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  • みんなの評価 5つ星のうち 3.6 14件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2003.5
  • 出版社: 慶応義塾大学出版会
  • サイズ:20cm/228p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-7664-0999-X

紙の本

〈癒し〉のナショナリズム 草の根保守運動の実証研究

著者 小熊 英二 (著),上野 陽子 (著)

「新しい歴史教科書をつくる会」とは何だったのか。保守系ナショナリズム運動の草の根の活動を担う自称「普通の市民」たちのメンタリティと心の闇を実証的に分析し、現代日本のナショ...

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〈癒し〉のナショナリズム 草の根保守運動の実証研究

税込 1,980 18pt

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商品説明

「新しい歴史教科書をつくる会」とは何だったのか。保守系ナショナリズム運動の草の根の活動を担う自称「普通の市民」たちのメンタリティと心の闇を実証的に分析し、現代日本のナショナリズムの有様を浮き彫りにする。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

小熊 英二

略歴
〈小熊〉1962年生まれ。東京大学教養学部総合文化研究科大学院博士課程修了。慶応義塾大学総合政策学部教員。
〈上野〉1978年生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒業。金融機関勤務。

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みんなのレビュー14件

みんなの評価3.6

評価内訳

紙の本

<普通の市民>の怖ろしさ

2003/05/29 12:50

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:郊外の住人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

面白い。小熊氏の本にしては小さめだが、これまでと変わらず読みやすく、一気に読める。
この本の面白いところは、「つくる会」を支持している(「していた」の方が正確か)のがどういう人びとなのかを立体的に描き出しているところだ。それが全然「右翼」じゃない。自分たちでも言っているようにごく「ふつー」な人びとなのです。確かに戦争経験ばりばりの人もいるにはいるんだが、彼らは会の中で浮いちゃっている。あとは学生や主婦や、サラリーマンばかり。ぜんぜん過激なことなんて言わないし、思ってもない。ほんとに「ふつー」だし、僕らと全然変わらないじゃん、と思わされる。「つくる会」の主張に賛同したわけだから、もちろん「天皇陛下、万歳!」かと思ったら、それも違う。じゃー何で「つくる会」を支持するんだよと思っていたら、彼らにとっては結局、自分が同化できる対象が強ければ何でも良いみたいで。だからもしかしたら、彼らはいずれ自分でもよくわからないうちに「サヨク」になっていたりもするかもしれない。石原慎太郎氏がいなくて、田中康夫氏みたいな左派系のポピュリスト(と言ったら失礼かな)が都知事に立候補して「うまい」こと言ったら、あっさり鞍替えするかもしれない。でもそういう人が都会の(「郊外」のと言った方がいいのか)圧倒的多数になっちゃっている。みんながみんな「ふつー」を自称しているんだから、「つくる会」に代わる右派ポピュリズム運動が発生したら簡単に回収されちゃうんじゃないかなと思うと、怖いなーと感じる。北朝鮮がこの先、少しでも揺さぶりをかけてきたら一気に「先制攻撃せい!」ということにもならないとは言えない。それも「アメリカ」みたいな強者がバックにいるから言えるわけで。というわけで、自分はどう考えるのかという審美眼みたいなものが自分のなかにないと、「ふつー」を自称する人びとは結局はそのときどきの雰囲気次第で、あっちに行き、こっちに行きしてしまう。その数の多さがハンパじゃない。周りを見渡せば、みんながみんな「ふつー」を自称している。それが怖いのです。

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紙の本

末期状態にある日本という共同体

2005/01/04 07:45

5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:バルザック - この投稿者のレビュー一覧を見る

自らを「普通」と称する人々の不気味さが解ります。
扱った題材自体は違いますが、森達也氏の「A」や「A2」と同じ種類の感触が伝わります。
自分達とは違う存在を異物、敵として排除したがるとうのはどのような共同体も有する性質ですが、それがあまりにも先鋭化したこの国はもはや共同体として危機的状況を迎えているといってもいいでしょう。
まぁ「政府の方針に逆らう奴は反日分子だ」等とほざく政治家が暗殺されずに生き残っている(まともな近代民主主義国家なら彼の政治生命終わりです)時点でもうこの国は駄目でしょう。

