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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2003.3
- 出版社: アスキー・コミュニケーションズ
- サイズ:21cm/343,75p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-7762-0044-9
紙の本
竹中プランのすべて 金融再生プログラムの真実
著者 木村 剛 (著)
「金融再生プログラム(竹中プラン)」が公表されてから、たった2カ月の間にメガバンクは大きく動き始めた。竹中チームの著者が明かす、「骨抜きプラン」の衝撃の事実。【「TRC ...
竹中プランのすべて 金融再生プログラムの真実
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商品説明
「金融再生プログラム(竹中プラン)」が公表されてから、たった2カ月の間にメガバンクは大きく動き始めた。竹中チームの著者が明かす、「骨抜きプラン」の衝撃の事実。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
木村 剛
- 略歴
- 〈木村剛〉1962年富山県生まれ。東京大学経済学部卒業。日本銀行を経て、金融サービス総合コンサルティング会社KFiを設立。著書に「粉飾答弁」「退場宣告」など。
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紙の本
「作為という不作為」にはドキリとする。再生プログラムを超えて「貸すも親切貸さぬも親切」の復活が必要。
2003/07/07 23:43
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:平野雅史 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「金融再生プログラム−主要行の不良債権問題解決を通じた経済再生−」立案の立役者である木村氏が記したものだが、帯びの鮮烈さに比べ特段目新しい裏話といったものはない。ただ、本書での貫徹した主張、即ち、
・担うべき「資産変換機能」を喪失した銀行セクター
・免許業者「銀行」にリーズナブルなガバナンスを利かせられない行政
・結果、「資本配分機能」「淘汰」「経済モラル」を喪失した我が国経済
この構造は認識すべきだと思う。後世への将来債務を増加させる構造は、国家財政破綻と公共事業(本四連絡橋債務免除額は1.3兆円! 関空、長良川河口堰、諫早湾干拓は必要?)、社会保険や雇用能力開発機構の問題等と相通じるものがある。原理原則を説く再生プログラムの趣旨は、今に始まるものでもなく、監督官庁や産業を問うものでもなかろう。
「資産価値=将来収益/資本コスト」、この単純極まりない算式はDCF法貸出債権評価に止まらず、経済にも適用される。ゼネコン・不動産・商社などの衰退産業に資本や人材を幽閉し、我が国に将来利得をもたらす成長産業・企業に資本を振り向けない。債権償却損等は、他行預金保険料、中小企業向け金利によって非合理かつ不条理に価格転嫁が為される。その結果、淘汰は機能せず各産業全体の収益性を低下させると共に、デット・オーバー・ハングと不良企業を併発させる悪循環。「貸さぬ親切」と淘汰は銀行の大切な機能であるにもかかわらずだ。「資産価値=将来収益/資本コスト」に立ち戻れば、資本の配分と資本コストによる育成・淘汰こそが金融が担うべき我が国経済への源流対策だろう。
この機能を、安全資産「預金」を預かるハイレバレッジな財務体質で果たさせるがために、銀行は免許事業であり規制産業なのだ。金融機関破綻事例を省みれば、主因は大口融資への過重、背因はトップダウン与信判断に尽きる。故に、銀行法第26条、27条があり行政はエージェントとして銀行経営者を更迭する等の責務がある。然るに、警察官のノルマのごとく、違反切符の矛先は中小金融機関を介して中小企業、地域経済に向き、淘汰すべき相手をすり替えてきた。そのうえ、低金利を伴う過剰流動性は、不良銀行の収益と人件費を支え銀行産業の適正な収益性育成を阻む一方、年金資産減少、健全銀行の収益低下懸念を併発している。
