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紙の本
私にとって最高のサッカー小説
2015/09/10 19:29
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投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
サッカーのJ2リーグが発足した1999年、J1への昇格を賭けて大分トリニータは地元で最終節の試合に臨みます。その試合をめぐる両チームの選手、監督、そしてその試合を裁いた主審を切り口にしたノンフィクション。大分トリニータの最終節の対戦相手はモンテディオ山形。大分の監督は、なんと前年まで山形の監督をしていた石崎氏。前年まで自分たちの監督だった人物が移籍先でJ1昇格を手にしようとしている状況に、なんとしてもそれを阻止しようとする山形の選手たち。試合は大分のホームで、それまで高々数千人の観衆しか集めていなかった地方のスタジアムに、地元の期待を載せて1万5千人以上の観衆が詰めかける異様な雰囲気の中で始まります。試合の流れは微妙なプレーの判定のたびに、大分と山形の間を揺れ動きます。主審の越山氏の判定に対してさまざまな思いを抱いてプレーする選手たち。そして、試合の終盤に主審の越山氏の下した判定が分水嶺となって試合は最終局面へ。
著者の金子氏が「この作品を書くためにライターになったのかもしれない」とおっしゃるだけに、最高に面白いです。さまざまに交錯する選手と審判の思いや、多くの伏線を当事者の人たちから拾い上げ、1冊の本に紡ぎだす著者の筆力とサッカーに対する愛情が感じられる1冊です。