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紙の本

しぶとい「知識人対大衆」の構図

2003/06/23 03:26

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:梶谷懐 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 これまでに「新しい歴史教科書」に対する批判は山ほど出されてきたが、それはほとんど製作サイドに対する批判だった。やれ資料や史実の選択に偏りがある、やれ最新の歴史学の成果を取り入れていない、アジアとの共存の視点に欠けている、などなど。中には「こんな教科書を使うと受験に受からない」というずいぶん実もフタもない(しかし一番効果があった?)批判もあった。

 どれももっともなのだが、そこには一つ重要なものが欠けていたように思う。それはこの教科書の需要サイド、つまり従来の歴史教育を何らかの形で「おかしい」と考え、「新しい教科書」の登場を待ち望んでいた人々に対する視点である。もちろん、教科書の直接のユーザーとしての子どもへの言及というのは一定程度見られたけれども、意識的という点ではそういった大人たちこそが真のユーザーというべきだろう。実際、かなりの広範な支持がなければ検定・市販にまでこぎつけることはできなかっただろうことを考えると、教科書自体があれだけマスコミの注目を浴びた時に、その登場を支持した人々への注目がもっとなされてもよかった様に思う。

 著者の一人である小熊さんは、比較的早い時期から「新しい教科書(あるいは「つくる会」)そのものよりも、そのメッセージに吸い寄せられる人々の存在に注目した鋭い発言を行っていた(本書第1章)。本書は、小熊さんのゼミ生の上野さんが行ったフィールドワークの結果によって、小熊さんがこの問題について示してきた仮説への裏づけが与えられる、という構成になっている。フィールドワークのやり方には疑問の余地もあるだろうが(結論が先にあってその図式に当てはめようとする傾向が若干感じられる)、でもこういう試みが今まで全く見られなかった中では高く評価されていいだろう。特に、「フツーであること」に強いこだわりを持ち、それゆえにフツーではない、排除すべきもの(ここでは「サヨク」な人々)を見つけることによって「癒し」を得ようとする、そんな「フツーの人々」こそが「新しい教科書」を支えていた、という本書のメッセージは重要である。

 しかし、実は本書の困難さもここから始まる。つまり、「新しい教科書」を支えていたのが「フツーの人々」であることがわかったことはいいとして、(もはや「フツー」とはいえない)著者たちには、そんな彼らに対して今後どんな呼びかけを行えばいいのか?という、より難しい課題が残されたのではないだろうか。
 彼らが「フツーの人々」の中に潜んでいる異質なものへの排除のまなざしをいくら詳しく分析しても、いや、分析すればすればするほど、その声は当の「フツーの人々」の耳には届かないものになるだろう。この本自身が明らかにしたように、彼らはそもそもサヨクの「高みに立って物を言う」態度を忌み嫌って、「つくる会」の「わかりやすい」メッセージに共感したのだろうからだ。

 こうしてみると戦後、吉本隆明などによって提起された「知識人と大衆」の問題は決して過去の問題になっていないという気がする。力作『民主と愛国』で吉本に対してかなり厳しい見方を呈していた小熊さんだが、彼が今後も「フツーの人々のナショナリズム」に注目しようとする限り、この問題に関して何らかの思想的な総決算を迫られるんじゃないだろうか。そんなことをふと思ったのだった。

