紙の本
ジンメル理論の解説と応用
2018/07/07 12:55
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投稿者:病身の孤独な読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトル通りに、ジンメルの社会学理論の紹介をし、その応用として「つながり」を説いた書籍である。ジンメル解釈に賛否が分かれるかもしれないが、評者はそれなりに興味深く読むことができた。ジンメル入門としても最適である。
紙の本
社会というもの、生きるということ
2003/10/19 00:01
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投稿者:あんこう - この投稿者のレビュー一覧を見る
いわゆる“訳本”ではない。
だから、「ジンメルの本じゃない!」という人もいるかも知れない。
しかし、この本は、下手な訳本を読む以上に“もっと身近なこと”として「社会」や「人が生きるということ」についてジンメルの考えを語ってくれる。
私たちが、今のこの世の中で“人と関って生きていく”時に大切にしなくてはならないこと、また、自分自身に対して大切にしなくてはいけないことが書かれている。特に「人との距離のとり方」は、私たち自身が、つい見失ってしまっていることではないだろうか。
作者自身の経験も交えながら、今まで「社会学や哲学というものは難しい…」と思っていた人でも、十分に素直に読めます。
価格的にも無理なく手にすることができるのも嬉しいですよ(笑)
紙の本
哲学的社会学あるいは実存の社会学?
2003/05/05 11:26
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投稿者:SugarHigh - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジンメルとは誰かもわからないまま、「つながりの哲学」という題名になんとなく惹かれて買ってみた。あまり期待しないで読みはじめたのだが、筆者の大学生時代の体験を導入部として、人間関係の「距離」、「知人関係」、「秘密」、「ほんとうの私」とは…といった身近なコミュニケーションの問題についてわかりやすく丁寧に解きほぐされており、とても興味をもって読む進むことができた。決して寝転がってスラスラ読めるほど簡単な本ではなかったが、要所、要所で語られる具体的な例が理解を手助けしてくれている。イラストもとても効果的に挿入されていて楽しい。まさに「買い得」の一冊。
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ジンメルに限らずに社会学の入門書としてもとてもいいと思う。
『確率的発想法』とか、NHKブックスはとてもいい入門書が多いなぁ。
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社会学の三大始祖の一人、ジンメルの思想をコンパクト、かつ分かりやすく説明した本書。社会学プロパーの人意外にもお勧めできる。特に、就活前の大学生とか、失恋したばかりの方などにお勧めしたい
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ジンメルはたまらないっす。いわゆる3大社会学者の中で一番好き。この本は非常に分かりやすくいい入門書となっている。
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これ100円だったから買ったけど、意外と当たりだった。
自分を卑下する人間は何がいけないかを論破していくくだりは、自分のことを言われてるようで耳が痛かった。
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ジンメルをまったく知らない人、これから社会学を勉強したいと思う人にとっては比較的読みやすい(あくまで)入門書。〈根性なしの社会学〉として、ジンメルの相互作用的社会観をコミュニケーション不全の若者へのメッセージのように語る内容。今の自分には特に響くものがなかったかな(それだけ年とったってことか)。
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ジンメルが考える社会の見方や人間関係を菅野さんの視点からわかりやすく解説したもの。
ここでジンメルが考える社会は網の目になっていて、人々がお互いに影響を与えながら関係を形成している。
そして、これを見る際に「相互作用論的社会観」、つまりは当事者の視点+全体をも見る力(ミーアキャットのような)が必要と述べていた。
しかし社会的弱者などの全体をみる力が欠けている人や、あまりにもトラウマが強すぎて(DVや性的暴力など)自らを当事者としてみれない人たちにとっての社会はなんなのか、社会学は可能なのかなどの視点が足りなかったのではないか。
しかしジンメルを読んだことがない人には非常にわかりやすい一冊であり勉強になった。
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[ 内容 ]
社会になんとなく疎外感を抱くことはないか。
自分の居場所などないと思えたり、自由に生きることを阻む檻のように感じたり…しかし、社会はあらかじめ存在するのではなく、人と人の日々のコミュニケーション=相互作用の集積から生まれるもの、そう考えれば、おのずと社会との関係の結び方が見えてくる。
そして、「私から社会へ」を考えることは“ほんとうの自分”を振り返ることにつながる。
個と社会の問題にこだわり、よりよく生きる道を模索したジンメル思想を現在を読み解くツールとして捉え直す、気鋭の社会学者によるスリリングな試み。
[ 目次 ]
序章 私の社会学体験―ジンメルとの出会い
第1章 「ジンメル」とはだれか?―相互作用論的社会観の特徴
第2章 社会をどこから見るか
第3章 社会学は何を問題としてきたのか?
