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商品説明
ベテラン探偵が振り返る思い出深い案件。そこにはアッと驚く驚愕の結末、そして愛と哀しみに満ちた人間模様があった…。メルマガで人気となった本当の探偵物語。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
藤井 弘司
- 略歴
- 〈藤井弘司〉1953年和歌山県生まれ。私立関西大学法学部中退。金融会社勤務を経て、現在、探偵調査業。
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紙の本
著者コメント
2003/03/27 12:12
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:藤井弘司 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「探偵」という職業は日本では正しく認識されてこなかったと思います。探偵はどんな調査でもこなし、精神的にも肉体的にもタフでカッコいい、ハードボイルドだ、などという誤った見方をされています。一方で、胡散臭いダーティーなイメージも抱かれがちです。家出人捜索など、警察が出来ないことを担い、社会的に必要な職業であるはずなのに何故でしょう? それは業界自体が不完全で、届出さえすれば何の資格もなく誰でも「探偵」を始められるという制度そのものにも問題があります。許可制でないがために、一部心ない悪質な業者により社会的信用を得られていないのが現状です。
僕がこれまで係わった案件で、思い出深いもの、感動的なものなどを、プライバシーを侵害しない範囲で事実に基づいて物語化しました。探偵とは実はこのような仕事を行っているのだということを、この本によって少しでもご理解いただけたらと思います。
紙の本
劇画版・少年探偵団
2003/04/11 21:18
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よιみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ただいま中年以上のかたが、かつて男の子と呼ばれていた時代、風呂敷のマントにビンのフタというバッジが必需品だったのではないでしょうか。
あるいはタスキ掛けににしたヒモの背中におもちゃの刀を差して、「仮面の忍者、赤影参上!」なんて叫んで、えい、やぁ! チャンバラごっこに興じたこともあったと思います。
少年期。それは夢想の時代でした。風呂敷のマントで自分がスーパーマンになったり、バッジをつけることで少年探偵団の小林君になったような気持ちになれました。
子供の頃はいろいろなものになりたかったものです。なかにはパイロットやスポーツ選手になるという現実に近い夢を持つ子供もいて、アッパレ、それを果たしたひともいますが、小林少年になりたい夢は残念なことに果たした子供はいませんでした。
怪人二十面相と対決する小林少年の活躍にワクワクした夢はどこに行ったのでしょう。当たり前ですが、怪人や殺人鬼などと対決するのはお話の世界でしかなく、ましてや子供には荒唐無稽もいいところです。
話は変わりますが、藤子不二雄さんの劇画版・オバQを読んだかたはいらっしゃるでしょうか。大人になったオバQが正ちゃんに会いに来るのですが、かつてのように無邪気にオバQの大食を笑えず、奥さんと食費のことで頭を抱えたり、ハカセ君のムボーな提案でサラリーマンから独立するリスクに夫婦で悩んだりするのでした。
それを読んだ私は、最初は子供の頃の夢を裏切られたように戸惑い、悲哀のようなものを感じましたが、最後には人生の真理のようなものに思い至りました。あたかも子供の頃に苦いと感じたビールが、大人になってからはうまいと感じたように。
「探偵手帳」を読んだときも同じでした。少年期に夢見た探偵像とは違うことに驚き、そういえば現実の探偵というものには茫漠とした印象しかないなと考えさせられ、読み進むうちにイメージに血肉が通って、もやもやと現実の探偵像が浮かんできました。そして読み終わったとき、巻末にある著者近影と合致していました。
この本には派手なアクションなどありません。ちょっとだけ出なくもないのですが、少なくとも松田優作ばりの探偵ではありません。
そうれはそうでしょう。そんな目立つ探偵がいたら隠密行動などとれないに決まっています。
緻密な計算とチームプレー。ちょっぴりダーティな駆け引きもありますが、サラリーマンの私にとって充分にリアリティを感じられ、いるはずもない少年探偵に胸躍らせた幼少期とは違って、それは大人の味なのでした。
「探偵手帳」も少年探偵団もコミックではないけれど、何故か私の脳裏には「劇画版」という言葉が浮かんだのでした。
紙の本
他に類のない探偵物。涙あり笑いあり。満足のいく一冊!
2003/04/07 13:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:minami - この投稿者のレビュー一覧を見る
「堪忍してや。これしか方法がなかったんや」
これはこの本に収められている「正義の拉致」の最後のシーンにあるセリフ。
思い出しても胸が詰まります。
何故タイトルに「救出」ではなく「拉致」という言葉を使っているのか?
読んでみて頷けるものがあったが、行動は拉致のようだけど、気持ち的には救出以外の何物でもない気がした。親子愛、家族愛が感じられる作品でした。
いつまでも余韻に浸り、次のページに進めないでいた。
一話一話にいろんな人生が描かれ、内容的に短編と思えない重みのある感慨深い作品です。
単に探偵物と一言で片づけられない物語がそこにはありました。
作者の今後の作品に期待します。
それにしても自分の中に探偵という勝手に描いたイメージがあったが、その概念は見事に崩れ、サラリーマン風という隠れ蓑で調査活動・尾行をしている探偵がそこらじゅうにいる錯覚を起こしそうな気がした。
私の後ろにも一見普通のサラリーマンの姿をした中年探偵が付いてきているのかもしれない…。
だが、こんな感動的で素敵な物語に仕上げてくれる探偵が存在するのであれば調査される側に回ったとしても悪い気はしないだろう。