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紙の本

【怖い話】カオナシ・ナショナリズム

2003/06/19 22:15

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:栗山光司 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「ほんまにこわいですね、こわーいお話ですね」
 「おっちゃん! なにふるえてんねん、淀川さんがあの世からやって来たかと思ったわ、こっちの方が怖いわ」
 「すんまへんなあ、この<癒しのナショナリズム>を読んだら、こおなってしもうて、まあ、わしはもうじきあの世へ行くのやから、あんまり、関係おまへんが、おまえたちのことを考えたら、おそろしゅうてなぁ」
 「調子のいいこと言ってらあ、そんなにうちらのことを考えていないくせに、世を憂えるなら、後生大事に抱え込んでるものをうちらのために吐き出せなよ」
 「死んだら吐き出してやるよ、でもな、この本の<史の会>のあんちゃんたちは千と千尋の神隠しのカオナシだなあ、不気味で顔が見えない」
 「顔がないから、ふつーうの人なんじゃあないの」
 「まあ、テレビのバラエティのノリだなあ、トピックはなんでもいいわけよ、だから、負けてしまった教科書採択問題はもう興味がないって。夫婦別姓問題にシフトするらしい」
 「哀しいね、カオナシは青い鳥を追い求めているのだ」
 「らっきょうの皮を剥き続けて、そして、な〜んにもなかった」
 「らっきょうのカオナシが何で、史の会になるわけ」
 「わしもようわからん、ただ、過激な運動は嫌いで、保守よりは本業が大事、天皇に関しては特別な感情はない。彼等に政治哲学は最初からないし、ロビー活動、メディア戦略には関心がある。この<史の会>を参与観察した小熊英二の生徒、上野陽子によると、戦中派のおじいさんを若い連中は煙ったがっているらしい。老人の戦争体験はあまりに説得力がありすぎるのだ。ならば、それを叩き台にして彼等の保守を理論武装すればよいのに、かような、かったるい、うざったいことはしたくない。」
 「…」
 「怖いと思ったのは、あんちゃんが、上野によれば、戦中派が右派団体である日本会議に参加する歴史意識を持った保守ナショナリストたちであっても、【頭の中で作り上げた戦時下の日本像】を構築する際、こうした戦中派のリアリティはむしろ障害になると思っていることである。自分達の仲間であるはずの老人達の歴史認識さえ抹消して、戦中の日本や日本軍人が理想的な英雄な集まりであった物語作りに精を出す。その思考回路が不気味だ。上野は<史の会>で共有されている歴史観は年長者の<慰撫史観>であると同時に<若者の癒し史観>で、両者は必ずしも交わることもないまま、後者の優位のもとに同床異夢の連合を結成していると、総括している」
 「いやだ、ヒーリングナショナリズム? 音楽、ペット、アロマ、宗教、それが、国にいっちゃうわけ。カオナシは癒されれば、何でも食べちゃうもんなぁ、寂しいんよ」
 「どうせなら、医療制度の改革だとか、年金問題だとか、そちらの方が癒しの問題に直結するはずなのに、有事関連法案に癒してもらいたいらしい。カオナシの君たちよ! 君たちが英雄視する何ものかによって動員され、擬顔、擬アイデンティティを得る前に、身捨つるほどの掛替えのない祖国を自分の内部に持っているのかと、問いたい。」
 「おっちゃんは顔の見えるナショナリズムなら、受け入れるわけ?」
 「少なくとも論争の場が出来る。出発はそこからだよ、福田和也の『天皇抜きナショナリズム』、小林よしのりの『反米愛国』、島田雅彦の『楽しいナショナリズム』と材料には事欠かない」
 「そんなん、おそいじゃぁん、有事関連法案、個人情報保護法は、とおちまったんだよ、おおこわ!」

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紙の本

草の根保守運動に参加している人のの生の声が聞こえるようである

2016/12/03 23:10

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本は、小熊英二と上野陽子の共著という形になっているが、核になる部分は上野氏が書いている第三章である。これは「新しい歴史教科書をつくる会・神奈川県支部」である「史の会」の調査を素材にした彼女の卒業論文を基としている。彼女は、実際に「史の会」の会合などに参加し、アンケートやインタビュー等を行い、調査している。それだけにこの団体に参加している人のの生の声が聞こえるようである。
ナショナリズム、特に現代の草の根ナショナリズム又はネトウヨなどと呼ばれる現象は、実態が非常にあいまいなためつかみどころがないが、この本は、その理解のための一助にはなると思う。

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紙の本

説得力がもう一つ

2003/12/23 20:40

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:相如 - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本の評価が意外に高いようなので、あえて批判をさせていただきたい。今までやらないことをやったということでは高く評価できるかもしれないし、第一章の小熊さんの論考に関しては非常に面白く説得力があると思う。しかしそれ以降の、実地調査とそれに関する所見については少なくない違和感や不満なしには読めなかった。

第一に、ここで一番問題となる、保守ナショナリズムの支持者が増加しているという理由が結局よくわからなかった。社会的な流動化の中で「癒し」を求める「都市型ポピュリズム」ということらしいが、保守ナショナリズムと「普通の市民」がなんで「癒し」の効果を持ちうるのかの話が実はあまりされていない。これは小熊さんだけではなく、ナショナリズム批評をする人一般の問題点である。当然ながら「癒し」は「家族」にも「地球市民」にも行きうるわけで、「国家」である必然性はない。小熊さんは「国家」は幻想であるが故に魅力的だなどと言っているが、「家族」も「地球市民」も「幻想」の要素を持っている点では同じである。どうして「普通」や「愛国」がある種のリアリティを持ってしまうのか、この偶然性をもっと社会学的に説明すべきだろう。「ムラ共同体の解体」、マスメディアの影響、「反体制」といった、第1章で提出されていた論点をもっと深めると面白かったのではないか。

