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紙の本
読むべし!怪獣版ターミネーター
2003/05/07 11:49
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投稿者:キムチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
バイロン・ハギンズ節がたっぷり利いた洋もの版ゴジラ小説って感じか。結構宗教懸かった説教くさい部分が臆面もなく前面に出てくる作家ですので、そこんとこ押さえておいてヒロイックモンスター・パニック娯楽SF小説として純粋に楽しめればそれで良いのです。このご時世で、北欧の巨人がなんでドラゴンと戦わなきゃいけないんだぁ〜なんて考えてたら、頁を繰る手が止まっちゃうでしょ(^_^;)。しっかし、コモドドラゴンを遺伝子改造しただけで火を吐く大怪獣にしちゃいますか。この辺のトンデモ加減がゴジラなんだよな〜。昔は水爆の影響とか利用してましたが、今や遺伝子操作。時代は変わっても『善』に対する『悪』の物語的効能は一緒ってことか。
怪獣版ターミネーター。何度倒されても生き返ってくる体長10.5メートルの口から火を吐く大怪獣。戦斧抱えた北欧の大巨人との一騎打ちだってぇ。戦車すら吹っ飛ばす怪獣が相手なんだぜぇ。そんなのどうやって倒すんだぁぁぁ(^_^;)。迷宮と化した地下研究所で繰り広げられる地獄絵巻がこれでもか攻撃でスケール倍増ど迫力!! 『殺戮者カイン』やら『極北のハンター』で冒険小説界の雄として日本で名乗りを上げたバイロン・ハギンズの本国でのブレイク作品。いわば彼の原点たる作品である。原点故にストレートに押しまくる暴走特急ぶりはいっそ痛快である。読まないヤツはリヴァイアサンに食われて死んじまえ!ってくらいお勧め(^_^;)。
ここまで育て上げたバイロン・ハギンズ名義の作品群をあっさり放棄して、次回作品はなんと宗教的歴史小説なんだそうだ(^_^;)。逆説的に考えると、それを書きたいがために過去のSF小説群を書き上げたって解釈もあっていいかも。新人作家がいきなり宗教的歴史小説っていってもどこの出版社も取り上げてくれないでしょ、やっぱし。ところで、スタローン主演で映画化されるはずの『極北のハンター』は一体いつ公開されるのでしょうかねえ。洋ものゴジラがコケちゃったから、米国じゃ怪獣小説なんてなかなか映画化権売れないでしょうけど、この並みじゃない凶獣ぶりを映画館のワイドスクリーンで見てみたい気もしますなあ。
紙の本
訳者コメント
2003/05/09 19:59
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投稿者:中村融 - この投稿者のレビュー一覧を見る
殺しても死なない殺人鬼といえば、『13日の金曜日』のジェイソンをはじめとして、スプラッタ・ホラーには欠かせない存在だが、ホッケー・マスクの怪人のかわりに、ゴジラが追いかけてきたとしたら? この冗談のようなアイデアを大まじめに長篇小説に仕立てた例がある。本書『凶獣リヴァイアサン』がそれだ。
本書に登場するのは、直立二足歩行して、口から火を吐く体長十五メートルの怪獣。これがなんべん殺されても、そのたびに生き返ってくるのだから、まさにゴジラのジェイソン状態。しかもその怪獣が、善と悪の覇権をかけて、身長二メートルの北欧戦士と一騎打ちをするのだから、英雄神話風のファンタシーかと思うとさにあらず。問題の怪獣は遺伝子工学の産物で、舞台は現代。したがって、怪獣は銃弾とロケット弾を無数に浴び、何度となく高圧電流でふっとばされる。原書の裏表紙に「『ベーオウルフ』と『ジュラシック・パーク』の伝統の融合」と書いてあり、読む前はなんのこっちゃと思うのだが、まさにそのとおりの内容だ。
もちろん、テクノロジーの暴走を描いたフランケンシュタイン・テーマの作品として読んでも面白いし、わが国の大石英司氏が手がけているような正攻法のモンスター小説としても高い評価をあたえられる。要するに、本書は世にも珍しいSFホラー・ミリタリー・アクション・ヒロイック・ファンタシー(?)なのである。