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第一阿房列車(新潮文庫)
  • みんなの評価 5つ星のうち 4.3 54件
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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2003/05/01
  • 出版社: 新潮社
  • レーベル: 新潮文庫
  • サイズ:16cm/317p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-10-135633-5
  • 国内送料無料
文庫

紙の本

第一阿房列車 (新潮文庫)

著者 内田 百間 (著)

第一阿房列車 (新潮文庫)

594(税込)

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みんなのレビュー54件

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評価内訳

紙の本

ひねくれ爺やの鉄道旅

2015/10/29 04:34

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る

ひねくれ爺やの鉄道話。わたしも鉄道好き、なおかつ意味なく乗りたいと思うので気持ちはよく分かる。こんなひねくれた考え方はしないけどw自分のルールがしっかりしている上、まわり巻き込んで、あるときは有名であるという特権を使い、なにがなんでも乗りたい時に乗りたい列車に乗る情熱はすてきだ。これぞ「自分勝手」の骨頂。でも憎めないんだなあ。「乗ること」が目的なので、終着点で何かするなんてそもそも頭にない。だから、何食べた、何したって聞かれると困っちゃう。だって名物食べてないし、観光してないんだものww(←私の場合)

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紙の本

元祖乗り鉄の文学的旅行記!

2016/01/13 23:12

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コーシカ - この投稿者のレビュー一覧を見る

何処に行ってもお酒ばかり飲んでいる百間先生のような目的のない旅をしてみたい…
観光名所をまわるだけが旅行の醍醐味ではないことを教えてくれる先生ならではの旅行記です

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紙の本

阿房列車シリーズ

2005/08/30 22:28

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:雄策 - この投稿者のレビュー一覧を見る

漱石門下のガンコオヤジ百閒先生が国鉄職員のヒマラヤ山系氏を「奥の細道」の曾良として目的もなく鉄道旅行をする話です。
百閒先生の頑固さがたまらない!

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紙の本

ガンコなおじいさん、でも楽しい

2009/07/11 16:49

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ManaKana - この投稿者のレビュー一覧を見る

近代文学史には必ず出てくる百間先生も、自らの趣味のことでは活き活きととしいる感じがします。苦虫をかみつぶしたような顔でも、実は列車に乗っている時はうれしかったんだなあと実感。
文章の凄さは当然として、笑える部分が随所に盛り込まれているのがとても楽しい。また戦後間もない日本の姿を垣間見られるのもいいですよ。

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紙の本

阿房かげんがたまらない

2010/03/06 00:27

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トマト館 - この投稿者のレビュー一覧を見る

この表紙写真(鉄道好きなくせに決してにやついてない!)と
「用事がなければどこへも行ってはいけないと云うわけはない。なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」
の一文にやられました。
寝たい時間まで寝て、
好きな時間に出発して、
食べたいときに食べたいだけ食べて、
切符も宿も同行の国鉄職員、ヒマラヤ山系くんに手配してもらって、
だれにも迷惑かけずに列車に乗り遅れて、
観光名所でもなんでも自分の思うとおりにみて、
内田百間たまらん!
そして、ヒマラヤ山系くんとのやりとりの、
なんだかかみ合わないようでかみ合っているような感じが面白い。

戦後の鉄道事情も興味深いですね。
ちょうど大正時代の鉄道路線図の写しをもっていたので、
見ながらよんだらおもしろかったです。

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紙の本

たくさんの喜びが詰まった、何の得る所もない阿房列車の旅。

2012/04/30 18:48

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る

あ-ほう-れっ-しゃ【阿房列車】
 何の用事もなく、何の得る所もない列車旅のこと。
 阿房列車では、見聞を広めてはいけないとされる。

 * * *

「用事がなければどこへも行ってはいけないと云うわけはない。なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」

 こうして内田百間先生運転する第一阿房列車が発車した。
 運転士の百間先生は、用事がないから気が楽だ。
 気の毒なのは車掌役の“ヒマラヤ山系君”である。

 百間先生は、動悸持ちで結滞屋で、長い間一人でいると胸先が苦しくなり、手のひらに一ぱい冷や汗が出て来るというのに、阿房列車を運転したいがために、ヒマラヤ山系君の同行を願い、にも関わらず、丸でどぶ鼠だの、熊の子に洋服を着せた様だの、宿屋でむさ苦しい部屋と貧相なお膳だったのは、山系君が死んだ猫に手をつけてさげた様なボストンバッグを持って来たからだ、と散々だ。