第二に、分析と批評がごっちゃになっている。ナショナリズム批評をする人たちはこの混同がすこぶるひどいが、正直なところ小熊さんもこの弊害を免れていないように思った。例えば「史の会」は移民排斥などは主張していないといいながら、その理由は「無知」「無関心」にあるのだと断じ(「サヨク」の現実に対しても「無知」「無関心」なのだが)、憎悪が在日コリアンなどに向く可能性は否定できないなどと論じているが、ここには分析と道徳的非難の乱暴な混同があるように思う。善悪は別にして、「移民排斥を掲げていない」という「事実」のほうがまず重要ではないのだろうか? そもそも、「史の会」のような人々が民族排除をしていく可能性がある、などというのは(当たっているとしても)根拠のない決めつけでしかない。第4章の、「日常生活で夢や希望をもてないことへの幻想」などという下りは、もともとが大学生の卒論とは言えあまりにひどいまとめ方である。「幻想」だから悪いとは必ずしも思わないし、「夢や希望をもてない」という現実が描かれていたようには全く思えない。

第三に、ここで批判した内容が「つくる会」「史の会」に代表される保守ナショナリズムに限ったものではない、ということをきちんと指摘する必要がある。ややもすると、「〈普通〉を掲げる保守ナショナリストにならなければいい」、という単純な「誤読」を招きそうな結論が非常に気になった。小熊さんは「この本を読んでいるあなたが〈普通でないもの〉として発見されてゆく」可能性を警鐘しているが、「私やあなた方が〈普通でないもの〉を発見しようとしてしまう」可能性を指摘することのほうが、本書の意図としてもより正鵠を得ているはずだ。(個人的には、「オンリーワン」が流行している現在では、「『人とは違う』自分」を語ったり表現する能力のない人が〈普通ではないもの〉として排除されつつあるように思われるのだが。)

結局、5年前に書かれた第1章よりも深みのある分析や解釈がないのが残念だった。しかしこれはまだ「コロンブスの卵」だろう。「癒し」というレッテル的な結論以上の研究をこれからの小熊さんに期待したい。

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紙の本

自称「市民派」の敗北宣言

2003/06/01 20:57

10人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る

新しい歴史教科書をつくる会を支持している連中は右翼
保守反動なんだというカビの生えたレッテル貼りを幾らやっても
へこたれない。そこに疑問を感じ、もしかしたら自分たちサヨクは
事実とはずれたことを言っているかも知れないという不安に駆られ
事実を確認しようとつくる会のグループに潜入して実態を確認
したところ、見事その悪い予感が的中して、つくる会を支持して
いるのは実は普通の市民であったことが分かって、自分達サヨクは
今後どうしたらいいのかと途方に暮れている様子を正直に吐露したのが
本書。

この本について藤原帰一東大教授が面白い分析を朝日新聞の論壇時評で
展開している。彼いわく戦後の平和運動、市民運動の理論的支柱は国家
と市民社会を対立関係から見るという視点だという。国家とは戦争を
起こし、市民から平和を奪う存在であって、国家を主体として安全保障を
考える限り、戦争の脅威はなくならないとするのが戦後の平和運動
市民運動の基本的パターンなのだという。そして藤原は本書を引き
合いに出し「今はそうとは限ら」ず「新しい歴史教科書をつくる会
の神奈川支部「史の会」について調査した上野陽子は右翼のイメージとは
まるで違った自発的市民が集まって作り出した「市民運動」として
「つくる会」を描いている」「そこに見るのは朝日(新聞)やサヨク
(左翼)から健全なナショナリズムを守ろうと努めるサイレント保守
市民」だったことを発見して驚いているとする。そこに上野が見たのは
「民主主義の否定どころか、民主的な運動」そのものだったのだ。
続けて藤原は「上野の報告についてコメントを加えた小熊英二は、この
下からのナショナリズムを自民党・文部省が一貫して企ててきた教科書
攻撃の一貫とか、右翼、ファシストなどと(つくる会を支持する一般
市民にレッテル貼るようなことを)言っても意味はないと指摘する。
つくる会に参加する人たちは自分たちが体制に属するどころか、その
体制に対して異義を申し立てる側にあると考えており自分たちが右翼
だなどとは思っていもいない」とする。そして「国家はちゃんと国民を
守るべき」というアタリマエのことを市民のほうが訴えるとき「国家
対(市民)社会という図式に頼る平和主義はその根拠を揺るがされて
しまうだろう」と結論付けている。

