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収録作品一覧
鬼たちの熱気に満ちた「密室」 | 山前譲 著 | 6−10 |
---|---|---|
苦の愉悦 | 竹下敏幸 著 | 11−16 |
罠 | 山沢晴雄 著 | 17−44 |
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紙の本
最近、お墓参りに行っていない人たちに贈りたい
2008/11/26 01:20
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けい - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつてミステリが探偵小説だった頃の話。愛好家は自分の読んでいる本が推理小説だと知られると、後ろ指をさされると、隠すように本を読んでいたそうです。
それでもファンはミステリを、探偵小説の妖しい魅力を愛したのです。そういう人たちの愛あって、今、私たちは堂々とミステリを読めるのかもしれません。
かつていくつもの探偵小説雑誌がありました。「密室」もそのひとつ。「密室」だなんて、なんとストレートで、マニア好みで、読み手を選ぶタイトルでしょうか。私なぞは鼻血が出るくらい嬉しくなってしまいます。
光文社さんが出している「甦る推理雑誌」シリーズはマニア垂涎のもの。この『「密室」傑作選』ではあの天城一先生の《長編》が読め、《宇田川蘭子》の「呪縛再現」が読めます。
あぁ、なんと幸せなのでしょう。
時代に屈しなかった「愛」を持った先人のおかげで「今」がある、というのはなにも探偵小説に限ったことではないでしょう。当たり前のようにある「今」を生きる私たちは、偉大なる先人達に感謝しなければならないのでしょう。
なんだか、お墓参りに行きたくなってきました。
たくさんのこの世を生きて、去った、先輩達に感謝。
紙の本
「圷家殺人事件」が読める!!
2004/02/14 19:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリ愛好家たちが集まって、同人誌の発行が盛んだった昭和20年代、「密室」もそんな同人誌の一つとして誕生したそうです。本書巻末についている総目次を見てみると、同人誌とはいえその執筆陣はキラ星の如し、すでに忘れられた作家も多いのですが、なんとも豪華な顔ぶれです。
そんな中から本書に収録されたのは作品は、短編が山沢晴雄『罠』、狩久『訣別』、豊田寿秋『草原の果て』の3作に、長編(量的には中編かな)が宇多川蘭子と中川透(どちらも鮎川哲也です)『呪縛再現』と天城一『圷家殺人事件』の2作、マニアが喜びそうなラインナップです。個人的には、読みたくてもなかなか読めなかった『圷家殺人事件』と、名作「リラ荘事件」の母体となった『呪縛再現』が収録されているのが大収穫でした。
原点回帰というか懐古主義というか、本書のように過去の名作ミステリに再び陽を当てるばかりでなく、すでに忘れられた作家・作品の掘り起こしまで盛んになっている昨今、ミステリファンにとっては、なんとも嬉しい限りです。