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紙の本
なかよし小鳩組 (集英社文庫)
著者 荻原 浩 (著)
倒産寸前の広告代理店に舞いこんだ大仕事は“ヤクザ・小鳩組のイメージアップ戦略"。離婚そして別居という家庭問題を抱えながら、コピーライター杉山の奮闘がはじまった! (解説・...
なかよし小鳩組 (集英社文庫)
なかよし小鳩組
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商品説明
倒産寸前の広告代理店に舞いこんだ大仕事は“ヤクザ・小鳩組のイメージアップ戦略"。離婚そして別居という家庭問題を抱えながら、コピーライター杉山の奮闘がはじまった! (解説・吉田伸子)
【商品解説】
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紙の本
今回も笑わせてもらいました
2017/12/20 16:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
直木賞作家荻原浩のデビューは1997年に第10回小説すばる新人賞を受賞した『オロロ畑でつかまえて』だ。
この作品はいわゆるユーモア小説として高い評価を得た。
それにつづく作品がこの『なかよし小鳩組』で、主要登場人物は『オロロ畑』同様、ユニバーサル広告社のメンバーで、よってジャンルもユーモア小説に分類される。
しかし、その後荻原浩はユーモア小説に拘泥しない。
荻原の名前を一躍高めた『明日の記憶』は若年性アルツハイマーをテーマにしたものだし、直木賞受賞作『海の見える理髪店』も現代の人情話といえる。
荻原浩がユーモア小説というジャンルを捨てたのではない。
ただ文壇の賞レースでは、ユーモア小説はまだまだ低位にみられているということだろう。
『オロロ畑』に続いて、この作品でも何度も笑わされた。
いつ倒産してもおかしくない、零細の広告代理店ユニバーサル広告社に舞い込んできた大口案件。その相手が暴力団ということも知らず広告社の面々。
お人よしの石井社長をはじめ、この作品の主人公でもある杉山でさえ、暴力の前では恐怖の硬直に陥ってしまう。
恐怖と合い対峙する概念は何であろう。
もしかしたら、笑いかもしれない。ひきつっていたとしても。
そのギャップが笑いを生み出す。
荻原には笑いがどのように生まれるのか、そしてそれは悲しみがどのように生まれるのかに続くのであるが、よく研究されているような気がする。
だから、荻原浩にとってユーモアと涙はきっと同じ地平にあるのだろう。
電子書籍
なんだかんだで父と娘の物語
2016/11/22 02:48
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投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
クライアントはヤ・ク・ザ。表向きは一企業としてのイメージアップ大作戦。ヤクザ側一人の切れる男が取り仕切る。代紋ではなくシンボルマークをつくれ、TV放映用のコマーシャルを作れなど。でも実際の幹部は内容理解してなくて、もめもめ。その板挟みになるユニバーサルの面々。最初はヤクザってのにびびってたけど、そのうち「こいつらも人間だ」と開き直り、対等に渡り合っていくようになったのは痛快。TVに代紋映す方法にマラソン大会を選んだセンス。やるね。映ったもん勝ちだもんね。なんだかんでラストシーンには大感動。杉山、頑張った!
