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磁力と重力の発見 1 古代・中世
  • みんなの評価 5つ星のうち 4.6 22件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2003.5
  • 出版社: みすず書房
  • サイズ:20cm/304,20p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-622-08031-1
  • 国内送料無料

紙の本

磁力と重力の発見 1 古代・中世

著者 山本 義隆 (著)

【毎日出版文化賞(第56回)】【大佛次郎賞(第30回)】【パピルス賞(第1回)】「遠隔力」の概念が、近代物理学の扉を開いた。古代ギリシャからニュートンとクーロンにいたる科...

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磁力と重力の発見 1 古代・中世

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磁力と重力の発見 3巻セット

磁力と重力の発見 3巻セット

  • 山本義隆 〔著〕
  • 税込価格:9,50488pt
  • 発送可能日:1~3日

商品説明

【毎日出版文化賞(第56回)】【大佛次郎賞(第30回)】【パピルス賞(第1回)】「遠隔力」の概念が、近代物理学の扉を開いた。古代ギリシャからニュートンとクーロンにいたる科学史空白の一千年余を解き明かす。西洋近代科学技術誕生の謎に真っ向からとりくんだ渾身の書き下ろし。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

山本 義隆

略歴
〈山本義隆〉1941年大阪生まれ。東京大学大学院博士課程中退。現在、学校法人駿台予備学校勤務。著書に「古典力学の形成」など。

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著者/著名人のレビュー

「…内心では、理科系...

ジュンク堂

「…内心では、理科系・文科系という振り分けと無縁であり、さらに言うならば専門学術書と一般向き教養書という区分をも拒否したいと思っています。…私が『磁力と重力の発見』に込めた密かな願いと狙いは、ここで白状しますが、自然科学の現役研究者や学生にとって面白いだけではなく、ルネサンスや西洋思想の研究者にも十分読むに値し、しかも専門の科学史家の批判に耐え得るものを書きたいという、はなはだおおそれたものでした。」(山本義隆「どちらかというと文科系の本なのですが」みすず書房HP)

パピルス賞・毎日出版文化賞・大佛次郎賞のトリプル受賞と「さあ、ハリー・ポッターに夢中になっている子供に、いつか本書を見せて教えてやろう」(山形浩生氏)はじめ絶賛の辞は、著者の意図の実現を立証するものだろう。

人がものを押し引きするのと違って、重力は実感しにくい。一方、古来ほとんど誰の目にも明らかな遠隔力の例は磁力。2つの力の説明を求めて、やがて万有引力の概念が近代科学の誕生をしるすまで、一千年余の時空の旅へ、いざ。

出版ダイジェスト:2005年1月
『文科系のための科学入門 地球は本当に太陽のまわりを回っているのか』

みんなのレビュー22件

みんなの評価4.6

評価内訳

  • 星 5 (12件)
  • 星 4 (3件)
  • 星 3 (3件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)

