「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
紙の本
現代政治学入門 (講談社学術文庫)
著者 バーナード・クリック (著),添谷 育志 (訳),金田 耕一 (訳)
英国で高い評価を得る最良の政治学案内政治とは何か政治学とはどんな学問か政治学とは、社会において利害と価値をめぐって起きる紛争と、その紛争を調停する方法を探る学問である。そ...
現代政治学入門 (講談社学術文庫)
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
英国で高い評価を得る最良の政治学案内
政治とは何か
政治学とはどんな学問か
政治学とは、社会において利害と価値をめぐって起きる紛争と、その紛争を調停する方法を探る学問である。それは現在の生活を改善するための、非常に有効な事柄を学ぶことにほかならない。政治は何をなしうるか。我々は政治に何をなしうるか。そして政治とは何か。現代人の基本教養・政治学の最良の入門書として英国で定評を得る1冊、待望の文庫化。
【商品解説】
目次
- 第1章 政治学を学ぶ
- 第2章 政治的活動の本性
- 第3章 政治的生活の起源
- 第4章 近代代議制の政治
- 第5章 政治思想の諸類型
- 第6章 政治制度
- 第7章 理想的な組み合わせ
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
イギリスで大好評の政治学の入門書です!
2020/04/06 10:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、イギリスで出版されたバーナード・クリック氏による「What Is Politics?」の翻訳版です。実は、この原書は、イギリスでは政治学の入門書として大好評を得た一冊でもあります。同書の中で著者は、「政治学とは、現在の生活を改善するための、非常に有効な事柄を学ぶことにほかならない」と言い切ります。そして、同書の中で、政治は何をなしうるか?我々は政治に何をなしうるか?政治とは何か?ということについて徹底的に究明していこうと試みています。内容構成も、「第1章 政治学を学ぶ」、「第2章 政治的活動の本性」、「第3章 政治的生活の起源」、「第4章 近代代議制の政治」、「第5章 政治思想の諸類型」、「第6章 政治制度」、「第7章 理想的な組み合わせ」となっており、政治学のまさに入門書と言っても過言ではありません!
紙の本
ラディカルな保守として
2007/05/04 08:52
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:半久 - この投稿者のレビュー一覧を見る
原著は1989年、日本語訳は当初は新評論から1990年に出された。2003年に文庫化され、手軽に読めるようになった。
本書の対象は、大学の初学者であろうが高校生でもたぶん読めると思う。一般に理解しやすいように言葉を選びながらも目線は下げていない。とっかかりのガイダンス本に近い感じで、政治学を学ぶ上で心得ておきたいことがカバーされている。
あちらの大学のコースのことなど、イギリス人向けに書かれている所もあるが、中心的な論考は議会制民主主義システムを持つ日本人にも無縁ではない。
藤原帰一氏の解説がいい。著者の人柄や政治的姿勢を賞賛するんだけど、ちょっと褒めすぎじゃないかと思ってしまうほど。
《政治とは、よい社会をつくるために大切な方法であり観念であって、今あるものではないものを作り出すための技術、まさに可能性の技術にほかならない。クリックには、政治権力の働きによって、今ある社会よりもよい社会をつくることが可能であるという、ほとんどかつての自由党や労働党のような、社会改良への信念がある。
保守主義と社会改良への意志をあわせ持った人は少ない。ましてクリックのように、イデオロギーへの信仰が引き起こす暴力や破壊を明晰に見る力に恵まれていながら、なお改革とか改良への信念を保つことのできる政治思想家はほとんどいないといっていいだろう。》
クリックご本人の口から語って頂くと。
《たとえば、ある意味では、ヨーロッパの政治的伝統は保守的なものであるということができる。(中略)
真の保守主義者(男であれ女であれ)は革命に反対しているというよりは、「何もかもが入り組んで哀しい世の仕組み」を変革することができるという主張に懐疑的であることのほうが多いのだ。》
《そして真の保守主義者が恐れているのは、革命家たちが新しい理想的秩序を首尾よく確立することではなく、むしろ、無秩序状態がもたらされることなのである。》
《しかし別の意味では、ヨーロッパの政治的伝統は、終始一貫してラジカルである。
古代ギリシア人は、市民的共同体のなかで共に生活することによって、人類はみずからの運命と宿命を制御することができると考えた。この意味では、ヨーロッパの政治的伝統は意識的な社会変革という考えと結びついており、(中略)固定的な事物の秩序と静態的な社会にたいする古来の信仰とは断然しているのだ。》
《わたくしたちの大多数にとっては、信仰からはなれてみれば、なぜ「現にある権力を甘受し」なければならないのか、また「汝のかたわらにはいつも貧しきひとびとがいる」ことを受け入れなければならないのはなぜなのか、その理由が分からない。だからわたくしたちは、いかにして社会を変えるか、なぜ社会を変えるのかを研究することができるのだ。それによって世界を完璧なものにすることはできないかもしれないが、一生懸命、巧みにそして忍耐強く努力すれば、世界をより良いものにする希望はもてるのである。》
ヨーロッパ的伝統に信をおきすぎている気がするし、保守とラディカルをブレンドし、うまく機能させるのは大変だろうとも思うが、よりよい社会を作っていこうという熱意は伝わる。
自由についての一節もいい。
《自由は、政府を批判する権利、批判を実行する能力、および実際に批判を実行している市民にかかっている。「消極的自由」(つまり国家からの自由)は、積極的に遂行されなければならないのだ。リンカーンの「自由の代価とは不断の監視である」という偉大な警句でさえ十分ではない。自由の代価はもっと高価なものであって、まさしくそれは市民の不断の活動なのである。》
政治とは何だろうかということを、硬直した保守でもなく、理想社会を大言壮語することにも流れることなく語り、今なお清新な風を吹き込んでいる書。