第4章 社会の成り立ちと「ほんとうの私」との関係
第5章 「秘密」とは、コミュニケーションを拒否した態度か?―他者との「距離」をどうとるのか
第6章 「闘争」がダイナミックな人間関係を作る
第7章 貨幣の“現象学”―“私から社会へ”つながるメディアとして
第8章 ハイ・モダニティとしての現代―人間関係の相互性を時代とともに考える
終章 “私から社会へ”のルート探し―“根性なしの社会学”からの出発
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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ゼミで読んだ本
社会学のfounding fatherの一人でありながら、デュルケーム、ウェーバーと比べて、ジンメルの主義や主張はあまり知られていない。この本は、そんなジンメルの知見をもとに社会と個人を考え、ひいては私たちのまわりの人間関係、自分探しについて考える本である。
パーソンズの機能主義や、ゴフマンの状況主義的人間に精通している人は、理解に容易い内容である。が、そうでない人にとっても充分に楽しめる内容。
特に、 最近の社会学のトレンドである「自分探し」(ベックの言う個人化、バウマンの言う流動化、キデンズの言う再帰的自己、フーコーの生政治は全て同じ意味)について、ポジティブな面、ネガティブな面を打ち出したうえで、離脱の戦略を打ち出している点が秀逸!たしかになーと思った!
ここから、ジャンプして社会関係資本の話しで考えれば綺麗に着地できる。今ひとつは、1-3章がいかんせん冗長。唯一つかえたのは、ミーアキャットの視点♪
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近代(自由・平等をもつ大衆から構成)と社会学、近代と貨幣の関係など、社会と時代を見る眼差しや、〈私〉の〈つながり〉という視点から実践知を説くあたりは、深く首肯できる。
しかし、一点、後半に出てくる、引きこもりや携帯依存症についての「一般的なカテゴリー」のくくり方に、違和感を感じる。つまり、著者は、他者性の論証が弱いのだ。
しかし、しかし、ジンメルを手がかりに、生きた学問をしようと、何かを伝えようという熱意を感じる。
以下、抜粋。
・〈「生」に対するルールの先行性〉という事実の存在
・私たちは出会う相手を「一般的なカテゴリー」のもとでとらようとする。
・個人の社会外的側面を配慮することの重要性
・配慮とは、まず第一に「秘密への配慮」
・配慮しあうということは、〈私から見えるあなたは決してあなたそのものではないでしょうが、そのことを充分踏まえて私はあなたの人格の全体性を尊重します。ですからあなたも私にそのように接してほしいです〉といった相互的関係を意味するのだ。
・何より「闘争」は「最も生き生きとした相互作用の一つである」。
・社交とは、関係そのものを楽しむ関係
・現代における私たちにとって、自我とは近代の生成期にイメージされた「主体」のように決して「強い」ものではない。
・〈関係の豊かさ〉という価値観
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ジンメルの思想が大好きになった。
解釈がわかりやすく、気づきがたくさんあった。
何度も読み返したい。
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読み終わった、というか、最後はもう飛ばし読み.うーん。ジンメル、面白いような気もするし、役に立つような気もするのだが。読み込むのに時間がかかりそうなので、とりあえず保留。またよき時があれば。
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「ほんとうの私」は「ほんとうの私」をほんとうにわかってくれる他者を同時に求めることが多い。社会に対して漠然とした不安や不満を持っている人、他人とのコミュニケーションがうまくいかない人はこの本はいいヒントを与えてくれる。
SNSが発達し、人間関係がオンラインにも広がっている。人とのつながりは今の時代の主要キーワードだ。