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雪嵐 (Hayakawa novels)
雪嵐が襲う街で、元私立探偵クルツはマフィアの内紛を利用して、恋人を殺した男への復讐を進める。一筋縄ではいかない者たちの、火花を散らす対決を描いた、「鋼」に続くハードアクシ...
雪嵐 (Hayakawa novels)
雪嵐
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商品説明
雪嵐が襲う街で、元私立探偵クルツはマフィアの内紛を利用して、恋人を殺した男への復讐を進める。一筋縄ではいかない者たちの、火花を散らす対決を描いた、「鋼」に続くハードアクションシリーズ第2作。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ダン・シモンズ
- 略歴
- 〈シモンズ〉1948年生まれ。教鞭を執りながら創作を始め、『トワイライト・ゾーン』誌のコンテストで入選した「黄泉の川が逆流する」でデビュー。「カーリーの歌」で世界幻想文学大賞受賞。
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紙の本
凍てつく舞台で踊る、凍った心の物語。
2003/08/20 16:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:PNU - この投稿者のレビュー一覧を見る
元敏腕私立探偵のクルツは、一作目で起こったよんどころない事情により、11年もの長きにわたって投獄されていたのだ。出獄した彼は、殺された恋人の真の仇が健在であることを知らされる。
マフィアの抗争、連続少女殺人鬼の変態男、クルツの首にかけられた賞金を狙うゴロツキども、クルツに私怨をいだく刑事、そして駄目男に虐待されているクルツの娘…と様々な人々の思惑が乱れ飛び、クルツは危機的状況の渦中に! どうするクルツ?
ジョー・クルツもの第二作、ということを知らなかったのでいきなりこれから読んでしまった。第一作目「鋼」の人物や状況を色濃く引きずってはいるのだが、著者の説明(これが過剰になりすぎず、自然にあらすじをわからせてくれるのだ)が上手いので、本作から読んでも楽しめた。
クルツの鬼のような冷静さ(復讐の鬼と化しているからだろうか)には少々ついていけないものを感じるが、スピード感あふれるアクションが実に素敵であり、台詞に込められたユーモアにも惹きつけられる。スーパークールなタフガイの壮絶な復讐物語だ。こりゃ面白いや、第一作「鋼」も読もうっと。
紙の本
スピード感、って云う点では、この本のカバーはピカイチかもね。ただし、話のテンポはちょっと落ちる。それが微妙な読後感。できるならジェットコースター・サスペンスであって欲しかったね
2003/09/05 20:38
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
馬鹿の一つ覚えっていわれると困るんだけれど、SFといえば、ダン・シモンズ、シモンズといえば『ハイペリオン』というのが私の口癖で、同じように桐野夏生といえばいつまでたっても『OUT』っていうのは、我ながら進歩がない。で、最近では取り合えずシモンズでは『ダーウィンの剃刀』、桐野だったら『リアルワールド』、ま、ジャンルが微妙に旧作とは違うので、言っても抵抗感は少ない。で、この本はダーウィンのシリーズでもなくて、『鋼』の続編。ちょっと軽めの冒険小説ってとこかな。
ジョー・クルツはアッティカで18年の刑期を11年務めて出てきたばかり。まだ保護観察の期間を終了していない。大雪に見舞われたニューヨーク州の街バッファローで、元私立探偵のクルツが三人の男に襲われた。男たちを簡単に撃退したクルツが聞きだしたのは、糸を引くのが、以前クルツが手助けをしたことのある男、ファリーノ・ファミリーの後継者であるリトル・スキャグと、彼に頼まれ男たちを雇った姉のアンジェリーナということだった。
飲んだくれでヘロイン中毒のホームレスのプルーノの頼みで、クルツが会ったのがジョン・W・フレアーズ、有名なヴァイオリニスト。黒人である彼が告げる20年前の殺人事件。被害者は、年齢ははっきりは書かれていないけれど、クルツが見せられた写真では13歳くらいの娘クリスタル。犯人はフレアーズと同じ大学の教職員の仲間だったジェームズ・B・ハンセン。男は逮捕を前に、自身の家族を殺し自殺をした。しかし、フレアーズは先日、バッファロー空港で死んだはずの犯人を見かけたという。
ほかに出てくるのはクルツの元恋人で、今は亡きサマンサ、その元夫のラファティ、サマンサの娘でクルツの子かもしれないレイチェル。クルツの秘書のアーリーンは、コンピュータを自在に操る女性。彼女の妹で看護婦のゲイル。クルツを尾行する刑事ブルベイカーとマイヤーズ。二人を指揮するロバート・ミルワース警部。アンジェリーナのボディガードのマルコとレオ。アンジェリーナが殺そうとしているエミリオ・ゴンザガ、ゴンザガ・ファミリーのドン。そして東洋系の殺し屋ミッキー・キー。
アンジェリーナと恋が始まりそうで、そうはならない。レイチェルとクルツの関係も、DNA鑑定をまだしていない。或いは、クルツの弱みを握ったハンセンが、それを有効に使わない、といった甘さはある。『ハイペリオン』4部作の重厚な文章とは全く異なるもので、今にでも映画になりそうな作品だけれど、作者の衰えを感じるというのではなく、これがあくまでシモンズの狙いだと思わせるところが、ヒギンズやライアルの近作と異なる所だろう。
最初にも書いたように、『鋼』の続編。個人的には、ダーウィン・マイナーというスーパーマンにちかい事故復元調査員が活躍する『ダーウィンの剃刀』のシリーズのほうが好きだ。で、このクルツものが、完全にシリーズものの様相を呈してきたのは、著者であるシモンズが、クルツの話を楽しんでいる証拠。でも、繰り返すけれど、ハリウッド映画向きの作品。震えるような感動はない。重厚な作風がお好みの方には、ヒルやランキンといったイギリス人作家の警察小説を薦めておこう。