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商品説明
テクノロジーの進化と市場の変化によって、大衆化していく表現手段とマーケット。変化の中で試行錯誤を続ける現代のクリエーターたちの生の姿をインタビューとともに描くノンフィクション。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
天使の舞う空間・山下隆生 | 7-36 | |
---|---|---|
行ったことのない場所で・八谷和彦 | 45-72 | |
贖罪の如く・佐藤直樹 | 73-100 |
著者紹介
小田切 博
- 略歴
- 〈小田切博〉フリーライター、アメリカンコミックス研究家。トイ、アニメ、サブカルチャー誌など、幅広い分野の雑誌で活動。
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紙の本
著者によるメモもしくは刊行後の自省
2003/10/06 19:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:小田切博 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は本書の著者であり、その意味でこれは「読者レビュー」ではない。また、本書は出版されてからそろそろ半年が経とうという出版物であり、「宣伝」の意図も皆無ではないがメインではない。
これを書いているのは、このさして話題になっている訳でもない自分の処女単行本の出版後の反響についてのメモ、というかそれに対する困惑を書き付けておこうと思ったからだ。
本書のプロデュースに協力していただいた三好さんの過分な言葉に反するようで申し訳ないが、私はべつに「ノンフィクション分野で認められた書き手」などではない。ルポやインタビュー形式の文章はこれまで何本も書いてきたが、私の名前を知っている読者であっても私のことを「ノンフィクションの書き手」として認知しているひとはほとんどいないだろう。これは別に謙遜の類ではなく、単純に私が主に書いてきた題材「キャラクターカルチャー」が、一般的に言って「ノンフィクション/ルポ」の対象になるなどと考えられていない、という自覚があるから言うだけのことで、書いているもの自体に関してはさほど謙虚な訳でもない。
そもそも私が本書を企画した動機のひとつとしては、90年代に流行したいわゆる「オタク論」的な言説への違和感があった。ここで言うオタク論とは、たとえば東浩紀や岡田斗司夫といったひとたちの言葉のことだが、要は「オタク」といったものを「特異な風俗もしくは社会現象」として論じる態度のことだ。「オタクとはなにか」といった問題以前に彼らが論じ、取り上げている現象や流行が私にはまったく特異なものだとは思えなかったのだ。
消費がデータベース化している? 細部へのマニアックな知識に血道をあげる傾向? それはべつにマンガやアニメに限ったことではまったくない。むしろあらゆるメディアやマーケットで平行して同時進行して起きている現象ではないのか。本書がファッションやインテリアと並列にフィギュアやトイを取り上げているのにはそうした意図がある。市場として眺めた場合に、そのユーザーとしての質の変化は特異どころかむしろジャンルを問わず均質化している、というのが私の実感だ。
オタクもサブカルも80年代以降の「消費がイコール表現である」と喧伝されてきた日本社会の中で発展した限りにおいて、現在の「誰もが表現できる時代」を支える市場的なインフラとして同様の意味を持つ……とまあ、そういう気分のもとで本書を書いた。
しかし、予想外だったのは本書の受け入れられ方だ。なにしろオタク論どころかサブカルチャー的な論考としてすら話題にならない。象徴的だと思ったのは書評の出方で、雑誌や新聞にはほとんど取り上げられもしなかったのに『電通報』に書評が掲載された、という広告の仕事なんかしたこともない著者としては困惑せざるを得ない結果になっている。
とはいえ、本書はそんな著者の理屈っぽい感慨とは無関係に、まず「誰もが表現できる時代」にクリエイターになることを選択した人々の姿をレポートした読み物であり、物語である。ぼんくらな著者としては、もっと普通のクリエイター志望の若者やそうでないひとに気楽に読んで、彼らの姿に共感したり、考え込んだりしてもらえると単純にうれしいのだが。
紙の本
編集者コメント
2003/05/19 03:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:三好 - この投稿者のレビュー一覧を見る
インディペンデントで活躍する、各業界のトップクリエイターへのインタビュー集です。
本のタイトルのとおり、誰でもクリエイターになれる時代ですが、その行く先を知ることのできる、貴重な内容となっています。
著者の小田切博さんは、ノンフィクション分野では飛びぬけた力量を発する、新進気鋭のライターで、すでに模型業界では知られたフリーの編集者でもあります。
クリエイティブに興味がない方でも、ノンフィクションとして十分楽しめる内容となっていますので、ぜひお読みください。