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陰摩羅鬼の瑕(講談社ノベルス)
  • みんなの評価 5つ星のうち 3.8 161件
  • あなたの評価 評価して"My本棚"に追加 評価ありがとうございます。×
  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2003.8
  • 出版社: 講談社
  • レーベル: 講談社ノベルス
  • サイズ:18cm/749p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-06-182293-1
新書

紙の本

陰摩羅鬼の瑕 (講談社ノベルス 百鬼夜行シリーズ)

著者 京極 夏彦 (著)

湖畔に聳える洋館「鳥の城」の主から、花嫁を守るよう依頼された探偵・榎木津は、小説家・関口と館を訪れる…。【「TRC MARC」の商品解説】

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陰摩羅鬼の瑕 (講談社ノベルス 百鬼夜行シリーズ)

税込 1,760 16pt

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著者紹介

京極 夏彦

略歴
〈京極夏彦〉昭和38年北海道生まれ。著書に「魍魎の匣」「狂骨の夢」「塗仏の宴」「百鬼夜行−陰」「百器徒然袋−雨」など。

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みんなのレビュー161件

みんなの評価3.8

評価内訳

紙の本

どうもね、本を読んでいて美しい活字の配列なんかを見ちゃうとね、それだけで感動しちゃうわけですよ。獏、博嗣、そして夏彦とね

2003/12/06 20:37

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

今までは、カバーの背に、「本格小説」と書いてあったのに、今回からはそれすらも消えてしまった。それにしても、おどろおどろしいタイトルである。『陰魔羅鬼の瑕』の中で、ネガティヴな意味を持たない文字は、ひらがなの「の」くらいしかない。しかも、遠目に見れば刺青を思わせるカバー写真と、聖書のような厚み。いやあ、流石。

「白樺湖畔に聳える洋館「鳥の城」は、主の五度目の婚礼を控えていた。過去の花嫁は何者家の手によって悉く初夜に命を奪われていたという。花嫁を守るよう依頼された探偵・榎木津礼二郎は、小説家・関口巽と館を訪れる。ただ困惑する小説家をよそに、館の住人たちの前で探偵は叫んだ。 おお、そこに人殺しがいる。」うーむ、うまい内容紹介である。

今回の特徴は、まず探偵・榎木津礼二郎が目を傷め、物を見ることができないということ。にもかかわらず、榎木津は文句をつけるだけで、殆ど活躍らしい活躍をしない。やはり、この本の主人公は、関口巽だろう。視点の移動からもそれは言えて、語り手は関口、由良伯爵、元警部補の伊庭である。

小説は、関口が目が不自由となった榎木津を、白樺湖畔の由良伯爵の屋敷に案内するところから始まる。伯爵の依頼内容は、結局曖昧で終わるのだが、過去4回、伯爵の婚礼のたびに起きた悲劇を防いでほしい、5度目の結婚の相手である花嫁を守ってほしい、というものであるらしい。ここらは、榎木津と関口との依頼の受け止め方に差があるので、読んで確認してもらおう。

ただし、過去に起きた悲劇というのは、はっきりしている。婚礼の翌朝、一瞬の隙に、花嫁が窒息死させられたというものだ。それが、殆ど同じ形で、過去に4回起きている。23年前、19年前、15年前、そして8年前。違うのは被害者、23年前の事件は昭和5年、美菜という士族の娘が死んだ。19年前、啓子という社長令嬢が殺された。15年前、春代という庄屋の娘が冷たくなっていた。そして昭和20年、8年前に美禰という親類の娘が窒息死していた。

登場人物は由良伯爵と花嫁の奥貫薫子。伯爵家に50年以上仕える執事の山形。本草学者、博物学者、儒学者、哲学者で、全てを息子に遺して亡くなった父の由良行房伯爵、その妻。祖父の由良公篤。がさつな大叔父の胤篤、無頼で再従兄弟の公滋。それにおなじみ古本屋京極堂主人で武蔵清明社の神主・中禅寺秋彦、麻布署刑事課捜査一係の木場修太郎、元東京警視庁捜査一課伊庭銀四郎、そして横溝正史。

彼らが繰り広げるのは、林羅山と儒教論であり、仏教と儒教、そして我々の葬儀や位牌などの意味論である。それを見守るのが、先の由良行房伯爵が遺した夥しい鳥の剥製と漆黒の鶴。