一貫して国家ナショナリズムや愛国主義を危険な戦前の天皇制絶対主義
への回帰現象と位置づけて警戒を呼びかけてきた小熊英二。彼は
今、心の底から自分の理論的ベースが動揺し崩壊しようとしていること
に恐怖している。石原慎太郎は危険なデマゴーグではなく、国民や市民
のニーズを的確に捉えた優れた政治的指導者の一人である一方、土井
たか子率いる社民党や日本共産党のようなサヨクは思考停止の硬直的
座標軸のとりことなり、どんどんどんどん国民や市民社会のニーズを
キャッチすることに失敗した時代遅れの存在なんだということに、
ようやく小熊らは気が付き始めたようだ。「平和主義」「市民主義」
こそ正義で、これに同調しない連中は皆「保守反動・右翼」とレッテル
貼りをしている間に何時の間にか思考が硬直化し退化した「サヨク」の
敗北宣言と本書を捉えたい。

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紙の本

排除し続けることによって成り立つ哀しき〈普通人〉

2003/05/15 16:39

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:守屋淳 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 『新しい歴史教科書』『新しい公民教科書』などのベストセラーや、教科書の採択問題で注目された「新しい歴史教科書をつくる会」。本書は、その「つくる会」の神奈川支部を、慶應大学の学生が卒業論文の対象として調査、論文としてまとめたものを中心に、小熊英二氏が論考を寄せるという体裁になっている。
 本書には、非常に良い面とかなり首を傾げたくなる部分が同居している。
 まず、良い面。
 「新しい歴史教科書をつくる会」の創立から現在に至る経緯や、主義主張を細かく検討し、論評を加えている小熊氏の論考の部分はとても面白い。特に『〈民主〉と〈愛国〉』(新曜社)によって育まれた戦後思想への視座を元にした批判は、うならされる部分が多い。たとえば——

《総じて彼らは、自分にあらかじめ内在していた「健全な常識」に従ってナショナリズム運動を開始したのではなく、その逆に、現代社会において規範となるべき「健全な常識」が見いだせないがゆえの不安からナショナリズムを求めたのであろうと思われる》
《孤立感やミーイズムの蔓延とこの種のナショナリズムは対抗関係にあるものではなく、いわば同じコインの裏表だといえるだろう》

 しかし、たとえナショナリズムに活路を見出しても、そこは安住の地ではなかった——

《彼らが違和感をもつ「過激な右翼」が、次には「戦中派」や「キリストの幕屋」や「従来の保守派」が、さらには「つくる会」の中央や幹部が、〈普通でないもの〉として発見され続けるだろう。彼らの不安が解消されないかぎり、〈普通でないもの〉の発見は永遠に続く。だがこうした排除の連鎖によって、彼らの不安が解消されることは、おそらくありえないのである》

 この問題は、「つくる会」ばかりでなく、おそらく評者を含めて今を生きる多くの日本人に共有されるものなのだろう。ワイドショーや週刊誌などで頻繁に見られる〈普通でないもの〉叩きなど、この端的な例ではないだろうか。深く考えさせられる一文だ。
 一方、良くない部分。
 肝心の、「つくる会」神奈川支部への調査の部分は、残念ながら改善の余地が多い。同じ調査結果や文章の使いまわしが頻発して読むのが辛いし、「戦中派」とそうでない人たちの価値観の違い、ズレの原因として《戦争体験の有無》を挙げるのはよいが、なぜ戦争体験の有無がズレを生むのかまったく言及されていないなど、つっこみ不足も散見される。なぜもう少し手をかけられなかったのだろう、と首をひねりたくなる部分だ。
 まだまだ不況が終らない昨今、人々は、次は何に癒しを求めるのだろう……

(守屋淳/著述・翻訳業)

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2011/04/16 10:22

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2010/07/30 11:06

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2013/03/28 20:18

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2013/11/22 13:47

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2012/11/12 01:20

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2019/11/27 14:56

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