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商品説明
社員に優しい日本型経営がアメリカ合衆国を征す! 即席めん、米国進出にかけた熱き男たちの感動のドラマ。日本経済再生への著者からの応援歌。『サンデー毎日』連載の単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
高杉 良
- 略歴
- 〈高杉良〉1939年東京都生まれ。化学専門紙記者、編集長を経て、75年「虚構の城」で作家デビュー。以来、経済界全般にわたって材を得た作品を発表する。著書に「金融腐食列島」「再生」等。
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紙の本
外国市場に進出する日本企業=即席麺メーカーの物語
2004/01/05 20:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:uwasano - この投稿者のレビュー一覧を見る
総合食品メーカー・東邦水産の子会社サンマルは、カップ麺・袋麺等の即席麺メーカーである。アメリカに巨大工場を建て、アメリカ市場への進出を目指す。サンマルの社員・川森潔は、現地の女性従業員からセクハラ事件で訴えられる。50万ドルもの大金を要求してきた訴訟社会のアメリカで、日本企業サンマルはどう対応するのか? サンマルのアメリカ進出は成功するのか?
マクドナルドやコカ・コーラが世界に進出しているように、東邦水産(モデルは東洋水産)の子会社・サンマル(モデルはマルチャン)もまた、世界を目指す。「五食一ドルのカップ麺と十食一ドルの袋麺」「ジャンクフードといわれ、ペットフードよりも安い食べ物」と言われる商品を製造・販売する企業である。この企業が、アメリカで成功するためどんな苦労しているのかを描いた物語である。
日本とアメリカの社会・文化の差をどう克服していくかが、物語のコアである。冤罪のセクハラ事件のため、サンマルは「高い授業料」を支払うことになる。セクハラに甘い日本企業が手玉にとられた形で、詐欺にしてやられた日本企業の哀れな姿が見られる。こういう事件に対する対策を立てておかないと、これからも日本企業は詐欺師に狙われ続けることになるだろう。
「趣味は女性」と言って憚らない男が登場し、川森にアドバイスするシーンが出てくる(155頁)。半ばジョークなのだが、本書のもう一人の主人公であるサンマル社長の真面目な石頭路線と対比されて楽しい。みんな愛すべき日本人の姿である。
ユニオン対策や異文化コミュニケーションのカリキュラム等は成功するのだが、セクハラ事件、ハイリスク債券購入による大損、メキシコにカップ麺工場の失敗等、トラブルのエピソードのほうが多いぐらいだ。薄利多売の即席麺の売り上げで失敗を補填しなければならないわけで、つらいものがある。経営者の苦労、いかばかりか。
サンマルは成功例だが、外国進出に失敗し、撤退していく企業というのも、たくさんあるはずだ。そんな中で、失敗も数多いが、生き残るためにチャレンジし続けているサンマルの姿はすばらしい。企業というものは、様々な分野に進出し続けることを宿命づけられている。3つや4つの失敗ぐらいでは、撤退などしていられない。
トヨタやソニーだけではない。等身大の愛すべき人々が作るエクセレントカンパニーの物語がここにある。
紙の本
東洋水産はいかにしてアメリカでエクセレントカンパニーになったか
2003/05/05 20:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:格 - この投稿者のレビュー一覧を見る
即席麺メーカ東洋水産(本書では東邦水産)がアメリカで苦労しながらもエクセレントカンパニーになっていくさまを描く.著者自身は,この作品のモチーフを『終身雇用を守る日本型経営がグローバリズムないしは市場原理主義を標榜するアメリカで,光り輝いている事実』を読者にアピールすること,としている.
実際,東洋水産のアメリカ子会社は急激な売り上げ増大を果たし,50%を超えるシェアを獲得しているようだが,本書では,商品開発や,販売の苦労などについてはほとんど触れられていない.ほとんどが人事,労務管理の話.
ハイライトは労働組合ができるのを阻止する話だが,労働組合に対する考え方が日本とまったく異なるのには驚く.労働組合ができただけで,その会社は衰退に向かうため,労働組合ができることを阻止することが非常に重要である.しかし,それも弁護士のアドバイスをもとに,中間管理職の説得に動くだけの話.
ちょっとした話を思い出して会議で発言しただけで社長から褒められたり,逆に,本題とは関係のないセクハラの話など,ちょっと違和感のある話が多いし,たいした仕事をしているように思えないのだが,…
それにしてもアメリカではカップ麺が1個約25セントだという.日本では暴利を取られているのか.それとも,材料費,人件費が日本は高すぎるのか.
紙の本
羊頭狗肉
2003/05/05 09:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オウイン - この投稿者のレビュー一覧を見る
以下の理由により★とする。
羊頭:題名「ザエクセレントカンパニー」
日本経済再生の応援歌
日本型経営がアメリカ合衆国を征す
狗肉:漫画的サラリーマン向け娯楽小説
サラリーマンのサクセスストーリー
何しろ能書きに対して内容がついていっていない。高杉氏の考える「エクセレントカンパニー」が浮き彫りになっていないばかりか、何が日本経済再生の処方箋で、日本型経営のどのような点が優れているのか、これらが文脈やストーリーから全く読み取れない。おそらくは企業文化や企業風土が生死を制すとの考えだろうが、これも伝わってこない。
小説としての出来もよろしくない。実在企業をモデルとしているにもかかわらずリアリティが無い。かといって、デフォルメが効いて躍動感あふれる展開になっているとも言いがたい。結局どっち付かずなのだ。また、ライバル企業は実名ではないとはいえ、簡単に連想できてしまうだけに、これをこき下ろすような表現もいかがなものか。企業にはそれぞれの戦略があるのだ。また、「濡れ場」が一箇所あるが、これも全く脈略が無いので読み手に大いに混乱を来たす。
連載小説であったということの限界もあるだろうが、これだけ羊頭を掲げたのだからエクスキューズにはならないだろう。サラリーマン向け娯楽ものとしては「サラリーマン金太郎」(漫画)がお勧めだし、リアルで躍動感あふれる企業ものとしては佐藤正明氏のノンフィクションをお勧めする。