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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2003/02/27
  • 出版社: 小学館
  • サイズ:20cm/374p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-09-386117-X

紙の本

いま、会いにゆきます

著者 市川 拓司 (著)

好きな人を思うとき、必ずその思いには別離の予感が寄り添っている。もし、そうだとしても−。書かれているのは、ただ「愛している」ということ。恋愛小説。【「TRC MARC」の...

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いま、会いにゆきます

税込 1,650 15pt

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絶対泣ける小学館ヤングアダルトセット 9巻セット

  • 税込価格:13,640124pt
  • 発送可能日:購入できません

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商品説明

好きな人を思うとき、必ずその思いには別離の予感が寄り添っている。もし、そうだとしても−。書かれているのは、ただ「愛している」ということ。恋愛小説。【「TRC MARC」の商品解説】

心が温まると同時に涙でいっぱいになる、感涙保証100%の恋愛小説です!

これほど哀しくて、幸せな涙を流したことはありますか? 「愛している」という感情をこれほどシンプルに、しかし深く表現した小説は稀有と言えるでしょう。父子家庭に起こる愛の奇跡―わずか6週間のその奇跡が、父に子に、永遠に生きつづけるかけがえのない心の宝を与えてくれます。アーヴィング、ヴォネガットをこよなく愛し、リリカルだが湿度のない、軽いユーモアを含んだ語り口が、静謐な慈しみに満ちた愛情の物語をあざやかに描き出します。読者の一人一人が心の奥底で共有できる記憶が、この物語にはあるはずです。哀しいけれど幸福な、最高の恋愛小説です。【商品解説】

著者紹介

市川 拓司

略歴
〈市川拓司〉1962年東京都生まれ。独協大学卒業。97年からインターネット上で小説を発表。著書に「Separation」がある。

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みんなのレビュー520件

みんなの評価4.1

評価内訳

紙の本

クリスマスに。

2005/02/19 11:50

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yurika - この投稿者のレビュー一覧を見る

私はクリスマスにサンタさんからもらいました。
映画の予告を見て素敵なお話な気がして、おねだりしていたんです。
読み終わって、サンタさんに感謝しました。

ちょっと変な父子家庭。
そして生まれた『愛』と『不安』。
その『不安』を取り除くためにやってきた妻。

現実味はないのだけれど、違和感は感じませんでした。
日本風味なハッピーエンドで、ほのぼのとした綺麗なお話でした。

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紙の本

誰かを愛したいときに

2004/08/22 13:50

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:misty - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本を読み終えた時、隣にいた夫に思わず「私はあなたを幸せにしてる?」と聞きました。

物語の中盤までは、妻に先立たれて小さな子供と二人、不器用ながら一生懸命に生きる主人公の姿が描かれています。のんびりとゆっくりと…そこに幽霊(?)となって戻ってきた妻。戻ってきた幸福な時間。普段のなにげない会話に「愛が宿っている」という作者の言葉に胸を打たれました。
妻と子供と自分との幸福な時間はまた、終わりを告げます。たった6週間でまた儚く消えてしまった妻。その後、主人公は妻からの手紙を読むことになるのですが、その内容は…
この最後の手紙こそ、本当に人を愛するという事はどういう事なのかを考えさせてくれるものだと思いました。涙、涙のクライマックス。
読み終わって、「愛される幸福」だけじゃなく「愛する幸福」もあるんだなと思った作品でした。

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紙の本

卒業

2004/03/27 23:14

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 これから書くことはとても個人的なことです。だから、こういうのは書評ではないと言われたら、きっとそうなんだと思います。でも、市川拓司のこの本を読んで、誰かに何かを伝えたい気持ちになるというのは、ある意味でこの本が持っている、もっとも大切な部分かもしれません。伝えたいもの、それこそがこの本の主題である、愛です。

 「全ての挿話が喜びに満ちているわけではない。悲しい挿話もある。悲しい挿話の多くは、別離にまつわる話で出来ている。ぼくはいまだに別離のない出会いの話を聞いたことがない」(317頁)

