時間旅行者のための基礎知識

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「われわれはタイムマシンを建造することが、物理的法則のもとで原理的に可能かどうかを研究している。それは世界中でもっとも聡明な人たちが演じるいちかばちかのゲームである。」
“宇宙ひも理論”で脚光をあつめている物理学者J・リチャード・ゴットによる、タイム・トラベル入門書ともいうべき本。誰もが知っているお馴染みの映画やSF小説などのたくさんのユニークな事例をもとに、あらゆる理論でその可能性を検証していく。
それにしても、タイムトラベルの有名なパラドックス「もし時間をさかのぼって、あなたのお母さんを生む前のお祖母さんを殺してしまったら、あなたも生まれておらず、したがって、あなたは時間をさかのぼることができず、お祖母さんを殺すことはできない...。」は考えれば考えるほど、アタマがくらくらする。パラレルワールド説が本当だったら、余計なことを考える必要もなく、とても嬉しいのだが...。

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よくある、物理学者によるタイムトラベル研究の解説書と思わないで下さい。わたしの貧困なる読書経験の中でも、この書は際立った要素があります。

1・p80　次元はいくつある？
空間三次元に対して時間は一次元であるのは、常識的見解ですが、時間次元がそれ以上に存在する可能性は、超ひも理論ではほとんどあり得ないことが言及されている。
「時間次元は他とははっきり異なる‐唯一マイナス記号がつくのだ」
「輪廻転生を考える」において、渡辺恒夫が仮説的に導入した「時間の第二次元」は、難しいかな？

2･「第５章 未来からふりかえる」において、「終末論法」について、解説されている。

3･まえがきより
「私はタイムトラベルに関する最近の進展を知りたいという人たちから、話を聞きたいと招かれたことがあるが、彼らがそれを知りたがるのは、悲劇的な状況下で失った愛する人を、過去にもどって助けたいと願っているからなのである。私はこの願いを真剣に受け止めている」
これが良い！！これだけでも、わたしはこの本を買って良かったって（涙）でした。
ここまでの誠実なるスタンスで研究している人間が哲学界にいるかな。
ひたすら、自分が｢生きづらい」が口癖の戦う哲学者とか・・・・・（笑

ちなみに、わたくし一読理解できませんでした。再読しなければいけませんが、その力ありませぬ。

蛇足ですが三浦俊彦氏による書評
http://members.jcom.home.ne.jp/miurat/timetrav.htm

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天体物理学の第一人者である著者が、大真面目にタイムトラベルについて語っています。

第１章では、タイムトラベルに関する映画を例として、タイムトラベルに必要なアイデアについて紹介し、第２章では、アインシュタインの相対性理論を用いて未来へのタイムトラベルについて解説します。
第３章では、著者が提唱する「宇宙ひも」を用いることで過去へのタイムトラベルが可能なことを論証し、第４章では宇宙自体と、宇宙の始まりについて論じています。
そして、最後に、未来の予測について、画期的（ある意味当たり前）な方法を紹介しています。


全般にわたって、具体例と図による説明が秀逸です。

数式が出てくるわけではないので、この分野に詳しくない方でも問題なく読むことが出来ます。


実際に目にすることが出来ない宇宙についてイメージを膨らませ、自分の想像力の限界に挑戦できる本ですね。

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☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA63134934