紙の本

目次

2003/06/09 19:19

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る

序文 1
第1章:磁気学の始まり——古代ギリシャ 17
 1. 磁力のはじめての「説明」 17
 2. プラトンと『ティマイオス』 30
 3. プラトンとプルタルコスによる磁力の「説明」 35
 4. アリストテレスの自然学 42
 5. テオフラストスとその後のアリストテレス主義 50
第2章:ヘレニズムの時代 58
 1. エピクロスと原子論 58
 2. ルクレティウスと原子論 63
 3. ルクレティウスによる磁力の「説明」 69
 4. ガレノスと「自然の諸機能」 75
 5. 磁力の原因をめぐる論争 81
 6. アプロディシアスのアレクサンドロス 85
第3章:ローマ帝国の時代 94
 1. アイリアノスとローマの科学 94
 2. ディオスコリデスの『薬物誌』 98
 3. プリニウスの『博物誌』 104
 4. 磁力の生物態的理解 111
 5. 自然界の「共感」と「反感」 115
 6. クラウディアヌスとアイリアノス 123
第4章:中世キリスト教世界 129
 1. アウグスティヌスと『神の国』 129
 2. 自然物に備わる「力」 135
 3. キリスト教における医学理論の不在 139
 4. マルボドゥスの『石について』 144
 5. ビンゲンのヒルデガルト 150
 6. 大アルベルトゥスの『鉱物の書』 156
第5章:中世社会の転換と磁石の指向性の発見 165
 1. 中世世界の転換 165
 2. 古代哲学の発見と翻訳 170
 3. 航海用コンパスの使用のはじまり 179
 4. 磁石の指向性の発見 186
 5. マイケル・スコットとフリードリヒ二世 190
第6章:トマス・アクィナスの磁力理解 199
 1. キリスト教社会における知の構造 199
 2. アリストテレスと自然の発見 203
 3. 聖トマス・アクィナス 208
 4. アリストテレスの因果性の図式 213
 5. トマス・アクィナスと磁力 216
 6. 磁石に対する天の影響 223
第7章:ロジャー・ベーコンと磁力の伝播 232
 1. ロジャー・ベーコンの基本的スタンス 232
 2. ベーコンにおける数学と経験 240
 3. ロバート・グロステスト 247
 4. ベーコンにおける「形象の増殖」 254
 5. 近接作用としての磁力の伝播 260
第8章:ペトロス・ペレグリヌスと『磁気書簡』 268
 1. 磁石の極性の発見 268
 2. 磁力をめぐる考察 275
 3. ペレグリヌスの方法と目的 284
 4. 『磁気書簡』登場の社会的背景 292
 5. サンタマのジャン 299
注 [1-20]

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紙の本

なぜニュートンは万有引力を発見できたか

2003/07/08 18:25

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:田口善弘 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 これまで、近代物理学の成立について幾多の名著をものしてきた山本義隆渾身の三分冊は「磁力と重力の発見」という一見奇妙な題名の書物として刊行された。なぜ、磁力と重力なのか?
 ニュートンが錬金術に耽溺していたことはよく知られているが、にも関わらず、彼は近代物理学の幕を切って落とすプリンキピアを刊行しおおせた。が、山本はこの「にも関わらず」が実は「だからこそ」であったことを見事に本書で論証して見せた。ニュートンが万有引力を提示したとき、何もない空間を力が伝わるなど非現実的だ、という批判が巻き起こったことは、また有名であるが、これを「ニュートンの先見性vs頭の堅い保守派」という文脈で見るのは実は誤っていると山本は言う。客観的に言って、思想的な立場からすれば、万有引力を批判する側のほうが、合理主義的であり、科学的な立場にたっていたのであり、むしろニュートンの方が神秘主義者であって、だからこそ万有引力を臆面もなく理論に組み入れることが出来たのだ、と言う事を山本は看破してみせる。
 そして、この神秘主義的な部分の本質には磁力、という魔術としか思えない遠隔作用力をめぐる長い思想的な歴史があり、その延長線上にいたかどうかがニュートンと他のライバル達との間を決定的に分けたのだと。それに比べれば、数学的な能力とか、微積分の発見とかは瑣末なことに過ぎないのだ。
 科学史の面白さは、今の観点からしか過去の業績を考えることが出来ない我々に代わって、当時の立場で、当時の雰囲気から科学の発展を振り返ってくれることだろう。山本は遠く古代ギリシャからその道を辿ることで、魔術の許容こそ近代物理学の成立に不可欠だったという逆説的な結論を描いて見せた。最高にエキサイティングな一冊と言えるだろう。

(田口善弘/中央大学理工学部物理学科 助教授 http://www.granular.com/tag/index-j.html)

『磁力と重力の発見2 ルネサンス』
『磁力と重力の発見3 近代の始まり』

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紙の本

「魔力」としての力の観念史

2003/07/09 12:32

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:三中信宏 - この投稿者のレビュー一覧を見る

物理学における「力」概念の歴史的発展をたどった本.とくに「遠
隔力」をめぐるさまざまな言説を通じて,【魔術】(誤解されやす
い言葉だが)が近代科学の成立に果たした役割を再評価する.序文
に書かれてあるように,「力」のような「特定の問題の解決や個別
的な概念の形成」(p.1)についての科学史的研究がこれまで乏し
かったという認識のもとに,グローバルではなくローカルな視点で
物理学の歴史を追究する.

