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紙の本
ここらで一度「中東」をちゃんと勉強しておこう
2003/04/17 10:19
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投稿者:橘屋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
フセイン政権が崩壊し、落ち着きを取り戻すのかとも思えた中東情勢だが、アメリカのシリアへの牽制や、周辺アラブ国家での反米感情の一段の高まり、国連内のわだかまりなど、予断を許さない状況が続いている。
イラク戦争前からこの関連の書籍が多数出版されているが、本書は読売新聞社の特派員として中東情勢に精通し、ハーバード大学の客員研究員も務めた著者が、「これまでのアメリカの中東政策の流れ」を踏まえ、今回の戦争に至る経緯をわかりやすく解説している。
「国連の査察」などという言葉を今回のイラク戦争ではじめて耳にした者も、なぜそれがそんなに重要なものなのかを理解する事ができよう。日頃のテレビや新聞の部分的な報道だけではわかりきれない「中東の事情」がこの1冊で大筋理解できるはずである。
新書版の為、値段も手頃で持ち歩きにも便利。日々、ニュースで見聞きしている「中東」の本質をここらで一度しっかり掴んでおけば、当分は役に立ちそうだ。本書はそんな読者に最適な1冊といえよう。