内容紹介はこの程度にして、気が付いた点を一つ。今までも、タイポグラフィックな試みはあったけれど、今回は特に二つ美しい箇所があるので、一つを引用しよう。

鳥の城の事件の話だけはしたように思う。
由良家の事件だけは妻と話している。
老いた妻の亡骸が脳裏に浮かぶ。
里村が縫ってくれた遺体。
そして花嫁達の屍体。
眠るかのように。
無抵抗な。
死骸。

鶴翼の陣形を思い浮かべるではないか(あってるかなあ、三国志読んだの大分前だからなあ)。惜しむらくは、これに続く文章が逆の形で、整っていないことくらい。たしか夢枕獏も森博嗣も挑んでいた気がするが、その頁を見たときの喜びはかなりのものだ。こういう遊び心は、いつまでも忘れないでほしい。

作品としては、今までになく分かりやすいこと。それを詰まらないと見るか、肯定するかで評価が決まる。後半で中禅寺が披露する仏教・儒教の人間論などは、ここまできれいに説明されると、学者は要らないなあとさえ思う。分からないということで有難がる向きには、受けないかもしれない。ちなみに、中三長女の友人たちには、評判が悪いそうである。分かってんのか、オマエラといいたくなりません?

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紙の本

半年かかりました

2004/02/17 21:38

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:hdk - この投稿者のレビュー一覧を見る

 半年ってのは大げさですが、かなりの期間、この本とともに過ごしました。なぜなら、初めて、すみからすみまで読んだからです。これまでの私の、京極堂シリーズを読む楽しみは、
1 榎木津の意味不明な言動(どんな名前の間違い方をするかとか)
2 関口の自虐ネタ
3 最後の京極堂の登場(最初の登場での描写も好き ちなみに今回は戦艦もの)
がメインで、その他の宗教的、哲学的、妖怪的?な説明の部分はかなりとばしちゃってました。
 でも今作では、なんかよくわかんないからとばしてっと…ということにはならず、しっかり読んでしまったのです。
 なぜか?
 要因としては、生と死という対極的で、かつ、誰もが一度は考えることがテーマであるということ。榎木津がなぜかハンディを背負っていること(いつ暴れてくれるんだろうという思いを抑えながら読む抑圧感!)。事件に関わる人々がシリアスな描写なんだけどどこか滑稽であること。ストーリーとしてはかなり入りやすいこと。等が挙げられるでしょうか。
 私だけじゃないと思うんですが、物語のかなり早い段階で結末が予想できてしまいました。それでも、どうやってそこまで持っていくんだよ!っていう突込みを入れながら読み進める楽しみを味わってしまいました。
 こんな感じでこれまでのシリーズをもう1回読み直そうと思っているところです。
 何年かかるんだろ…

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紙の本

苦痛から歓喜へ

2003/09/16 21:25

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ケンタッキー - この投稿者のレビュー一覧を見る

重厚、まさにその一言。途中は苦痛でさえある。この書には、氏独特の軽妙さが無い。従って、ファンであるがゆえに挫折する可能性を秘める。読む課程は厳しい登山に似る。景色を楽しむ余裕など無い。ひたすら頂上を目指す。そして、ついに絶景。ただ感動するばかり。休むこともなく来た自分を責める人は多いだろう。挫折した人も多いだろう。ゆっくりと、ゆっくりと読み直した。そうしたくなる一冊である。