 長女へ。卒業おめでとう。君にとっては四度めの卒業式。そして、学生として最後の卒業式でした。君が学生として過ごした十六年間は、考えてみたらすごく大切な日々だったと思います。背中に背負ったランドセルの方が大きくみえた小学一年の君から、耳にピアスをして袴にブーツという現代風の卒業ファッションに身を包んだ大学四年の君まで、君はどれだけの笑顔を父さんにくれたでしょうか。さすがに大学生になった君は、父親を煙たがったものですが、実はとっても優しい子だということを父さんは知っています。父親を遠ざけることで、君は今風の娘になりたがっていたように思います。でも、君は君なのです。世界でたった一人の君なのです。他の人と同じようにふるまう必要なんか何ひとつない。もっと君自身の個性を大切にして、周りに振り回されない、いい女になりなさい。

 君は大学を卒業して、ちょっぴりつまらないと思っているのではないですか。実は父さんも大学を卒業した時、これで青春は終わったと落胆したものです。社会にでたらいつまでも寝ている訳にはいかない。疲れているからと怠ける訳にもいかない。青春を自由と思っていたのです。でも、社会にでても青春はありましたよ。悩みもしたし、心がときめいた時もあります。青春はいつだってあります。もしかしたら、人間って青春の気分をいつまでも卒業できない生き物かもしれないですね。

 これからも君は多くの人に出会い、別れを経験するでしょう。入学して卒業して、また入学していく。人生ってそんな繰り返し。一期一会っていう言葉があるよね。この言葉は、「出会うのは生涯その時かぎりという覚悟で、主人は心を込めて客をもてなすべきである」(岩波四字熟語辞典)という茶道の教えだそうです。いい言葉ですね。これが、卒業していく君への、父さんの贈り物です。

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紙の本

片思いしかしたことないけど…

2005/03/11 21:16

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ミナ - この投稿者のレビュー一覧を見る

久しぶりに本を一冊読みきりました!!
本当に人を心から思うということが大切で、
相手を思うということも大切で、
その二つが一緒になって人は幸せという言葉を使う。
そのことがじわ〜と心にしみた一冊でした。
読んでよかったと言える一冊です。

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紙の本

久しぶりに没頭して小説を読みました

2004/11/23 16:47

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ダメ太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 主人公巧とその息子は父子家庭で、巧の妻澪は1年前に病死したという設定です。しかも、巧には心の病?があり、人と同じような生活ができません。そのため、本来なら暗くなりがちなストーリーであるにもかかわらず、著者一流の筆力で物語にほのぼのとした印象を与えています。
 幽霊や記憶喪失によるタイムトリップ。そこだけ見ると、奇をてらったこじつけ恋愛小説かと思わせられますが、特に破綻なくストーリーは展開されます。最初の2つのことを除けば、澪の死以外、取り立てて何かが起こるというわけではないのですが、ほのぼのとした著者の秀逸な文章にはユーモアと物悲しさも見え隠れし、数ページ読んだだけで、この小説世界に引き込まれてしまいます。
 クライマックスは最後の澪の手紙(遺書?)ですが、そこですべての謎が氷解します。この部分は澪の巧と息子に対する純粋な愛が綴られていて、私としては自分の汚れきった心がすっきりと洗い流されたような気持ちになりました。
 ただ、少し考えさせられたこともあります。理由も告げられず、巧から別れを告げられた澪が自分の未来を知ることで、巧との結婚を決意する場面です。澪は自分への思いやりから巧が自ら身を引こうとしていることを知り、巧みとの結婚を決意するのです。しかし、これは小説の話で、現実にこのようなことが起これば二人が結ばれることはないでしょう。現実は辛いなと思い知らされます。
 また、澪は自分が死ぬことを知りながら巧と結婚するという、身を引こうとした巧とはまったく逆の選択をします。自分の死後の2人を心配していた、という展開になっていますが、澪は自分を愛してくれている夫と小さな息子が自らの死によってどれだけ傷つくかということは考えなかったのでしょうか。特に問題にすることではないようにも思われますが、身を引こうとした巧と対照的な点が気にかかります。
 とはいえ、まれに見る素敵なラブストーリーであることは間違いありません。お読みになればとても充実した数時間が過ごせること間違いなしです。