とりわけ著者が注目するのは〈中世〉である.ギリシャ時代の再発
見を契機としてルネサンス以降の近代科学が生まれ出てくるのだが,
その間に挟まれた〈中世〉の果たした役割は無視され,「千年余は
完全に空白になって」(p.13)いた.科学と魔術が入り交じってい
たこの〈中世〉をもういちど読み直すのが,本書のもっとも意欲的
な目標である.

前半の章では,本書全体を貫くふたつの対立する自然観について論議
が進む??「物活論」vs「還元論」の対立は,言い換えるならば,
有機体的全体論に基づく遠隔作用論vs機械論的還元論に基づく
近接作用論の対立だと著者は言う(pp.59,91).しかし,中世が
はじまるとともに,近接作用論は千年の忘却を体験する.

第3章はローマ帝国時代.磁石の遠隔作用はプリニウスの博物学書
(p.117)などを通じて広く知られるようになったものの,その解
明はむしろ後退した.それに代わって「自然の共感/反感」(p.11
8)というような解釈が登場することになる.実験や観察ではなく,
文献からの孫引きのもたらした弊害は甚大だった.

第4章は中世キリスト教のもとでの自然研究のありさま.しかし,
そのような閉塞状況にあっても中世の「力」に対する関心は方々で
発現する.11〜12世紀にかけて再発見されたギリシャ時代の文化的
蓄積がイスラム圏を通じて大量にラテン語に翻訳移入されることに
より(p.178),キリスト教に対抗する経験的知識の威力が徐々に
ではあるが認識されるようになる.

関心が湧く点は,この〈中世〉にあって経験的知識あるいは経験主
義的立場がどのように維持されてきたのかということ.著者は,第
6章で,中世スコラ哲学を代表するトマス・アクィナスに注目する
(第6章).彼は異教徒と闘うには,宗教ではなくむしろ哲学(科
学的真理:scientia)を武器とすべきだと考えた(p.210).この
ラインに沿って,トマスは「異教徒」アリストテレスとキリスト教
とを融合することで〈スコラ哲学〉を成立させた(p.211).真理
と信仰とは矛盾しないというトマスの立場は,キリスト教世界の枠
内で「自然学」を可能にしたと著者は考える(p.213).

おそらくこの文脈では,中世の存在論(形而上学)についてもっと
掘り下げるべきだったのだろうと思う.しかし,著者は「本質主
義」についてちらっと言及するだけで(p.230),それ以上は議論
していない.全体を通じて言えるのは,形而上学に関わる論議には
できるだけ触れないようにしつつ,「力」の概念の成立を論じてい
ることだ.第3巻の結末で明らかになることだが,最終的には形而
上学を棚上げにしたところに近代物理学が成立したという著者の見
解のもとでは,形而上学が脇役にまわされるのはしかたがないこと
なのだろう.

続く第7章では,13世紀のロジャー・ベーコンの「経験学」
(scientia experimentalis)が取り上げられる.現実の自然界に
比べたときのスコラ哲学の貧しさを痛感したベーコンは,演繹科
だけではなく帰納科学の重要性を強調する(p.242).磁石の遠隔
作用についても,ベーコンは近接作用の立場から合理的な説明を試
みた(p.266).ベーコンと同時代のペレグリヌスによる『磁気書
簡』は,磁石の極性などの性質を指摘した最初の著作である(第8
章).彼はまさに「経験の巨匠」(p.287)だった.

