温泉マニュアル 間違いだらけの温泉選び

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投稿者：ゆた　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

「週に二回は温泉に入らないと体調が悪い」と豪語する著者が全国を行脚し、制覇した温泉を独自の価値観による論旨で書き下ろしている。古来より「癒し」の方法として愛され続けてきた温泉が、利益を第一とした商業主義により「リゾート」と化しつつある昨今、決して便利とは程遠い、鄙びた温泉を好み、休日のほとんどを温泉に費やしている著者の、昔ながらの日本人的な気質に好感がもてる。著者曰く、「幼少の頃から温泉に親しんできた私にとって、温泉が本来持つ情緒や、癒しが、次々とコンクリートの下に埋もれていくのが悲しく、我慢ならなかった。」日々発達していく科学技術の代償として、日本は本来持つ豊かな自然と、日本人特有の気質を失いつつあるのではないか。この本には著者のそういったメッセージが込められている気がしてならない。