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紙の本

繰り返された殺人の記録

2003/09/06 01:34

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:のらねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この作品を読んでいて思い出したのが、シリーズ第一作の「うぶめの夏」と横溝正史の「本陣殺人事件」。「姑獲鳥(事件ではなく妖怪のほうね)」について本文中で言及があるし、関口クンは横溝正史ご本人と会話を交わしてしまう。いや、作中の年代を考えると十分考えられることなんだけどさ、この世界の中に周知の実在の人物が突然登場してくるとちょっとクラクラっと来るよねぇ、うん。
「本陣」との関連はそれだけではなくて、「旧家に嫁いできた女性が結婚式当日に」というシュチュエーションからでもあるんだけど、これはもろ「本陣」を意識しているでしょう。「本陣」と大きく違ってくるのは、動機。
 この作品の場合、大方の読者が半分から三分の一くらいを読んだ時点で真相に気づくと思うのですが、「なぜこのような事件が起こり得るのか」というカラクリを論理的に説明できる人は、あまりいないのではないでしょうか? それにしても、今回は「儒教」。それも、朱子学など後世の注釈を経、巧妙に「人倫の書」に変形されたものではなく、孔子の時代にありえたでろう、「儒=死に対する儀式」つまり、「学問」ではなく「教(カルト)」としての儒教への論考を、行っている。
「鉄鼠の檻」では禅寺で薔薇の名前ごっこをやっているから今更というか「あ。今回はこっちできたか」という感慨しかないけど、林羅山の話題などをさりげなくだして前振りしているあたり、しかもそれが、「いかに原義を元の形をとどめぬように粉飾し、なおかつ、無意識下レベルで原義を一般に浸透させるか」という一種の「洗脳プログラム」について語っていることにもなるあたり、「仕掛け」としてかなり巧妙だ。
 同時に、これは犯人陥っていた錯誤を予告することにもなるのだが、その手の洗脳や思いこみを解体し奪構築してしまうのが「憑き物落とし」。
 ということで、最後は例によって「先生出番です」で京極堂が出張るわけですが、今回は話がシンプルな分、いつもより「いつものお約束感」が強いです。

酩酊亭亭主

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紙の本

よかったです。

2003/08/21 17:08

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みっほ - この投稿者のレビュー一覧を見る

相変わらずの京極先生のひろ〜い知識に脱帽。
いろいろ前作もリンクするので、そのたびに引っ張り出して再読する始末でした。(^^)
閉じられた世界を開いていく、京極堂のすがすがしさといったら!
“常識”とはなんであろう、と哲学的にもなれる一冊です。
ぜひ読んでみてください。はまりますよ。

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紙の本

良質のエンターテイメント

2003/08/18 22:46

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ひつじつき - この投稿者のレビュー一覧を見る

待ちに待った京極堂シリーズの最新作。海外に住んでいて「日本的」なものに飢えているせいか、一気に六時間で読破しました。感想をひとことでまとめれば、良質なエンターテイメント。純粋なエンターテイメントでは、後ろめたい、という方も、哲学談義もどきがあったり、民俗学談義があったり、それなりの理屈がこねられていて、安心して読めるものではないでしょうか。個人的には随所で第一作の「姑獲鳥の夏」に言及されていたのが嬉しかったです。林羅山の件、通過儀式の件はちょっと余計かなという気もしましたが、これもいわゆる「京極ワールド」の魅力でしょう。新しいキャラクターが登場し、どうも今後の活躍が望めそうなので、これで打ち切りではなさそうだと安心しています。

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紙の本

待ちに待った京極堂シリーズ!

2003/08/11 15:18

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ayafk - この投稿者のレビュー一覧を見る

今回も期待通りの厚さです(笑)
でも厚さの割りにテーマもシンプルで話の流れも解かりやすいです。
もちろんこれまでのシリーズを読んでおけば楽しさが何倍にもなりますが
厚さは全く気にせず、途中で訳わかんなくなってしまうこともなく
最後まで退屈することなく読破できること請け合いです。
是非この機会に京極ワールドにチャレンジしてみませんか?

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紙の本

京極堂シリーズ

2008/04/18 23:30

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 私、とある夏の日にふらふらっと誘われるようにコミケに行ったことがあります。
そのとき、一つのブースで女の子が暇そうに足を少しぶらぶらさせながら
一冊の辞書みたいな分厚い本を読んでいました。
そのころから、読書好きだった私は、その女の子が何を読んでいるのか
凄い気になりました。
声をかけたりする勇気はないものの不自然にならないぎりぎりで
本の装丁やタイトルをチェックした私、なにやら新書のノベルス版みたいだなぁ、、と。
 そう、それが、京極堂シリーズだったのです。

 京極堂シリーズは、ずーっと読んできたのですが、
前作の(遅れていてすいません)「塗仏の宴」(二分冊前編「宴の支度」後半「宴の始末」)
の圧倒的量とキャラを限界まで追い詰めた(特に関口巽さんが、、。廃人一歩手前に)感があったので、あの大作で一応シリーズが終わったのかと勝手に思っていました。
(榎木津を主人公にした、探偵の連作集は出ていたけど、インターバルがけっこうあったでしょ)

