時期を、うまく切り取って描いている。ぜひぜひお勧めな一冊でした
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主人公は中學3年生。
彼のとなりに引つ越してきた萩原さんが探偵役となる。
少年の周圍に起る事件を解決するストーリーだが、ミステリーといふよりも思春期小説と云つた方がしつくりくるかもしれない。
2004年6月27日讀了
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大学で児童心理学の研究をしているゲーム好きの荻原。
その荻原と同じマンションに住む少年、少女の身に起こったことを描いた短編集。
もちろん人が殺されたり、なんらかの事件は起こるんだけれど、それよりもなによりも、思春期というのはひとつの事件だったんだなぁと思った一冊。
爽やかさはあんまりなくて、むしろこの時期の残酷さや生々しさが浮かび上がってくるんだけど、決して嫌な読後感はない。
荻原というキャラクターが、非日常で、どこかから超越した存在だからなのかなぁ。
でも、武丸さんの小説は、もうちょっとコミカルな感じのほうが好きかも。
いちばんはじめの『ぼくの推理研究』がおすすめです。
乙一さんの解説もなかなかです。
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恐らく子供も読めるミステリというコンセプトで書かれた作品。
軽いのでミステリ好きじゃない人にも読みやすいかも。
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揺れ動く思春期を巧みに描き切る武丸流青春ミステリ連作。
乙一氏の解説が素晴らしい。
どこかにありそうで、二つとない珠玉のミステリをお楽しみください。
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2007/8/16 Amazonにて購入。2008/4/6~5/3
同じマンションに住む少年少女が主人公になる連作推理。子供達を見守る児童心理学の研究者萩原さんとの心温まる交流を軸に展開される謎。魅力的なジュブナイルであった。
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事件に巻き込まれる思春期の少年達を描いた短編集。
ジャンプジェイブックスの作品をまとめたもの。
表題の通り同じマンションの四季を舞台に連作形式をとる。
ゲーム好きの児童心理学者が探偵的役割として全編に登場する。
ライトノベル的ジュブナイルといった雰囲気で,
謎も深くなく,軽く読めて楽しめる。
いつのまにか忘れてしまった思春期の難しさをうまく扱っている。
個人的には「死神になった少年」が良かった。
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自分で借りた本が思いのほかつまらなくて途中で投げ出してしまい、代わりにムスメが借りたこの本を読んでいたという…(爆) ミステリというよりはジュブナイル、思春期の少年少女の危うさがよく描けてますが、私的には萩原さんのエピソードを読んでみたかった。さくさく読めて良かったですが、お話自体がちょっと古め^^; 「かまいたちの夜」をもう一度プレイしたくなった(笑)
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短編集。
中学生から高校生が主人公。
深夜マンションに引っ越してきた隣人との話。
隣人は児童心理学の先生。
子供の心に寄り添い、推理もさえる頼りになる存在。
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我孫子先生には申し訳ないのですが、解説を乙一先生が書いていたので買いました。とても読みやすく、ミステリーとしても純文学としても楽しめて、買った価値があったなあ、と思いました。2つめの話に出てきた、加奈子ちゃんの心情が、小学生のときのあたしみたいで、恥ずかしくなりました。
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少年少女の中編4つ。季節四つ分。
全編通して出ているのは、大人の男性。
若者特有の価値観からの問題発生を
彼が良い方向へ導く姿が優しく大きい。
ジャンプJブックスということで
小難しくもなく、YAから読める感じ。
重厚なのがお好きな人には向いてない。
( ・_ゝ・)<ミステリーじゃないよ。青春小説ってとこだろ。
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ミステリーではない。
特に最後の話はセーラー〇ーンやん
さくさく読めるしじぶんが小学や中学で味わった感情を思い出させてくれる感じは好きなんだけど・・・。なんせセーラー・・・
この1作だけは好きになれない
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ジュヴナイルだからといって侮るなかれ。ミステリ度はちょっと薄めかなあ、という気もするけれど、他は全然遜色なし。いや、そもそも主題がミステリではないのかもね。メインは思春期の少年少女の物語、というところで。特に「凍てついた季節」の痛々しさには凄まじいほどの迫力があるし、だけど全体的な読後感はまったく悪くない。思春期を忘れ去った大人に対しても、訴えかけてくる物語だと思う。
乙一さんの解説も必見。面白いだけじゃないから。
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美しき思春期におこる事件たち。
少年・少女はいかに苦しむか。
ジュブナイルの世界であり、
君の心を貫くミステリで、
これだけ瑞々しい物語。
思春期という怪物に飲み込まれ、
そして、戦う少年たちに、
君は共感するだろう。
解説乙一。