- カテゴリ:一般
- 発行年月:2003.6
- 出版社: 草思社
- サイズ:20cm/189p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-7942-1223-2
紙の本
タイムマシンをつくろう!
物理学者が最も現実的なタイムマシンのつくり方を考えた! 現在利用可能な技術と、その延長線上に開発が望める技術で、タイムマシンをつくる4ステップを検討。最新物理学理論を駆使...
タイムマシンをつくろう!
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商品説明
物理学者が最も現実的なタイムマシンのつくり方を考えた! 現在利用可能な技術と、その延長線上に開発が望める技術で、タイムマシンをつくる4ステップを検討。最新物理学理論を駆使したタイムマシン製作マニュアル。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ポール・デイヴィス
- 略歴
- 〈ポール・デイヴィス〉1946年生まれ。ロンドンのキングス・カレッジ卒業。理論物理学者。オーストラリアのマッコーリー大学自然哲学教授。著書に「宇宙最後の3分間」「時間について」など。
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紙の本
物理学が導くタイムトラベルの世界
2007/11/03 11:49
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Skywriter - この投稿者のレビュー一覧を見る
物理学者が真剣に考えるタイムマシンの作り方の解説である。
時間を越えての旅ということは、時空を扱うわけだから、時空を解き明かすための理論的な最強の武器が必要だ。アインシュタインの相対性理論こそがそれである。奇妙に思われるかもしれないが、相対性理論の解からはタイムマシンを実現不可能とする理由は何も出てこない、という。
ではどうすればタイムマシンを作れるのか。ここで大変な困難にぶつからざるを得ない。というのは、相対性理論が支配的な世界というのは、超高速の世界か想像も付かないほど強い重力の働くところだからだ。
実現困難な世界であるとしても、そこには紛れも無くタイムトラベルの可能性がある、というのはなかなか面白い。
だが、ここで我々はパラドックスに陥る。というのは、誰も未来から来た人を知らないからである。
いや、未来から来たと自称する人はいる。ところが、その人々が語る世界は明らかに特定の小説や映画の影響を受けたことが明らかなものだ。前世を思い出した人々がやるのと同じである。未来から来たと自称するのに未来の科学や技術を何も語れないというのは、前世を思い出した人がしばしば当時は当たり前に知られていたことを全然知らないということと符合する。つまり、どちらも相手にする価値が絶無であるということだ。
なぜ未来人に会えないのか。それについても、合理的な解決が示されている。タイムマシンにも様々な制限が付く、ということだ。
結論を冷静に評価すれば、少年の心を忘れていない人(所謂大きなお友達)が最も望むようなタイムマシンの使い方、即ちタイムマシンに乗って恐竜を見に行くというようなことは決して出来ないというところだろう。
物理学者としての考え方である、タイムマシンの可能性が完全にゼロかどうかについてはまだなんとも言えないというところだろう。アインシュタインの相対性理論の一般的な解によれば時間を遡り得るとの結論が出る。
人間が乗り込んで過去や未来を自在に行き来することは無理だとしても、情報のやり取りだけでもできるとなればまた興味も沸くのではないか。
たとえば、1000年後くらいの人々に宇宙人探査計画がどう進展しているか聞くとか、医学の情報を聞き出すことで現在は難病とされている疾病の治療法を拓くなんてことが出来たら素晴らしいではないか。この場合、未来からの知識を元に特許権を取得できるのか大変興味深くはある。なにせ、最初の発明者というのが時系列で言えば良いのかどうか争われるようになるから。ブラックなところだと、結婚しようと思う相手の評価について30年後くらいの自分に聞いてみる、なんてのも有りかもしれない。もっとも、そんなことが出来たら結婚する人なんていなくなるかも、だけど。
卑近な類の話だと未来の自分に株価を聞き出せば確実な投資が可能になる。この場合、未来からの情報を元に投資を受けたのが原因となって会社が発展した、となると自己成就する予言のようになるがタイムパラドックスにはならないだろう。
いずれにしても、理論の修正か、タイムマシンの完成か、どちらが結論になるのか、部外者として今後の展開を楽しみたいと思う。
紙の本
私が欲しいのは机の引き出しの中にあるタイムマシンなんです
2005/08/17 19:05
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
答え(?)は、本書のカバー折り返しに書いてある。
ステップ1 10兆度の超高温状態をつくる