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紙の本

深い愛を感じる作品

2004/06/09 17:48

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:カモラネージ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 市川さんの作品を初めて読みましたが、この方は本当に心優しい人で、深い愛を携えて生きている人なのではないかと感じました。クライマックスまでの道のりが急坂ではなく競輪場のバンクのような感じですごい読みやすく、「作られた感動」ではなく、「創られた感動」を与えてくれるものでした。本屋から買ってきてすぐに読んだ為に最後まであまり気に留めていなかったのですが、読み終わった後、本の装丁、本自体の色の意味に気付き、またしても涙してしまいました。誰しも同じように感動するとは思いません。しかし、自分の中で多くの人に薦めたいと思う本であるということは変えようの無い事実です。是非機会がありましたら読んでみてください。きっと、心が洗われます。

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紙の本

一番好きな人に今すぐ会いにゆきたくなる小説

2004/03/20 01:32

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投稿者:温  - この投稿者のレビュー一覧を見る

……と、オビに書いてありました。
まさに、「一番好きな人に今すぐ会いにゆきたくなる小説」。
北村薫の「時と人シリーズ」などが好きな方には是非オススメです。
優しくて暖かくて読みやすい。そして最後はほろりと泣ける。
そんな恋愛小説です。


「たっくん」は、ちょっと間抜けだけどかわいい男の子と一緒に暮らす若いお父さん。中学生の頃からゆっくりと恋を育んできた妻は、子供を産んですぐに亡くなってしまった。
「たっくん」は脳に分泌される化学物質の不都合のせいで人よりも不器用にしか生きられない病気を抱えているものの、自分のペースでゆっくり子育てと仕事をこなし、幸せに暮らしている。
そんなある日、家の前に亡き妻にそっくりな記憶喪失の女性がたたずんでいた。


「この子が大きくなった頃、雨の季節に、また会いに来るわ」


ちょうど今から梅雨の季節。
妻の言葉を思い出した「たっくん」は、その女性と一緒に暮らし始める。
君は死んだんだよなんて言ったらショックを受けてしまうから、
ちょっと寝込んでいただけでずっと一緒に暮らしてきたふりをして——。


まるで昔に戻ったようなたっくんと妻の幽霊(?)と息子の佑司の三人の生活は本当に幸せそのもの。
嘘がつききれずに起こるドタバタがコミカルなだけに、やがて女性が記憶を取り戻し始めてから後の場面はどこを読んでもせつない。



高校生の生徒のオススメでした。
本を選ぶセンスの良い子だと思っていたので信用して読みました。これもハズレなしです。
 

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紙の本

泣きました!

2004/02/29 20:41

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投稿者:えり - この投稿者のレビュー一覧を見る

涙が止まりませんでした。本を読んでいて、涙で読めなくなったのは久しぶりです。
私がこの本に出会ったのは、恋愛に行き詰まっているときで、思いっきり泣ける本を…と探していたときでした。そして、読んで思いっきり泣きました。主人公と澪の不器用だけど純粋な想い、祐司のママを思う一生懸命な気持ち…。私もいつかこんなに想える人、想ってくれる人に出会いたいと思います。
今、同僚に勧めまくっています。本当にいい本に出会えました。

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紙の本

切ないラブストーリー

2003/11/20 13:41

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゆう - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本は、若いお友達からのお勧めで読みました。(Tさんありがとう!)
6歳の息子の佑司くんが、お母さんが死んだのは僕のせい、と聞くところで、グーっときました。
読み終わった直後は、父子家庭の話では、「アイアムサム」が、感動の物語だったので、タイムトラベルもの? 正直イマイチ??と思った。
でも、今もう一度内容を考えると、心にやわらかく感動が染み込んでくる。
自分の未来を体験してしまった女性、永く生きられないことを、知ってしまっても、愛する人といずれ離れてしまうことが解っていても、その人生を自ら選択してしまう。
切ないラブストーリーに、純粋さに、読んでよかったなーと思いました。
登場人物が少なくて、事務所の女性が関係してくるのかな?と思ったけどそんなことも無く、父と子の、二人の世界だけは、時がゆっくり流れている感じが、良かったです。

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紙の本

愛ってすごいっ!

