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商品説明
横浜に生まれ、女優となってパリに渡った女性。抑制しつつ惹かれあい、運命に翻弄される激しい恋。沸き立つ血を持つ家族の劇的な宿命。20世紀に生きた、波瀾に富んだ生涯を描く長編小説。『小説新潮』掲載に加筆し単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
岸 惠子
- 略歴
- 〈岸惠子〉横浜市生まれ。平沼高女卒業。53年「君の名は」のヒロイン役で不動の人気を得る。56年仏映画監督イブ・シャンピと結婚。女優、作家として活躍中。著書に「砂の界へ」など。
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紙の本
時間、国を超えて
2004/02/15 01:18
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投稿者:すすきのはら - この投稿者のレビュー一覧を見る
彼女の書籍に初めて出会ったのは“ベラルーシの林檎”。私(30代前半)の彼女に関する知識は、母の言った“岸惠子という、<君の名は>に出ていた美しい女優”、のみ。
以来、数年が経っていたが、ひょんな事から“30年の物語”を手にし、“砂の界へ”をも読み、彼女の、時間と場所を職人のように絡ませながら書き進む才能には読みながら唸り続けるばかり。
そんな彼女の処女小説。正直に言うと、彼女の自伝を書いて欲しかった。十分にドラマティックであろう彼女の生き様を読みたかった。やはり、でもそれでは都合の悪い事も、そういう事も経験して来たのかもしれない。小説という形でのみ可能だった過去との再会、決別もあったのかもしれない。
何度も“衣子”は、岸惠子ではないか?と思う場面はある。でも彼女はそこここの登場人物に散らばっている気もする。前述のエッセイを読んだ後だけに、小説内に出てくる彼女をすり抜ける男性達は、あのジャーナリストだろうか?あの男性だろうか?と想像してみたりもする。
でも、これはやっぱり、“岸惠子”という女性として生きて来た彼女だからこそ書けた“小説”だろうと、そういう風にも思う。