 ヒマラヤ山系君は国鉄職員で年来の入魂なのだそうだが、大阪行きの特別阿房列車を始め、静岡、鹿児島、東北、すべての旅に随行し、万事の手配に奔走する。
 そういうことでは山系君は用事だらけであり、阿房列車を満喫しているのは百間先生だけのようなのだが、先生いわく「朦朧とした癖に、全国に知り合いがいる」山系君であり、先生の我儘につき合うほどだから、意外に阿房列車の旅を楽しんでいるのかも知れない。

 ところで、山系君がこれほど仕事を休めるのも不思議(その理由は解説で察せられる)だが、名前も不思議だ。もちろん本名ではない。
 百間先生が、鹿児島阿房列車車中でヒマラヤ山系君の見てくれに注文をつけたのに、その秘密があるように思うので、そのやり取りを少し引用してみる。

----------
 今まで東海道本線の右側を走っていた桜木町線の電車が、東神奈川に近づくにづく前から弧線で本線の左に移っているので、カアテンを片寄せた窓越しに上り下りの電車が走っているのが見える。電車の燈火の色が変で、赤茶けて、ふやけている。それを見た目で車室内へ戻すと、明るくて美しいと思う。
「蛍光ランプのあかりで見ると、貴君は実にむさくるしい」
「僕がですか」
「旅に立つ前には、髭ぐらい剃ってきたらどうだ」
「はあ」
「丸でどぶ鼠だ」
「僕がですか」
「そうだ」
「鹿児島へ行ってから剃ります」
 自分で鼻の下を撫でて、「そうします」と云い足した。
 暫く散髪にも行かないと見えて、頭の毛が鬱陶しくかぶっている。襟足が長いので、その先がワイシャツのカラの中に這入って、どこ迄続いているか、外からは解らない。熊の子に洋服を着せた様でもある。胴体は熊で、顔はどぶ鼠で、こんなのはヒマラヤ山の山奥へ行かなければいないだろう。
----------

 どうやら『ヒマラヤ山にいそうな系統の人物』ということらしい。

 ヒマラヤ山系君の名前の由来に納得しつつ、明るくて美しい車室内に感嘆したあと、ヒマラヤ山系君のむさくるしさを語るさまは、可笑しくてたまらない。
 こういう二人のとぼけた会話は全編に続いて、阿房列車の旅はどこまでも楽しい。

 旅のそこここで漏らす、百間先生のユーモアも健在だ。
 例を挙げたらきりがないので少しだけ。

「私はまだ起きてから顔を洗っていない。何十年来同じ顔を洗っているけれど、別に綺麗にもならず段々ふるくなった計(ばか)りである」

「東京を立つ前に、秋田へ行ったら、しょっつる鍋に、きりたんぽを食えと云うだろう、向こうでそう思っている物は食ってやらないと思った」

「こないだ内から、抜けかけた前歯がぶらぶらしている。帰ってくる迄にどこか旅先で抜けるだろう。行く先は鹿児島だから遠い。鉄路一千五百粁、海山越えてはるばる辿りついたら、折角のことだから、抜けた前歯を置き土産にして来ようか知ら。(略)舌の先で押してみたら、思ったより大きく動いた。行き著く前に落ちない方がいいから、そっとしておく」
 ぶらぶら前歯の顛末は、東北本線でも楽しませてくれた。

「僕は体裁屋である。車中ではむっとしてしましていたい。そこへ発車前にお見送りが来ると、最初から旅行の空威張りが崩れてしまう。僕は元来お愛想のいい性分だから、見送りを相手にして、黙っていればいい事を述べ立てる。それですっかり沽券を落とす。どうでもいい事で、もともと沽券も格好もあったものではないのだが、そこが体裁屋だから、僕の心事を憐れんで、見送りには来ないで下さいと頼んだ」
 毎度の見送りを目論む夢袋さんに恐縮してのことだと思うが、それを自分の我儘ということにしてユーモラスに見送りを断るところが、たまらなく愛おしくさせる。

 * * *
 何の用事もなく、何の得る所もない阿房列車の旅だけれど、たくさんの喜びが詰まった阿房列車はいいものだ。
 阿房列車は、他に『第二阿房列車』、『第三阿房列車』が運行中のようなので、折を見て乗車したいと思う。

【第一阿房列車運行記録】
 特別阿房列車(東京―大阪)
 区間阿房列車(御殿場線国府津―沼津―由比―興津―静岡)
 鹿児島阿房列車(呉線尾ノ道―広島―博多、肥薩線鹿児島―八代)
 東北本線阿房列車(福島―盛岡―浅虫)
 奥羽本線阿房列車(青森―秋田、横黒線横手―山形―仙山線松島)

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2006/05/12 13:11

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2006/06/20 09:46

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