2005/05/17 06:22

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たけくん - この投稿者のレビュー一覧を見る

最初読み終わった時訳が分からなかったのですが、よくよく考えるとじーんとしてきました。話題の映画も見たい!近々連ドラ化?!

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紙の本

愛するとは?生きるとは?

2004/12/28 23:51

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:いわさち - この投稿者のレビュー一覧を見る

ここまで感情移入したのは初めてだ。最後の手紙は涙の嵐。
ここまで愛せる人と出会える人はどのくらいいるんだろう。
私にはその可能性はあるのだろうか?

普通の話だと思った。死んだ妻が帰ってくるという点以外は。

ひとつひとつの言葉の美しさ、繊細さが心に響いた。
一日で読んでしまった。嗚咽を漏らしながら読み続けた。
もやもやとしていた気持ちもすっきりした。

とにかく生きよう。誰かを愛そう。そう思った。

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紙の本

切なくも清々しい愛の物語

2004/08/09 16:21

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:luke - この投稿者のレビュー一覧を見る

 あの「秘密」がそうだったように、もし神様の粋な計らいで再会させてくれるなら、最初から別れさせないで欲しい…と、願わずには居られない切ない愛の物語が「いま、会いにゆきたい」だ。会いに行きたくても手の届かないところに行ってしまったら、諦めるしか無いなんてあきらめちゃ駄目なんだ。「ボクハ、イツモココニイルヨ」とエリオットの頭を指で触れた「ET」のように、忘れさえしなければ、想い出の中でいつも会えるじゃないか。

 その記憶が薄れてしまう(病気で)事を恐れた夫は、幼い子どものためにも亡き妻の事を綴った小説を書こうと決意する。主人公達が公園で会うノンブル先生は「…記憶とは、もう一度その瞬間を生きることだ、頭の中でね」と、書き残すことに賛成する。記憶ってやっかいなものだ。記憶で会えるのは嬉しいが、辛い別れも思い出さなきゃならなくなる。それでも思い出す価値のある記憶はあるのだな。たぶん、希望なんだろうね。希望へ続く道しるべみたいなものなんだろうね。 

 積み重ねられていく父との子の絶妙な会話に酔い知らされいる内に、いつの間にかズッポリ浸かってストーリーの中に入り込み、あたかもその場にいて近くで見ているような気持に。「おいおい、子ども迎えに行かなくて良いのかい」なんて思ってしまうのですから、尚更、切ない、哀しい、つらい思いをさせられます。だけど、この二人ならきっとやって行けると確信も持てます。あんなに素晴らしい、愛に満ちあふれた記憶を持っているのですから。哀しくも清々しい、そして羨ましいラブストーリーでした。

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紙の本

ファンタジックなラブストーリー

2004/06/23 10:18

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:masyu - この投稿者のレビュー一覧を見る

私はラブストーリーが嫌いだ。そんな私のお奨めラブストーリーは、市川拓司さんの「いま、あいにゆきます」。哀しいけれど優しい、そんな本。根底はラブストーリーでありながら、ファンタスティック。そう実にファンタスティックなのだ。その配分が絶妙でラブストーリーであることを全く崩していない。久々に出合った大人の寓話は、静かな部屋でゆっくりと読むことをお勧めする。

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紙の本

深く静かに心に染みこむ思い

2003/05/20 09:53

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ももぴー - この投稿者のレビュー一覧を見る

亡くなった妻は、亡くなる前に残した言葉どおり、雨の季節に夫と子供の前に現れ6週間だけ一緒にすごし消えていくが、その後に思いも寄らぬ真相が妻の残した手紙によって明かされる…
高校生の時に出会い、ゆっくりと育ててきた二人の関係を、生前の記憶を無くした状態で幽霊として現れた(後にそれは幽霊ではなかったとわかるが)妻に夫が語るという形で、物語はすすむ。亡くなった筈の妻と過ごす限られた期間の中で、二人はもう一度恋に落ちせつない思いを抱えたまま別れの時を迎えるのだが、その6週間の間の二人の、深く静かな愛情が胸にせまる。
澪が、亡くなる前に残した手紙の内容で、すべの真相が明かされるのだが、自分が夫と子供を残して死ぬという事実を知っていながら、その運命を受け入れ、やがて死へつながることになる再会にみずから向かっていく澪。
手紙の中に入っていた切り取られたダイアリーの言葉
  「時間になりました。
   もう行かなくちゃ。
   湖の駅で、きっとあのひとは私を待っています。
   私の素敵な未来を携えて。
   待ってて下さいね、私のぼうやたち。
   