(第2巻へ続く)

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紙の本

科学者が、存在しなかった頃。

2003/11/18 10:13

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ソネアキラ - この投稿者のレビュー一覧を見る

この手の本って、文献に頼っていて、面白みに欠けているものと、その真反対のものと大概は、区分できるんだけど、両方、クリアしていて、よくできている。まいりました。が、最初の感想。

科学は、哲学や魔術あるいは錬金術を母胎としているわけで、第一巻目の本作では、科学ー正しくは近代物理学かーの黎明期、古代ギリシャから中世まで。スコラ哲学のドン、トマス・アクィナスや哲学者・自然学者、ロジャー・ベーコンあたりまで紹介されている。

要するに今でいうところの科学者はいなかった時代。ぼくたちがイメージするような科学者が出てくるのは、なんと16世紀になってからだという。乱暴にいえば、哲学者や錬金術師が兼任や代行をしており、その混迷ぶりやカオス具合が、読んでいてとてもひかれた。

ともすると、科学や技術は、一本道で絶え間なく進化・発展を遂げてきたようにとらえられがちだが、さにあらず。それは光の部分のほんのさわりであって、影となっている膨大な部分にこそ、なんつーか、おいしいとこがあるのだ。現代からみれば、いかがわしかったり、とんでもなかったり、それこそ非科学的な事柄だったりするのだが、そこらあたりをかなり平易にまとめあげてられていて、作者の筆致が冴えている。空想、妄想、誤解、偏見から科学へ。

「磁石は接触なしに働くがゆえに、不思議なもの、謎めいたもの、神秘的なものとして、古来、ときに生命的なものないし霊魂的なものと見なされ、しばしば魔術的なものとさえ思念されてきた」

磁力は、なじみがある。だって見えるもの。磁石遊びをしたことのない人はまず、いないだろうし、絶えず北の方位を指し示す特性は、不可思議な力を秘めていると思うのも当然だろう。

遠隔力として磁力が幅を利かせていた時代である。万有引力が発見されるのは、まだまだ先のこと。近代物理学の幕明けをしたのは、万有引力であるが、この万有引力の出現には、人々は度肝を抜かれたよりも、ちんぷんかんぷんで、常識で理解できない新奇なものは、排斥するきらいが多分にあるから、どう重力が浸透していったのか。また万物の創造主である神との折り合いをどうつけていったのか、続巻を読むのが楽しみだ。

科学史、宗教史、哲学史などを掌中にものした本作は紛れもなく、上質の叡智の人間史であるといっても過言ではない、マジで。

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紙の本

磁力という不思議な遠隔力をめぐる壮大な物語

2004/05/15 21:57

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:king - この投稿者のレビュー一覧を見る

磁力と重力という着眼点はとても興味深いものだと思う。どちらも遠く離れたものに作用を及ぼす力であり、極と極を近づけたときのあの手応えは、子供心にとても不思議なものだった。それはたぶん私だけでなく、誰もが子供の頃に、引きつけあう極同士を少し離れさせてどれくらいの距離ならくっつくか、とか、むりやり同じ極同士を近づけてその反発する力を楽しんだことがあるはずだ。

あの、遠くからも作用する不思議な力、それが過去の哲学者、科学者たちにどのように考えられていたか、ひいては近代物理学の始まりを考える上でその力概念の果たした役割を追っていこうというのが、本書のテーマだという。
序文にはこうある。

「近代科学成立以前の磁石をめぐる魔術的な言説や実践無視しては、力概念—万有引力概念—の形成と獲得はケプラーやニュートンの天才の閃きということでしか説明がつかないことになり、ひいては近代物理学の出現も理解できなくなるであろう」