行政がエージェントとして機能していない象徴は、公的資金が未だに申請方式であることだ。
一方、本書には評価できない点も多い。第1に、本書の対談形式の書体は読み難く疲れる。第2に、不勉強かつディスクロ意識皆無の新聞等マスコミに対する反発心は同調できるが、認知的不協和を招かないかと心配になる。第3に、「金融庁には誤った経営戦略を是正する義務がある」は行き過ぎ。第4に、薬漬けの如く資金を投下して優越的地位を作り上げてきた公的金融機関の肥大化を看過する点は許容し難い。
行政がすべき重点は、効果的なモニタリングおよび免許剥奪と経営者更迭、各産業の規制緩和を進め事業機会を拡大することではあるまいか。戦略・ビジネスシステム淘汰の原理原則は、新規参入者促進と資本経済下の自然に委ねることであり、付加するにしてもSRIなどの啓蒙促進によって「市場の失敗」とのバランス調整に止めるべき(「SRI社会的責任投資入門」(日本経済新聞社)等参照)。
著者が最も説きたいこと、それはグレシャム的「悪貨は良貨を駆逐する」からダーウィン的「適者生存・優勝劣敗」への転換ではないだろうか。実務屋の宿題増加は悩ましいが、筆者の主張および金融再生プログラムの趣旨は大概の金融人や審査マンが考えるシステム論と違えるものではないだろう。なお、蛇足ながら、既刊の著書とは異なり、出版元が事業再生の典型事例アスキーである点は興味深い。
紙の本
竹中プランと将来の日本経済
2003/05/26 22:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:不良債権処理 - この投稿者のレビュー一覧を見る
正直わかり難い本である。金融機関の不良債権処理は、重要だろう。
不良債権処理が、仮に終わったとしたら、その後日本経済は、どうなるのか、何も書かれていない。当然将来のことを予測するのは、困難であろうが、著者には、そういう点も一般人にも理解できるように掘り下げて書いてほしかった。
アメリカが、金融機関の不良債権処理を1980年代にやり遂げたことが、その後の長期の経済成長の要因になった点から推測して、日本も不良債権処理が、片がつくと再び経済成長が、始まると考えるのは、私は、短絡的に思える。直接本書では、触れてはいないが、著者の次回の執筆の際には、是非意見を述べてほしい。是非ビジョンのある経済政策の提言を期待したい。
紙の本
木村剛の明快さの魅力
2003/08/16 19:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:YOMUひと - この投稿者のレビュー一覧を見る
竹中大臣の「金融再生プログラム(竹中プラン)」を解説するのに、竹中チームの木村剛以上の適任者はいないであろう。
異常に長い日本経済の低迷の根底に不良債権問題があるのは、経済・金融の素人である評者にも明らかになってきた。
著者によると、どこの国でも不良債権処理の対応策にはいわば公式があって、
1.不良債権について十分な貸倒引当金を積む
2.その結果、資本不足の銀行が出れば、退場させる
3.そのため、金融当局の検査と監督を強化する
という3点セットの措置をすればよく、通常3〜5年で完治するが、日本の場合は10年以上経っても解決の兆しが見えない。それは「銀行の経営者が自分のミスを認めて責任を取りたくなかったから」であり、「金融庁も、過去の「不作為の罪」を指摘されることを恐れて、断固たる態度を取って」こなかったからと一刀両断する。
なぜ日本は通常のコースを歩めない国なのか、本書によって、私達は怒りと嘆きとともに、この経緯を振り返らざるをえない。
著者は言う、銀行の罪は、日銀の超低金利政策によりバブル期以上に業務利益を上げながら、貸出は増やさず、自己資本率維持のため国債を集中的に購入し、貸出によって資本創造する社会的責務を放棄したこと、退場すべき大手の問題企業には債権放棄してその延命を図りながら、中小企業には貸し渋り・貸し剥がしに走ったこと、などにある。
さらに、銀行による、銀行系シンクタンクのエコノミストを代弁者とした情報操作、マスコミの広告主・情報源という立場を利用したメディア操作、志の低い政治家を使った政治的圧力等も明らかにされる。