   いま、会いにゆきます。」

幼い子供と最愛の夫を残して死ぬことになる自分の未来でさえも、「私の素敵な未来」と思えるほど、夫とすごす時間を求め選んだ澪の、夫への愛の深さと潔さに、深い感動をおぼえる。
あなたの隣にいるだけで幸せだったと思えるような恋愛をできる人がどれだけいるだろう。
死ぬということは、もう二度とその人に会えなくなるということ。
やがて来る別れを知りつつ、夫と子供を愛し続けた澪のせつなさが、「今、会いにゆきます」という言葉とともに、読後深く静かに心に染みこんでくる。

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紙の本

幸福の記憶。

2005/08/22 15:21

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:川内イオ - この投稿者のレビュー一覧を見る

「愛する人と共に過ごした数時間、数日、もしくは数年を
経験しない人は、幸福とはいかなるものであるかを知らない」
スタンダール
『いま、会いにゆきます』には、雨上がりの空のように
温かで優しく、草の葉から零れる朝露のように透明な
「愛」の形が描かれている。
普通の人より少しだけ生きてゆくのに困難を抱える父親・巧。
そんな父親を「たっくん」と呼び、慕う息子・佑司。
2人の懸命ながらもどこかちぐはぐな生活から、物語は始まる。
巧の高校からの同級生であり、妻である澪が亡くなって1年。
巧は佑司が寝る前に、「アーカイブ星」の話を聞かせる。
「アーカイブ星」は死んだ人間が向かう星。
幼い佑司に、澪の永遠の不在を納得させるために
巧が作った架空の星。
しかし、ある6月の雨の日、その「アーカイブ星」から
澪は戻ってくる。
「またこの雨の季節になったら、二人がどんなふうに
暮らしているか、きっと確かめに戻ってくるから」
死の1週間前、澪が残した言葉通りに。
しかも、記憶をきれいさっぱり
「アーカイブ星」に置いてきたまま。
澪が死んだのは自分の責任と感じている佑司は、
自分のことを忘れてしまっている母に戸惑いつつも、
子どもらしい素直さで、その存在を受け入れる。
一方の巧は、混乱よりも失ったはずの何よりも
大切なものが戻ってきた安堵と悦びで満たされ、
3人で幸せに暮らしていた頃の時間を取り戻そうと、奔走する。
「あなたたちがしっかりと暮らしているのを
見届けたら、私は夏が来る前に帰ることにするわ」
という、「雨の季節に戻ってくる」と言った
澪の言葉の続きを心の片隅に置いたまま—。
高校時代の片思い、大学生になっての初デート、
突然の別れ、二人の運命を決める再会、結婚、
佑司の誕生、死別、そして運命づけられた2度目の再会。
死んだはずの妻が現世に現れるというこの物語が、
単なるオカルトやありきたりなファンタジーではない
趣を持つのは、巧の、佑司の、そして澪の、
アルコールランプを灯して集めた蒸留水のようにピュアな、
大切な人を想う気持ちが作品全体に溢れているからだろう。
曇りのない一途な想いは、その純粋さゆえに永遠を
予感させるものではなく、そこはかとなく切ない。
しかし、その純粋性が放つ一瞬の輝きこそが恋であり、
輝きの瞬間を二人の意志で連ねることが愛情なのだ。
そのかけがえのない瞬間の連続を人生に刻むことで、
人は顔を上げ、前を向いて歩いてゆくことができる。
例えばそれが「雨の季節」というごくわずかな期間だとしても、
そのとき胸に残された揺るぎない幸福と呼べる記憶は、
時間という雨にすら流さることはないはずだから。

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