力の概念のなかでも、とりわけ磁力と重力に絞ってその発見過程を歴史的に追跡したもの、というのが本書の道筋である。

ここから見ると、近代物理学の成立、とか力概念の獲得、とか結構難しい専門書のようなものに思えるかも知れないが、それは全くの杞憂であると思う。なにより文章が平明であり、ことさらに専門用語が使われているわけではないので、専門的な知識がなければ読めなというわけではない。
それになにより、ギリシャのタレスが歴史上初めて磁石について記述したと思われるところから本文が始まるのだが、その記述がめっぽう面白いのである。
それらの過去の哲学者たちの磁石に対する考えには、当然のことながらいまから見ればデタラメや見当違いに思える。しかしそれは私たちがすでに科学的な説明によって、力の作用をあの輪のようになった線というかたちで「理解」しているからであって、まだ世界が未知でいっぱいだったころに、彼らがどのようにそれを捉え、世界観に組み込んでいったかというプロセスを辿ることが無駄であるということにはならない。というよりも、そうやって辿っていくことによって私たちが得たその理解が、なにによってもたらされたものなのかということを知ることは非常に面白い体験になると思う。
事実、この本を追っていくとその時代時代で支配的な思考のスタイルに、それぞれの哲学者たちが影響されていることとか、先人の業績を継承しつつ発展させるという「歴史」の積み重ねを見て取ることができる。
これはとても面白い。

そして何よりもこの本を読ませる力になっているのは、上記のようにテーマを「磁力」「重力」に絞ったことだろうと思う。一般に歴史書で通史を辿っていくタイプのものというのはすぐに退屈してしまって、何がどうつながっているのかわからなくなってしまう。しかし、ここで磁力、という非常に魅力的なテーマを設定し、その時代ごとの変遷を辿っていくということになれば、その時々での磁力がどう捉えられていたか、ということからその時代の特徴的な思考のスタイルが浮き彫りにされて、下手に通史を読むよりよほど理解しやすいのではないかと思う。他に科学史の類を読んでいないからその種の比較はできないのだけれど、この本が非常に面白いのは確かだ。

一巻ではとりあえずルネサンス直前までの歴史が辿られる。ここではまだ「重力」は登場しない。地動説も現れていないこの時代では、ものが落ちることというのは、世界の中心にむけてものが引き寄せられるという風に考えられていて、「天体間の重力」の発見にはまだ至らないのだ。それにはまだ世界像のより大きな転換が必要になる。

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紙の本

ニュートンの万有引力は魔術だ!?

2004/06/06 13:32

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ニュートンが最後の魔術師とか最後の錬金術師といわれても、いまさら驚きはしない。ニュートンが万有引力や光学の研究より錬金術の研究に時間を費やしていたことは、一般向けの量子力学や相対性理論の解説書にも、そのことにふれている本は最近は多い。自然科学、物理学においても一本道を直線的に進歩発展してきたわけではなく、いろいろな紆余曲折を経てきたことも、理解できている。しかし、近代科学を創設したといわれてきた科学者達が、伝統的魔術の概念にいかにとらわれていたことか。
 近接作用と遠隔作用の考え方の勢力変転の歴史的繰り返しがある。古代においては、身体の感覚と労力の延長から、近接作用説が優勢であった。古代から中世にかけては、途中に媒介するものが無く力が伝わる、遠隔作用としての磁力や重力は、魔術の概念との親和性の方が強かったのである。
本書は近代科学の成立の謎を探るという問題意識のもとに、古代以来、近代初頭にいたるまでのヨーロッパにおける力概念の発展、なかんづく磁力と重力の発見過程を歴史的に追跡したものである。とくにその過程で魔術と技術がどのような役割をはたしたのかに焦点をあてて論じる。これまでの科学史では無視されてきた、中世の科学史も取り上げる。とりわけ、 磁力の認識が力概念の発展になにをもたらしたのかを主要の問題にしている。近代力学の遠隔作用としての力の概念は、デカルトをはじめとする近代思想よりも、むしろ魔術的概念を実験と観察から厳密な定量的に捉えることから生まれたことが、多量の一次資料から論出されている。
 これまでの科学技術史では等閑視されてきたことが、明確に分析されている。驚くべき内容であった。
著者には続いて、力の近接作用と遠隔作用の考え方の勢力変転の、歴史的解明を期待したいものである。

