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紙の本
期待値をこめて五点
2003/08/02 13:35
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:king - この投稿者のレビュー一覧を見る
志村貴子をどこでどう知ったのか、サッパリ思い出せない。が、いつのまにか新刊が出れば買う作家になっていた。それはまあ、いつものこと。「敷居の住人」などは、気がつくと一つの巻を取りだして、けらけら笑いながら読み返し、適当な頁から最後まで読むと、そのまま棚に戻したりしてしまう。
漫画そのものがこのような読みを可能にする媒体であるとは思うが、志村貴子の漫画は特にその傾向が強い。
思うに、それは彼女がまさにスタイルの人だからだ。
唐突だが確かに繋がっている巧みなコマ送り、劇的な場面でいつもぽかんとしている人物たちの表情、独特の無言の間、これら志村貴子に特徴的なものを、軽妙に繋いでいく彼女独特のスタイル。それがとても心地よく、楽しいのだ。
軽妙さ、まさにこれが彼女の最大の武器であると私は思う。
「敷居の住人」のように思春期の色ボケしはじめた「エロガキ」を描いても、そのドロドロとした「文学的」内面などには踏み入らず、きわめて鮮やかに相対化し、滑稽な笑えるものにしてしまうのである。そういえば、津田雅美の「彼氏彼女の事情」という漫画の場合は、始めは軽快なコメディだったものが、だんだんと内面だけを焦点化するようになっていって、私はその時点で読めなくなってしまった。志村貴子にはそのようになる可能性がほとんどない。
新しく始まった、この「放浪息子」はやはり学校を舞台にしているのだが、小学校高学年という、男女の関係が微妙なあわいにある時期を設定し、「女の子」こになりたい「男の子」と、「男の子」になりたい「女の子」という、対称(照)的な人物を配置して、少年少女の繊細な感情を描いていると言えるだろう。
たとえば、コンプレックス、ストレス、抑圧。しかし、彼女はその設定などから順次思い浮かんでしまう、そのような「重さ」から遠く離れて、軽妙なスタイルで描く。
彼女は決してドラマの劇的な「重さ」によりかかることはしない。そもそも、劇的な場面を意識的に回避しようとしている。感情の激動や熾烈な対立などを、直接画面に描き込むことはあまりない。それらは間接的なかたち、伝聞であったり、回想であったり、背景のみを描くなどの手法によって、不断にひねられていくのである(「敷居の住人」の見事なラスト!)。彼女の漫画がある種の気怠さと共に、いつもユーモアと笑いとに彩られているのはそのためだろう。私はほとんどそれによって彼女の漫画を読む。もちろんそれだけではなく、描かれていることがらが、「こんなことあったなあ」というなんとなくな記憶がぽろぽろこぼれて来るのも、非常に魅力的なのだが。
「敷居の住人」が日常のだるさを、独特のスタイルで延々と描いていたのにくらべ、今作ではかなり意識的に物語を導入しようとしているように見える。主人公=二鳥修一の悩みというのが、上記のように明確に設定されているからだ。物語はどのように進むのか、それとも、進まないのか。しかし「敷居の住人」のようにはならないのではないかとも思う。主人公の悩みが、そのような展開を許さないような気がするのだ。
このまま漫画が続くなら、小学生から中学生という「性」についての認識の変動激しい時間にぶつかるだろうし、そのなかで修一の「女の子」になりたいという願いは、変質せざるを得ないだろう。
修一に女装させようとすることに対して、修一以外の男子たちがそれを「気持ち悪い」といって逃げ出す場面があるが、男/女という分化がまだそれほど厳しくなっていないこの時期でもこのような反応があるならば、中学生というまさに「エロガキ」の時代には、修一や男の子になりたい女の子である「高槻さん」の志向はより強く排除されてしまうのではないだろうか。
さて、どうなるだろうか。志村貴子ならば、そのような「重さ」を軽々と踏みまたぎ、違うあり方を提示してくれるのではないかと思っているのだが……
紙の本
こんなこと思った事あるな…
2006/08/26 17:02
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ロイ - この投稿者のレビュー一覧を見る
小学校高学年という二次性徴が始まる微妙な時期の、‘男の子’になりたい女の子と‘女の子’になりたい男の子のお話。
セリフが少ないけれど、言いたいことは伝わってきて、2人のとまどいを小学生の頃の自分と重ねてみたりして、何だかちょっぴり切なくなりました。
誰もが少なくとも1度は思った事がある「もし自分が女(男)だったら…」という感情をうまく表現しているんじゃないかと思います。
私は著者のファンでもなく、偶然購入したわけですが、これを読んで他のも読んでみようかなと思いました。
紙の本
TVアニメから
2015/09/26 20:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:セボフルラン - この投稿者のレビュー一覧を見る
TVアニメから本作品を知ったものです。
アニメは中学生編からの構成となっておりましたが、1巻は二鳥君たちが小学5年生の時点から始まります。
アニメでは断片的に語られていた小学生時代がまるっと読めてとてもお得な気分でした。
紙の本
ずっと気になっていて
2019/04/13 12:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まんまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
ずっと気になっていて初めてちゃんとよみました!
こうゆう、マンガなんですね!楽しい!
千葉さんがすきです!
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小学生
2015/08/31 14:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マレ山 - この投稿者のレビュー一覧を見る
女の子になりたい男の子と、男の子になりたい女の子のお話。
難しいテーマではありますが重たくなりすぎずさらっと読めます。
文字は少な目で雰囲気が美しいです。