紙の本
ピーちゃんの声援
2016/03/17 11:41
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投稿者:端ノ上ぬりこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズ2作目。相変わらず倒産寸前のユニバーサル広告社が、ヤクザ小鳩組のイメージ戦略の仕事を引受けることに。杉山の別れた妻から乳がん手術の間娘の早苗を預かってほしいと依頼される。再婚相手に懐かない早苗は父ちゃんとサッカーの練習が出来るのでウキウキ。杉山はヤクザ依頼の仕事で板挟みに。ヤクザの河田と杉山は酒を飲み距離を縮める。シンボルマークが決まりCMの代わりにマラソン出場しランニングシャツにマークをつけてテレビ中継に出来るだけ長く映るという取引に持ち込む。小鳩組40周年のイベントに子供たち用のプレイルームを設置。河田がゆるキャラ用のピーちゃんの着ぐるみを着ることに。来場者千人の目標は達成出来るのか。
このシリーズの中では、「なかよし小鳩組」が一番面白かった。「オロロ畑でつかまえて」を読んでいるので、より一層杉山の心がわかった。子供が出てくると、泣き笑いの感情が一気に噴出してたまらない。おすすめの一冊。
電子書籍
シリーズ第二弾
2022/02/14 10:45
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投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
仕事のやりにくいクライアントに翻弄される広告会社の物語という点は前回のオロロ畑と変わっていない。ただ今回は著者の得意とする家族ドラマにも重点が置かれた内容で、とても気持ちいい読後感がある。
紙の本
お笑いたっぷりの中に人生の再生を描いた仄々人情劇といったところか。
2021/02/27 12:33
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
お笑いたっぷりの中に人生の再生を描いた仄々人情劇といったところか。武闘派極悪暴力団・小鳩組からイメージチェンジ戦略を押し付けられた零細広告社は何とか断ろうとするが経営に窮してることも有り上手くいかない。小鳩組も「暴対法」から逃れるため表面を繕う努力はしてるが長年培われた体質はなかなか変わりようがない。やはり怖いものは怖いのだが、その僅かな弱点に切り込んで笑える描写に持ち込んでるところが巧み。そして妻子に捨てられた冴えない主人公:私=杉山が止む無く立ち向かう中で自己成長していく姿が物語の軸のようである。それなりの結末を示唆しながらも続編への余韻を残した終わり方が気になる。手軽に楽しめるユーモア小説。
ヤクザ=暴力団絡みのユーモア作品としては、浅田次郎『プリズンホテル1~4』、今野敏『任侠シリーズ1~3』などが思い浮かぶが、本作はむしろそれに対する一市民の成長物語的性格が強い感じがする。
紙の本
今回はヤクザ
2019/12/11 17:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作の過疎の村に続いて、今作はヤクザのプロモーション。
でも、一番気になっておもしろいのは、主人公と娘のやり取りかなあ。
紙の本
軽く読める面白い小説
2017/06/29 22:08
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投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
人はどんな立場におかれても、それぞれ等しく人間らしい苦悩を抱えて生きている。そしてそれと同時に普遍的な欲望も持っているものだ。
主人公杉山は自社が潰れそうになり、またクライアントからどんな脅しを受けようが、ダメ社長石井を支え、前に突き進んでいく。チームメンバーで万年金欠、自動車中毒三田嶋、中卒で出世できない河田、機械のような鷺沢ですら人間なのだ。
父としての側面、社長を支える立場としての役割を、見事こなせるようになった杉山。ラストは爽快である。
紙の本
コミカルばかりじゃないよ
2016/12/11 23:52
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投稿者:てつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
親子愛に泣ける。パパはどんなことがあっても頑張らなくちゃ。そしたらいいことあるよ。
杉山頑張れ!明日からオレも走ろうと思わせる本です。
生意気な書き方にらなるけど、荻原さんの文章構成もオロロのときよりも上がってる。
紙の本
続編が本編を上回った!
2012/06/10 10:24
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投稿者:のちもち - この投稿者のレビュー一覧を見る
『オロロ畑でつかまえて』の続編。倒産寸前の広告代理店がいよいよ窮地に!追い込まれた場面に持ち込まれた案件は...なんとヤクザのCI(コーポレート・アイデンティティ)=企業イメージ統合戦略の仕事。背に腹変えられない環境、嵌められた契約書、やむなく受けたその仕事の結末は...