ステップ2 超高温の塊を圧縮、さらに過熱する すると小さなワームホールができる
ステップ3 できた微小ワームホールを拡大する
ステップ4 ワームホールの出口と入り口の間に時間差をつくる
これだけで、あの(?)タイムマシンが完成するのだ。何て刺激的な言葉だろう。
しかも本文を読んでいくと、第1章は「未来への行き方」だし、第2章は「過去への行き方」だ。理論物理学だか何だかよく分からないけれど、少なくともここに書かれている通りだとするならば、「やっぱりタイムマシンはできるんだ」と思えてきてしまう。
ところが、第3章「タイムマシンの作り方」になると、とたんに不安になる。話が壮大すぎて実感が伴わなくなってしまう。確かに理屈を推し進めていくと、こうした方法でないとタイムマシンはできないのだろうなあと言うのは頭では分かるのだけれど、私たちにとってのタイムマシンはやっぱりドラえもんの机の引き出しの中にあるタイムマシンだし、他にも色々な小説や映画やマンガで見たタイムマシンしか想像できないのだ。
ということは、私たちが欲しいなあと思うようなタイムマシンはやっぱり無理なのかなあと思わせてしまう。
その答えの一部は、第4章「タイムマシンに関するQ&A」にも書かれている。やっぱりマンガのようにはいかないのだ。
しかし、理論物理学の一部を知る入門書としてはよく出来た本だと思う。学問をしている人たちにとっては当然と思えるようなことが素人には小難しいと言うことがよくあるが、この本にはそういった感じが少ない。難しいことをわかりやすく書いてあるし、何よりタイムマシンが作れるかもしれないという興味を持ちやすいところから話を進めているというところが素敵だと思う。
私はもうあきらめるけれど、これを読んで誰かあの机の中のタイムマシンを作ってくれないだろうか。
紙の本
メイキング・オブ・タイムマシン
2012/11/10 00:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Tucker - この投稿者のレビュー一覧を見る
あの時、ああしていれば・・・と思った事がない人はいないだろう。
少しだけ時間を戻したいと思う事はたびたび。
タイムマシンさえあれば、そんな悩みも解決なのだが、あいにく、そんな便利な機械はない。
だが、タイムマシンはSFの中だけの話ではない。
理論の上では時間旅行は否定されていない。
が、「否定されていない」のであって、「肯定されている」わけではない、というのがミソ。
しかも、あくまで「理論の上」
本書で提唱されている方法は、たった4つのステップからなる。
ただし、第1ステップからして「10兆度の高温状態を作る」というハードルの高さ。
太陽の表面が6000度
太陽を取り囲むコロナが200万度
ウルトラマンを倒した怪獣ゼットンが吐く火の玉は1兆度
ちなみに1兆度は、ビッグバンから0.00001秒後の宇宙の温度に等しい。
当然の事ながら、本書で提唱されているタイムマシンの作り方は現実的なものではない。
ただ、興味がかきたてられるのは事実。
普通に宇宙論を解説するのも面白いのだが、それとは違う面白さがある。
また、著者によると
「極端な状況に既存の理論を適用して、その欠陥や矛盾点を洗い出す」
という事にも役立つそうだ。
ところで、本書で紹介されたタイムマシンの作り方は、どこかで聞いた事があると思ったが、スティーヴン・バクスターの「時間的無限大」で同じ方法が使われていたのを思い出した。
おそらく、これ以外でも時間旅行が絡むSFで使われていることだろう。
さて、タイムマシンが実際に完成したとしたら?
過去に戻って、自分のしでかした失敗を防ぎたい、と思うが、よく考えてみると、その後の「良い事」までもなくなってしまうかもしれない。
やはり、過去は変えられない方がいいと思う。
紙の本
内容紹介
2003/06/27 12:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
物理学者が本気で考えています
アインシュタインからホーキングまでの現代物理学理論を駆使、もっとも現実的なタイムマシンの作り方を考える。
●タイムマシンが可能なら、なぜ未来人が現在に来ていないのか?
●タイムマシンはどういうかたちをしている?
●過去を変えることで現在も変わってしまわないのか?
●まだ存在しないはずの未来へ行けるのか?
●未来で得た知識を現在に持ち帰ることは出来るか?
●物理学者はなぜタイムトラベルを研究するのか?
……という疑問にも答えます!
[タイムマシンの作り方]
本書ではワームホールを使ったタイムマシンを検討する。その作り方とは……
1 10兆度の超高温状態を作る
2 超高温の塊を圧縮、さらに過熱する。するとワームホールができる
3 できた微小ワームホールを拡大する
4 ワームホールの出口と入口の間に時間差をつくる
これでタイムマシンが完成!
[主要目次]
タイムマシン小史
プロローグ
第1章 未来への行き方
第2章 過去への行き方
第3章 タイムマシンの作り方
第4章 タイムマシンに関するQ&A
訳者あとがき
参考文献