 が、違いました。

前置きがちょっと長くなりましたが、
今回の舞台は、長野県の白樺湖畔、鳥の館と呼ばれる伯爵家が舞台です。
この伯爵家では、今まで4度も花嫁が婚礼の直後の翌朝に殺されています。
そして、このたび五度目の婚礼が行われようとしています。
その護衛に選ばれたのが、華族にはこの人、探偵榎木津に作家の関口
 そう、いつものメンバーです。京極堂は遅れて登場。
で、、、。

 この京極堂シリーズ。
今までは、その分量と迫力に圧倒されっぱなしで詳しく
解析なんて出来なかったのですが、
 今回読んでみるに、この圧倒的分量とディテールで
超自然的なことを構築し、それがあたかも自然なことかのように
読者の前に提示して見せます。
 で、最後に、圧倒的な知力を持つ京極堂が登場し
なにもこの世に不思議なことなんて何一つないと
今までみちっと作られてきたものをそれこそ、柱からボルトや釘の一本
まで解体してみせるのです。
 これって、つまりミステリの枠組みや構造そのものなわけです。
(私は、シリーズ中盤まで、なぜこれが、講談社のノベルスに
 入っているのか、すらわからないほど、圧倒されていたので)

 今回も、勿論その枠組みは全くの同じ。
圧倒的、分量とディテールに圧倒されてください。
 まぁシリーズ復活として
(勝手に私が塗仏の宴」で終わったと思っていただけですが)
ファンは素直に喜びましょう。

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紙の本

毎度の驚き

2009/05/06 22:29

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あん - この投稿者のレビュー一覧を見る

今回も見た目の分厚さ・重みと、一見して読めない(意味不明の)タイトルにやられました。
関口さんが良い意味で活躍している回です。今までで一番冴えているのは?
おどろおどろしさは少なく、人の温かさを感じる回でもありました。
これは犯罪なのか、犯人なのか?という点が最後まで疑問。毎回疑問ではあるけれど…

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紙の本

生きているのか?

2003/09/12 00:42

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:黒い山羊 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 今作においても、摩訶不思議な世界と、素っ頓狂な人々は健在である。やや壊れ気味の関口が、花嫁を助けるために、珍しいほど奮闘するが、敢え無く五度目の花嫁殺人事件が起きてしまう。誰も、花嫁に殺意を持たず、実行できた者もいない。一見、そんな不可能犯罪に見えるのだが…。
 この作品、なんと冒頭で犯人がわかってしまう。つまりこの話は“who done it”ではなく“why done it”が延々と論じられている。これに死生観が絡んでくるため、会話ですらが弁術的であり、一歩間違えば言葉遊びになりかねないものを、孕んでいるが、生死の線引きが一つの解を提供している。私達は一体、何を指して生きていると言うのだろう。
 推理物としてだけではなく、死生観を考えるために再読してみるのも一興。なお、短編集で伊庭元刑事を見たり、前後の事件を知るというのも楽しみ方の一つです。

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紙の本

ヒントを推理しよう!

2003/09/07 09:31

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Yostos - この投稿者のレビュー一覧を見る

前作「塗り仏」がかなり大作であったのに比べ、今回はシンプルで初期の「姑獲鳥の夏」などの作品を思い起こさせる。ページ数も750頁程度でシリーズとしては薄い方だろう。なのに事件はなかなか発生しない、いや何十年に及ぶ連続殺人なので発生はしているのだが“今回の事件”が発生するのが頁でいうとおよそ8分の7程度がすぎたところ。事件を発生することは読者は冒頭で知っているが、「これで話が収まるのか?」と多少大丈夫かとどきどきする。

さて、今回はシンプルなこともあり、ロジカルに考えると、かなり最初の部分で犯人、殺人方法、人によっては動機まで検討がついてしまう。このシリーズは推理小説やトリックを暴いていく類のものととらえるとたぶん落胆するだろう。主に関口巽と以前に登場した伊庭元刑事、一部伯爵が語り部となってストーリーが進んでいく構成を取っている。この二人もかなり後半になって真相に気がついていくが、「なんでわからないの」とイライラさせられるくらいだ。