設定されたのが、「組」だったりするので、コワイ内容かと思いきや、かなりかなりユーモア満載のストーリー。「小鳩組」という名称も、実は「いい人」であることがわかってくる組員、今風(?)の頭脳派の組員など、ユーモアといっても「おふざけ」でなく、なんとなく主人公や登場人物が「人間味」を帯びているところが秀逸なわけです。
挫折の多い人生を背負っている主人公、小心者でトラブルメーカーでありながら意外な魅力を持つ広告代理店社長、強面ながらも家庭を大事に考える小鳩組宣伝部長、クール、クレバーで信用できないキャラの小鳩組事業本部長、主人公の「元」家族...登場人物は皆個性を持ち、ストーリーの中で重要な意味を持っている。それぞれがストーリーの中で輝いているのだ。
そしてこのストーリーの大きな魅力は、広告代理店とクライアント=小鳩組、という想定外の設定とそもに進行されるもうひとつの流れ。主人公・杉山の家庭、子ども、人生だ。これで一気に杉山が「人間臭い」ものになる。環境は違えど、読者である自分との距離感が縮まるのだ。「仕事」が非現実的な分、その反動の「私生活」が極めて現実的で、そのコントラストが物語をパラレルで彩る。
そしてその間をつなぐカタチで存在するのが...「走る」ことである。これだけ距離感のあるストーリーが別々に存在するとテーマがぼやけてくることがあるけれど、最後には見事に「つながる」感じがします。よく読めば、各章につけられている名称、これが深い意味を持っている、そして伏線がどこかに見つけられる。最終章の名称に後で気付いた時には、正直、ちょっとメガシラが...感動しました。
『オロロ畑~』 もかなり笑えましたが、こっちの作品の方がパワーアップしてます。笑うツボも増えているし、ストーリー展開も面白い。登場人物のキャラクターがわかる分、魅力を既に感じている分、感情移入が早いので、前作を読んでいる方がベターだと思うけれど、本書から読み始めてもその魅力が失われることはないです。
広告代理店の仕事についても専門的で、CI、PR、テレビCMなどの専門分野も手抜きなく書かれている細かさもあるし、かゆい所に手が届く構成も味わい深い。かなり「高品質」な小説だといえる著者の作品は、これからも読んでいきたい。読んでいて「楽しい」からね。
【ことば】俺はいつもそうだ。終わってからじゃないと、何も気づかない。用のなくなった時になってから、ようやく探し物を見つけるのだ。
何度こういう思いをしただろう。普段は何も感じないことが、終わってから「貴重」だと思ったことが。逆にいえば、簡単に終わりにしてはいけない、ということかも。続けている日常に、見えなくなっている大切なものを感じることができるようにしないと。
紙の本
条理なまでに胸が熱くなるラストシーン
2004/01/24 00:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オリオン - この投稿者のレビュー一覧を見る
任侠団体・小鳩組がなにゆえ、コーポレイト・アイデンティティ、つまりキャッチフレーズとロゴマークの制作を、なかば脅しのテクニックをつかってまで零細広告代理店に依頼することになったか。後に明かされるその訳は唖然とするほどマンガ的で、とてもこの世のこととは思えない。だけど、おかげでこれほど笑えるシチュエーションが生まれたのだから、それは許せる。酒と仕事にかまけてカミさんに逃げられたダメ男のコピーライター杉山が、なぜに生活の更正を思いたち、ヤクザ相手にアドレナリンを噴出させるにいたったか。テレビCMと代理店契約破棄の条件として、小鳩組の創立四十周年記念イベント(お子さま向けプレイコーナー「なかよし小鳩組」の開設を含む)への入場者千人動員と、市民マラソン大会への出場で手打ちができたのはなぜか。ご都合主義そのもののストーリー展開は、でも、それゆえに杉山と下っ端ヤクザとの友情や、再婚した妻に引き取られた娘と杉山とのつかの間の交情に味わいが生まれ、不条理なまでに胸が熱くなるラストシーンが生きてくるのだから、これも許せる。とても気持ちがよくなる作品だ。
電子書籍
ユーモア小説
2024/02/25 21:28
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投稿者:lucky077 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この著者は、ユーモアの中に人の心というか生き方を伝えたている作品を書くイメージだったので読んでみましたが、いまひとつでした。幅を拡げすぎた印象です。