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商品説明
スローライフとはどんな生活なのか、どうしたらスローライフを実現できるのか、スローライフはいったい何を目指しているのか…。忙しい現代人のためのスローライフへの招待状。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
辻 信一
- 略歴
- 〈辻信一〉文化人類学者、環境運動家。明治学院大学国際学部教員。環境共生型ビジネスに取り組むほか、NPOやNGOにも参加する。著書に「ヒア・アンド・ゼア」など。
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紙の本
今読んだほうが、しっくり理解できる気がする。
2021/03/18 15:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
スローライフという言葉が登場してきた当時より、今読んだほうが、しっくり理解できる一冊。出版された2003年には、ピンとこなかったことが、やっと既知の言葉となったのだろう。しかし、スローライフのための100の視点=キーワードが、普通のことになったかといえば、まだ道途上。マスコミに手あかまみれにされて、新鮮さがなくなった「スローライフ」という言葉をタイトルに冠しているけど、中身は決して古くない。いまこそ、書棚から取り出して熟読すべき一冊ではないかと思う。
紙の本
「スロー」という価値観を脱領域的にマッピングする好著
2003/11/26 11:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:小林浩 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『スロー・イズ・ビューティフル』(平凡社)で話題を呼んだ文化人類学者・環境運動家による「スロー」な生活のための100の視点をエッセイ風に明かした入門書だ。本書は著者の言う「スロームーブメント」の中から生まれたものである。書斎ではなく、運動から生まれたものだ、と。オビ文には「スローでいこう! あなたはもう新しい世界の入口に立っている」とある。いやいやとんでもない、私たちはスローダウンして世界に乗り遅れることなんてできやしない、とつい思ってしまう読者は多いだろう。でも、本当はもっとゆっくりしたい、と内心は思ってもいる。暮らしの中の「ごく当たり前な「楽しさ」や「美しさ」や「安らぎ」を、お金や効率や経済成長を優先する社会に住むぼくたちは、これまで軽視したり、疎んじたり、バカにすることが多かった」と著者は指摘する。世界がいま、どんな困難に逢着しているのか、ちょっと立ち止まって考えてみよう、という考え方なら、今までにも世間にはあった。しかし本当は、「ちょっと立ち止ま」る程度ではまた再び「流れ」に呑まれ、押し流されるだけだったのだ。立ち止まるのじゃない。流れは止まってはくれないけれど、その勢いを弱めることはできる。スローと聞くと、まず日本人は「スローフード」の流行を思い浮かべるかもしれない。スローなんて、感覚的なものにすぎない、と見くびる人もいるかもしれないが、著者の言う「スロー」は違う。スローは革命だ。肩肘張らず、怒鳴り散らさず、盲目的に熱狂することもない、新しい革命。「スローライフ」から「アンプラグ」、「今、ここ」、「戦争」、「ディープ・エコロジー」、「非電化」、そして「ナマケモノ」等々、全100項目。忙しい毎日でも、少しずつ読みきれるような工夫がしてある。項目別に参考文献が掲げられているほか、「スロソファー」なる思想家たちも参照される。「スロソファー pslothopher」とは、「哲学者 philosopher」と「ナマケモノ sloth」を合成した言葉で、スローな価値観を提示してくれる人々を、著者なりのくくりでそう呼んでいる。例えば「歩く」の項目には民俗学者の宮本常一が挙げられる。なるほどね。生活、経済、政治、思想、地域、環境、農業、など、じつに様々な視点が提供されている。これは「スローの思想地図」だ。現代人必読。
連載書評コラム「小林浩の人文レジ前」2003年8月5日分より。
(小林浩/人文書コーディネーター・「本」のメルマガ編集同人)