私は、このシリーズは推理小説ではないと思うので、トリックがわかってしまうこと自体は問題にしない。このシリーズの醍醐味は他の作品のほうに様々な因果が交錯しその中か読者が予想する因果を、京極堂の祓いで180度転換して新たな因果応報を見せてくれるところにあると思う。そういう意味での醍醐味も、今回あまり感じられない。この点星を一つ減らした理由だ。

しかし、今までにない新しい試みが本書ではなされている…と思う。
読者に示されるヒント、伏線はたくさんある。ヒントのようで関係ないものもある。通常はそういう伏線から結論を推理することが読者へのサービスであるはずだが、今回は結論には容易に達することができる。本書では読者は逆に、ちりばめられたヒントを結果に照らして正しい位置を推理して当てはめることを無意識に始める。これが割と楽しい。たとえば、タイトルの「陰摩羅鬼の疵」は結論に照らしてどういう意味か? 儒教、「我、未だ生を知らず、焉んぞ死を知らん…」、伊庭の妻、姑獲鳥…など意味ありげに出てくるこれらはどういうヒントなのか?
かくして、今回の因果応報の転換はストーリーではなく、こういった小説の構造、楽しみ方の部分で仕掛けられていた。
あっぱれ、京極夏彦。

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紙の本

陰摩羅鬼が見たのは、悪意のなき悲劇

2006/09/25 18:20

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:永遠のかけら - この投稿者のレビュー一覧を見る

鳥屋敷と呼ばれる館に、無数の鳥の剥製と住む伯爵。
死をも恐れず、呪われた館に嫁ごうとするする花嫁。
そして、護衛代わりに結婚式に列席する我らが榎木津と下僕の関くん。
館の図書館にある巨大な鳥・陰摩羅鬼(おんもらき)の剥製は、
呪いの正体を知っている。
京極堂シリーズでは珍しく、憑物落としを待つまでもなく、
先の展開が比較的早い段階からわかる内容だった。
とはいえ、予定調和のように悲劇が起き、
蓋を開ければなんの不思議もないという、
京極夏彦ならではの展開は健在!
ひとかけらの悪意もないからこそ、
やりきれなさが残るのだということを教えてくれる。

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紙の本

京極センセイの妖怪シリーズ、ちょっと能書きありすぎの感も。

2003/09/20 17:07

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:picchan - この投稿者のレビュー一覧を見る

わたし、京極センセイのこのシリーズの大ファンです。事件の謎解きはともかく、日本の妖怪談があれこれ解説されててすっごく面白いからです。マイナーな妖怪の変遷とか中国の原典とか博覧強記なところがたいへんよいです。登場するキャラクターも「拝み屋」「華族探偵」「鬱の小説家」などなど極端で個性的で。「探偵」など「やりよう」によっては謎解きの手間ひま一切要らないところを、わざわざ話をややこしくしているわけですが。で、本書ですが、全編薀蓄といってよいかと思います。不思議な連続殺人事件の発生とその謎解きについては、ページ数にすれば、そうですねえ、20ページくらいあればすんじゃうかも(ちなみにこの本全部で740ページあります)。あとは薀蓄です。博覧強記の世界です。今回のテーマは「儒教、仏教と日本の習俗」です。いやあ、ためになりました。なるほど、仏教の輪廻転生の思想と、葬式やお墓ってどうつながるのか、不思議だったのですがこれを読んでわかりました(あ、小説の中に書いてあることを無邪気に信じていいのかな。でも、そういった「知識」の部分は大丈夫ですよね、京極センセイ)。これだけの知識や情報を勉強して、さらに小説に織り込む(登場人物を設定して、場面を構成して、それぞれに語らせていく)って、どれほどの手間ひまがかかるかと思うと、ぞっとしますね。ただのレポート、論文だったらどれだけ楽か(それでもものすごい分量なのですが)。今回は「探偵」は「いるだけ」(というか、茶々をいれるだけ)で、際立った活躍が無いのがちょっと残念でした。お勧めできるかどうかですが、「民俗学」に興味がおありの方であれば、かなり興味深く読めるのではないかと思います。「その方面は、ちょっと」という方にはかなり退屈なページが多いと思いますので、読んだ人に筋を聞くのがよいかな。でも、それではあまりに話が単純で、「何それ? それだけの話?」になっちゃうかも。

