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山もりのババたち 脱ダム村の贈り物
  • みんなの評価 5つ星のうち 5 2件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2003.3
  • 出版社: 凱風社
  • サイズ:19cm/219p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-7736-2705-0
  • 国内送料無料

紙の本

山もりのババたち 脱ダム村の贈り物

著者 玄番 真紀子 (文と漫画)

【平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞(第9回)】舞台は細川内ダム建設を撤回させた徳島県木頭村。ダム反対の根っこにあったのは山の民の文化。今最もホットな社会問題と生活誌を...

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山もりのババたち 脱ダム村の贈り物

1,728(税込)

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商品説明

【平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞(第9回)】舞台は細川内ダム建設を撤回させた徳島県木頭村。ダム反対の根っこにあったのは山の民の文化。今最もホットな社会問題と生活誌を漫画をまじえながら伝える。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

玄番 真紀子

略歴
〈玄番真紀子〉1968年福井県生まれ。中学・高校教員を経て、家族で大阪から木頭村に移住する。

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みんなのレビュー2件

みんなの評価5.0

評価内訳

  • 星 5 (2件)
  • 星 4 (0件)
  • 星 3 (0件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)

紙の本

豊かに生きていくためのヒントが山盛り,次世代に何を伝えるべきか

2003/03/13 19:50

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:青葉 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「山守り」のババたち,である。先祖からの生活の舞台である山を,公共事業という名の下で行われる破壊から守るために立ち上がった,言いたいことが「山盛り」のババたちだ。この本のタイトルにある「脱ダム」というキーワードに着目すると,ダム問題などの環境問題を扱った本だと思う人もいるかもしれない。確かに本書は環境問題にページを割いているが,そうした部分も含めて,この本全体に一貫して流れているのは「山の民の文化と生活」に対する筆者の敬愛の念だ。

 本書の冒頭「ババたちのアクション編」では,ダム問題を巡って動き回るババたちのパワーに圧倒される。だが,後に続く「山の暮らし編」で紹介されている,自然としっかり向かい合った骨太の暮らしぶりには,さらに圧倒される。我々は文明と称して多くのものを手に入れた代わりに,本書に登場する山の民たちが普通に持っているものをどれだけ失ってしまったのだろうと改めて思う。

 テレビやインターネットは,居ながらにして世界中の出来事を見聞きするのを可能にした。テクノロジーを駆使したさまざまな機器はこれからも生活を便利にしていくだろう。だが,山村で四季の移り変わりや自然の営みを五感で感じ,昔ながらの道具を使いこなして暮らしているババたちの生き様には到底かなわない。無数に提示される選択肢の中であわただしく生きるよりも,少ない選択肢の中でもゆっくり生きる方がいかに豊かなことか。本書はそのことを教えてくれる。こうした暮らしぶりを,次世代になんとかして伝えていけないものかと切に思う。

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紙の本

脱ダム村に移り住んだ家族が見たもの

2004/03/19 16:19

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:遊民 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 徳島県那賀郡木頭村−−。「ダムに反対する小さな村」として、以前から気になっていた場所だった。この本の著者も、新聞記事をきっかけにして、「どんな村だろう、どんな川だろう、どんな人たちが住んでいるんだろう」という気持ちを抱いたようだ。
 そして1995年の夏に木頭村を訪ねてみた。「深い山々の緑から流れ出る川を見て身震いするほど感動」し、「巧みに暮らし(文化)を築き上げてきた山の民」にも興味がわいてきた。
「私たちの知らない、ここでは当たり前の暮らしを、もっと知りたい、見てみたい、できることなら自分たちもそんな暮らしに近づきたい——」
 けっきょく著者は、家族揃って木頭村へ移住してしまう。初めて木頭村を訪ねてから、4年後のことだった。当時はダムの反対闘争の真っ最中だったが、人々の暮らしはそれとは無関係に思えるほど平和に見えた。
 けれども、ダム建設の推進派と反対派の間には、少しずつ亀裂が生じてくる。これはどの地域でも必ず聞く悲しい現実だ。著者も、移住してから少しずつそのことに気づかされ、心を痛めていく。
 2000年11月、ダム建設完全中止が決定。「行政史上初めて小さな村が国の巨大公共事業計画を跳ね返した」。僕はそのことをニュースで知り、ほっと胸をなで下ろした。しかし、“ダム問題”はそれで終わらなかった。
 中止決定の2か月後、藤田村長が社長を勤める「きとうむら」が、柚子の皮を山林に不法投棄したとして県警から処分を受ける。自動車や農機具、産廃扱いの工業用シルト(砂と粘土の中間の細かさの土)が放棄されているのは何も言わず、自然に還りやすい柚子の皮が問題にされた背景には、数か月後に迫った村長選挙があった。そんな“裏工作”の影響もあって、翌年4月の村長選ではダム推進派の候補が当選する。
 再び、木頭村に公共事業の波が押し寄せ、村を二分した“ダム問題”は、このまま終わりなく続くのだろうか。そんなときに、「山のババたち」が立ち上がった。「ダム闘争の苦労を無駄にせられん(できない)」と、村議会を傍聴し、県知事選挙や村議会選挙の宣伝活動を行ない、「きとうむら」の株を買い上げて村民セクターにしよう走り回った。
「木頭のこれからを思うと胸が苦しゅうなる。〈きとうむら〉を守ることは子や孫や村を守ることじゃ」
 第1章の「アクション編」では、政治とはまったく縁がなかった「ババたち」の、そんな奮闘ぶりが見事に描かれている。議会のヤジに腹を立て、議員に嘆願書を手渡し、県知事選の応援に駆けつけ、柚子皮事件の裁判を傍聴し、日本のODAでダムに沈んだフィリピンの村人の言葉に涙を流す。
「社会も環境も悪化の一途をたどり、ちまたでは気が滅入る事件ばかりが頻発している。何をしても無駄なのかな−−ふと、そんな無力感に襲われる。でもそんなとき、どんな苦境に立たされても『おもっしょうなってきたのぅ』と、不敵に笑っている素敵な山のババたちがいることを、ぜひ思い出してほしい。きっとあふれんばかりの元気を分けてもらえるから」
 後半に当たる「山暮らし編」は、「ババたち」の日々の暮らしをスケッチしたものだ。これこそ、木頭村に移り住んだ著者が描きたかった世界なのかもしれない。ほのぼのとしたイラストや、四コマまんがが楽しい。タイトルの「山もり」は、「山守り」と「山盛り」の意味があるそうだ。思わず、もっともっと、日本の田舎の魅力を描いてほしいと注文したくなってしまう。
 PCJF(平和・協同ジャーナリスト基金)の第9回平和・協同ジャーナリスト基金賞・奨励賞を受賞した好著。

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