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商品説明
日本を代表するマンガの神様・手塚治虫の長男である、ヴィジュアリスト・手塚真が語る、天才=父親の知られざる日常と素顔。同じクリエイターとして観た父親像とは?【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
手塚 真
- 略歴
- 〈手塚真〉1961年東京都生まれ。日本大学芸術学部映画学科中退。ヴィジュアリスト。幅広く映像作品を手掛ける他、イベントや音楽の企画、プロデュースなど多彩に活動。著書に「夢みるサイコ」など。
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紙の本
満を持して世に出す息子による手塚治虫伝
2004/11/27 12:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
手塚治虫先生の遺族が書かれた本はこれ以前にも妻・悦子氏が書いた「夫・手塚治虫とともに」(講談社)や長女・るみ子氏が書いた「オサムシに伝えて」(太田出版)と「こころにアトム」(カタログハウス)があります。この3冊も大変興味深く読みましたが、父と同じ映像クリエーターであり、しかも物書きでもある長男・眞氏が父親についてこれまでまとまった書き物をしてこなかったことを不思議に思っていました。ですからこの「天才の息子」はいわば満を持して世に出す、天才・手塚治虫の興味深いエピソードに満ちた一冊です。
自分でも認めるとおり父親譲りという温和な性格がにじみ出ているその筆遣いにはとても好感を持ちました。また眞氏は私とほぼ同世代なので手塚漫画とともに成長した様子は私自身の体験と大いに重なる部分があり、共感を持って読むことが出来ました。
「ブラック・ジャック」の連載が打ち切りとなった時はとても残念に思ったものですが、この「天才の息子」には打ち切り決定の唖然とするような裏話が書かれています。本当にこんな理由で打ち切りになったのでしょうか。事実だとしたら、ますますもって惜しいと思いますが、一方で天才・手塚治虫も人間臭いところがあるのだなと苦笑しました。
またディズニー映画「ライオン・キング」が「ジャングル大帝」に酷似していると騒ぎになった時に、息子である眞氏がどう感じ、なぜ抗議をしなかったかについても詳細な記述があります。これを読むと何か納得できる思いがしました。
また手塚漫画を読み返してみたいという気になりました。
紙の本
手塚治虫ネタとしてはそんなに目新しくはないけれども、さりげなく著者が自分の決意表明をしているようでうれしい
2009/03/30 00:07
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
天才や偉人の子どもで大成した人はいないらしい。むしろあまり幸せとは言えない人生を過ごしたと言う。確かに何をやっても偉大な親と比較されるし、比較されたって天才に追いつけるはずもなく、親のプレッシャーに打ちひしがれてしまうか、性格が悪くなるかしかないだろうなと思う。親のことを聞かれれば、めちゃくちゃ言うのではないだろうかと勝手に想像してしまう。
なので、あの手塚治虫の息子が手塚治虫のことを書けば、愛憎半ばするものを吐露するのだろうと、これも勝手に思っていた。この本の副題も「ベレー帽をとった手塚治虫」とあるので、これまでに知られていない手塚のことを知ることができるのではないかとの期待もあった。
しかし、まああまり新しい発見はなかったというか。
まず、著者は手塚治虫の息子であることで屈折していないのだ。父親を天才と認め、尊敬し、褒めまくっている感じがする。親があまりに偉大だとかえって開き直ってしまうのか。あるいは、親とは名ばかりであまり接した時間がなかったとのことなので、父親と言ってもある種他人のような感覚なのか。それにしてもこんなに親のことを褒めることができるのかなあ。
著者自身はマンガ家とならず、映画を主とした映像表現のプロフェッショナルとして活躍しているので、父親・手塚治虫と自分のクリエイターとしての面、アニメ、マンガ、映画などの理解などについて書かれているし、その中に手塚治虫のさまざまなエピソードが綴られているので興味深いところもある。けれども綴られている中で著者は自分のことも語り、親を褒めつつ、自分の中に親の影響を見つけつつも、「ここは自分は違うんだ」とさりげなく書いてあるのを見つけると、やっぱり著者も天才たる親に何らかのひっかかり、こだわりを持っているのだなと思えてくる。それが最後あたりに端的に述べられている。
「ぼくは手塚治虫は太陽の作家だと想うのです。太陽という意味は、人の世を照らして明るく輝かせ、暖かさを与える、声明にとって大事な存在。それがないと生き物は生きていけないような、基本となるべきエネルギー。ポジティブに王道を行く、リーダーとしての資質。ぼくも基本はそうだと想うのです。もの作りの資質としてはどちらかといえば太陽なんですね。しかしぼくの場合、興味が月に向いている。月に憧れる太陽なんです」(第十章 天才のDNA)
そして、そんな風に親と自分のことを言える著者のことが私は好きだ。