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紙の本

ミステリーにおける饒舌の効用と瑕について考察する。

2003/09/22 17:01

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

小説にはときに本筋とは逸れた閑談が一体として作品の価値を高める役割を果たすことがある。その著者の深い経験や培われた見識から生まれた人生観・世界観を直接に語りかける「蘊蓄」にも魅力的なものがある。

京極夏彦を始めて読んだのが『鉄鼠の檻』であった。ホラー小説的要素を濃厚にしつつ、実はそうではなく、彼の妖怪談義にある人知では解明できない奇怪現象をその時代、地方の生活文化に結びつける民俗学的合理性の視点におおいに好感を持った。相当のボリュームで披露された禅宗を中心とした宗教論でも著者の博識ぶりにすなおに感心し、さらにこれが殺人事件の背景として融合されている組み立ての妙、衆生済度のための仏教が形骸化した現状に対する作者の批判的姿勢など、単なる謎解きミステリーを超えた魅力に著者の力量を感じた。肝心な謎解きとしても、謎の提起から緊張したプロセス、そして鮮やかな解決と申し分ないミステリー傑作であった。次に読んだ『姑獲鳥の夏』も二度と使えないひとを食ったトリックではあったが記憶に残る作品といえる。以降、古書店の主人京極堂とその友人たちを探偵とするこのシリーズものを新刊が出るたびに読みつづけることになったが、一般的にシリーズものの良さは二作目、三作目あたりがピークなのである。
その先入観どおりにこの最新作は退屈なだけのボリューム大作であった。

白樺湖畔の大邸宅「鳥の城」の主・伯爵は過去4度の新婚初夜に花嫁が殺害された経歴の持ち主で、今回の5度目の婚礼にあたり、京極堂の友人である二人の探偵役にその護衛を依頼する。もちろん京極堂が登場し、他に優秀な刑事までも探偵役になる。
読み進むのだが肝心の事件がいつまでたっても発生しない。本筋とは逸れた「閑談」「雑談」「蘊蓄」のたぐいが延々と叙述される。病的な奇矯の持ち主である伯爵と躁鬱性で幻覚・幻聴におびやかされる探偵役のあいだで形而上的装いを借りた認識論やら死生観やら存在論やらの抽象議論をさらに抽象化した退屈な談義と精神分析的内省プロセスである。これに輪をかけての長広舌として今回は京極堂の論語講義を聞かされるのであるが、これとても色あせたドライフラワーのように味気なく、よく読まないせいかもしれないが、意味不明であった。

抽象的な論理を組み立てる能力のピークは、20から25歳と聞いたことがあるが、若い世代にはこの手の叙述に惹かれるところがあるのでしょうか。現実への直視と経験に基づく哲理なら若い者には負けぬと居直って、老獪な古狸のオヤジといたしましては、たとえこの饒舌の中に重要な謎解きのヒントが隠されているとしても、読むに値しないと割り切ることになります。 

めくるページも残り少なくなって殺人事件が発生し瞬く間に解決しますが、たくさん登場した探偵役が全員不在であったらもっとわかりやすく事件は解決したという印象のミステリーであって、大部分をとばし読みしたのは正しい判断であったと確信したのである。これはミステリーとしても致命的な「瑕」でありましょう。

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紙の本

京極小説の瑕

2005/02/01 20:34

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:八ヶ岳ペンション亭主 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 京極氏の小説は処女作以来すべて驚嘆の連続であった。一見、事件とは関係のなさそうな哲学、宗教、ロジックの中に事件の鍵と、氏のメッセージが包含されていた。あのくどさと回りくどさが、たとえようのない魅力であった。そう、譬えが悪いが「鮒寿司」のような魅力である。
 また、読者はロジックに振り回れつつ、なかなか事件の真相と真犯人がつかめなかったと思う。
 ところが、今回の『陰摩羅鬼の瑕』は、氏の作品の中で初の駄作だと私は感じる。なぜならば、読み始めて1時間もしないうちに私は真犯人と、花嫁連続殺人の理由がいとも簡単に分かってしまったのだ。あれでは当たり前すぎる。なにも京極堂が出るまでもない。
 これまでの作品の疲れが出てしまったか? はたまたネタが尽きたのか? 同じく物を書く身として酷評は好まぬのだが、いささか拍子抜けだった。もう少し、ネタがばれないような構成にすべきだったと感じる。残念だが星一つ。

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