また金融庁の罪は、1998年、大蔵省が検査スケジュールを銀行に漏らした「ノーパンしゃぶしゃぶ事件」によってマスコミのバッシングを受けた「裁量行政」批判を逆手にとって、何もしないことを正当化する「不作為という作為」という無責任主義へ逃避したことにある。
竹中プランは、日本のこのような隠蔽工作の土壌に抗して、主要行の不良債権を平成16年度には半減させるという具体的な数値目標を掲げ、金融庁に設置された「金融問題タスクフォース」がその進捗状況をモニタリングするというものであるが、著者によるとその真のねらいは金融行政、金融庁の信頼性の回復である。
その意味では、私達の最も気がかりなのは、金融庁内における「抵抗勢力」と「改革派」の闘いである。この帰趨によってわが国の改革の最後のチャンスが左右されるからである。
最近、公的的資金を投入された15銀行に業務改善命令が出されたり、中小企業向け貸出が目標を下回った銀行が公表されたりしているが、本書は、竹中プランが実際に実行されていく過程に私達の関心を引きつけるばかりでなく、金融庁や銀行、或いはマスコミを監視しなければならないという感を強めるものである。
紙の本
現役の金融マンに読んでもらって感想を聞きたい本
2003/05/29 01:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:aguni - この投稿者のレビュー一覧を見る
帯文には木村氏のかなり挑発的なポーズとともに、以下の文章がある。
「これが実行されなければ日本は破滅する! 竹中チームの木村剛が明かすマスコミ報道ではわからない“骨抜きプラン”の衝撃の事実!!」
この本は平成14年10月30日、金融庁から提出された<金融再生プログラム>について、そして竹中大臣の意図について、チームの一員でもある木村氏が逐一説明したものである。聞き手は素人、つまりは読者のレベルを想定した作りになっている。
上に写したコピーに「マスコミ報道ではわからない」とある。木村氏の口から出るのは<銀行系コンサルの意図的な銀行弁護><何もしない・変わりたくない政治家><利権を守りたい官僚>そして何より<問題を隠蔽している銀行経営陣><無責任な報道を繰り返すマスコミ>そういった面々への批判である。
TVでは野党が野党ならではの無責任な批判を相変わらず繰り返している。与党自民党でも「族議員」たちが「自分の任期内での改革の中止」という反乱をしたがっている。
個人的には竹中プランには期待しているし、株価は低迷しようと銀行がつぶれようと、世界に通用する日本がまた復活するためには、今のところまだ「痛み」は仕方がないと思う。希望としては抵抗勢力がおとなしくしてくれることで改革のスピードを上げ、「痛み」の時間を短くしてくれることだけである。批判するだけなら簡単だ。しかし、少なくとも<金融再生プログラム>は進行しているし、そのこと自体はもっと評価されても良いと思う。改革が失敗なのかどうかは結果を見てから判断すれば良い。何もしないことが一番ダメなことだと思う。
ただし、私は金融の専門家ではないので、この本で木村氏が解説している内容がどこまで正しいのかわからない。ぜひ、専門家の方に読んでもらい、感想をお聞きしたい。
りそな銀行に2兆円にもなる公的資金が注入され、東京都知事が銀行を作るとまで言わざるを得ない、そんな今だから読む価値のある本、今だから読んでもらいたい本である。
紙の本
買ってもよい
2003/05/28 01:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:評判の本の評判 - この投稿者のレビュー一覧を見る
◆元日銀勤務、現在KFi代表で、竹中大臣のブレーンとも言われる著者が、金融再生プログラムの全貌をインタビュー形式で解説した本。
◆金融問題に興味のある経営者、財務担当者にお薦め。
◆平成15年05月17日、国はりそな銀行に公的資金2兆円を投入することを決定した。この時のポイントとなったのが「税効果資本」の問題であった。本書の293〜315ページを読むと、今回りそなが支援申請に至った背景と、今後の金融行政に及ぼす影響が良くわかる。
◆木村氏の言うとおりであれば、りそな銀行が国の管理する「特別支援銀行」になったことは、金融再生プログラムが正常に働き始めたということであり、むしろ良い知らせと考えられる。
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