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紙の本

神の御許で

2006/05/05 00:09

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本シリーズは、物理学史でほとんど省みられることがなかったという、中世ヨーロッパの磁力観について、数々の文献による根拠を挙げながら、当時の思想的・歴史的背景を交えて解説している。本書はその第1冊で、古代ギリシャの近接作用とみなした磁力の思想から中世ヨーロッパの実験的検証による磁力の説明までが語られている。
 改めて考えてみると、磁力はきわめて不思議な力である。静電気力は引き寄せる対象を選ばないが、磁力はそうではない。鉄などの限られたものしか引き寄せないし、磁石同士でも引き合うかと思えば、他方反撥もする。このため、古代ギリシャ人は静電気と同じ論理で説明しようとして混乱し、一方で、磁石を”魂”を持つものとして分類する見方も現れた。
 キリスト教が絶大な力を持つようになると、自然の原理を探ることは髪への冒とくだ、という思想が蔓延していく。磁石の原理についても言及されることはなくなり、きわめて呪術的な能力を持つものとして、説明されていくことになる。
 しかし、イスラム世界との接触を通じて、古代ギリシャの思想が復興を果たすことにより、神学を裏付けるための自然学からの脱却が図られ、疑われることのない思想の伝承が廃れ、自然自体への探求が始まり、また、磁力の特異性から導かれた遠隔作用という概念がケプラーの法則を導く萌芽になったという。
 物理を研究している人は、新しいことを何も生まないということで物理学史を軽視しがちであるが、思想の歴史を振り返ることで得られる発想があるかもしれないし、純粋に学問として、物理学史から導かれる歴史観・哲学観があると思う。
 ボクのつたない概略では全く偉大さが伝わらないと思うので、哲学や歴史に興味のある人や、大学で物理を学んだ人には、だまされたと思って一読していただければと思う。忙しいときには無理かもしれませんが、きっと損をしたとは思わないと思います。
 …ただ、著者の学識が高いせいだと思いますけれど、暇つぶし程度だと思って読むと足下をすくわれるかも知れませんよ?

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磁力から見えてくる豊饒

2007/09/22 17:05

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くにたち蟄居日記 - この投稿者のレビュー一覧を見る

妻が浪人時代に著者から物理学を習ったとかで 前から欲しがっていた本である。クリスマスにサンタのまねをして全三巻を買って 鏡台の上に置いておいたら 大変感謝された。やはり女性は物に弱いと改めて感じた12月25日の早朝である。妻は一ヶ月も経たずに3冊を読了したので 小生も相伴にあずかろうということで読み始めた。

 著者である山本義隆は 湯川秀樹をして「将来のノーベル賞候補」を言わせた伝説の学生運動の闘士である。大学院を退学し アカデミズムから去って 駿台の講師となったことは昭和の歴史である。その意味で小生も いささか構えて本書を読み始めた。途中から そんな経歴はすっかり忘れてしまった。

 本書が物理学者が書いているということすら信じがたいものがある。どう読んでも力強い歴史の本だ。磁力という極めてニッチな現象に絞った事で 本書が成り立ち 物理学者が書けたということは確かである。しかし そのニッチから見えて来る 思いがけないほどの豊穣には 正直 衝撃を受けた。科学と哲学と宗教が 絡まりあった時代があったことを改めて強く感じた。アカデミズムに身を置いていない 言わば在野の著者にして これが書けたのかと思う。とにかく 大変な荒業である。

 

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2004/10/15 14:46

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2005/09/11 03:49

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2009/02/10 19:48

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2008/06/23 01:07

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2009/11/21 23:01

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2009/11/15 14:51

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2014/04/13 11:40

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