サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

新規:5周年記念!最大5倍ポイントキャンペーン(0428-0531)

【ネットストア】日経BP社全品ポイント5倍キャンペーン(~5/31)

  1. hontoトップ
  2. 本の通販ストア
  3. 小説・文学
  4. 夜更けのエントロピー

電子書籍化お知らせメール

商品が電子書籍化すると、メールでお知らせする機能です。
「メールを登録する」ボタンを押して登録完了です。
キャンセルをご希望の場合は、同じ場所から「メール登録を解除する」を押してください。

電子書籍化したら知らせてほしい

夜更けのエントロピー
  • みんなの評価 5つ星のうち 4.4 15件
  • あなたの評価 評価して"My本棚"に追加 評価ありがとうございます。×

新刊お知らせメール登録

この著者の新着情報

一覧を見る

  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2003.11
  • 出版社: 河出書房新社
  • サイズ:20cm/349p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-309-62181-3
  • 国内送料無料

紙の本

夜更けのエントロピー (奇想コレクション)

著者 ダン・シモンズ (著),嶋田 洋一 (訳)

保険調査員のオレンジファイルにつづられていた事故の事例は、愛と死と苦い笑いに満ちている。いつか彼の娘も事故に遭遇する時が…。「偶然」に翻弄された人たちの不思議な運命を描い...

もっと見る

夜更けのエントロピー (奇想コレクション)

2,052(税込)

ポイント :19pt

現在お取り扱いができません

電子書籍化お知らせメール

電子書籍化お知らせメールサンプル

電子書籍化お知らせメールヘルプ

メールを登録する

通販全品対象!ポイント最大5倍!<5周年記念>

こちらは「honto5周年記念!本の通販ストア全商品ポイント最大5倍キャンペーン」の対象商品です。
※キャンペーンの適用にはエントリーが必要です。

キャンペーン期間:2017年4月28日(金)~2017年5月31日(水)23:59

このセットに含まれる商品

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

商品説明

保険調査員のオレンジファイルにつづられていた事故の事例は、愛と死と苦い笑いに満ちている。いつか彼の娘も事故に遭遇する時が…。「偶然」に翻弄された人たちの不思議な運命を描いた傑作短編集。日本オリジナル編集。【「TRC MARC」の商品解説】

収録作品一覧

黄泉の川が逆流する 7-28
ベトナムランド優待券 29-62
ドラキュラの子供たち 63-102

著者紹介

ダン・シモンズ

略歴
〈シモンズ〉1948年生まれ。教鞭を執りながら創作を始め、『トワイライト・ゾーン・マガジン』誌のコンテストで入選した「黄泉の川が逆流する」でデビュー。「カーリーの歌」で世界幻想文学大賞受賞。その他受賞多数。

この著者・アーティストの他の商品

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

みんなのレビュー15件

みんなの評価4.4

評価内訳

  • 星 5 (7件)
  • 星 4 (5件)
  • 星 3 (1件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)

紙の本

さすが『ハイペリオン』の作者、シモンズ。この重さは生半可じゃありません、そう、読み終わってからカバーを見ると少女の目が怖くなったりして

2004/04/04 17:29

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

ミステリ、SF、ファンタジー、ホラー、現代文学のジャンルを越えて、「すこし不思議な物語」の名作を作家別に編集したという、奇想コレクションの一冊。さいきん、よくみかける装画は松尾たいこ、装丁は阿部聡(コズフィッシュ)。著者は、あの『ハイペリオン』4部作の、ダン・シモンズ。

当時、八歳だった家に母が帰ってきた。病院から帰ってきたようなものだと父は言うけれど、日ごと顔色が悪くなって「黄泉の川が逆流する」(1982)。28機のヒューイ武装ヘリに乗ってきたのは、笑顔溢れる家族連れ。彼らが大枚叩いて得ようとするのは「ベトナムランド優待券」(1987)。

ブカレストに向かったわれわれを迎えたのは、ドラキュラが彷徨う闇ではなくて、チャウシェスク政権がもたらした暗黒だった「ドラキュラの子供たち」(1991)。自動車の暴走事故はこわい。しかし、低速でいても事故はやってくる。アルペン・スライドで遊ぶキャロラインと私に「夜更けのエントロピー」(1990)。

私を狩るのは、17歳の少女。彼女が11歳の時の教師が突然、もと生徒と殺人ゲームをする羽目に「ケリー・ダールを探して」(1998)。彼女が担任するクラスの生徒たちは、ゾンビ。なんとか彼らから人間としての反応を得ようと腐心する教師だが「最後のクラス写真」(1992)。主人公がバンコクに舞い戻ったのは、以前自分が出会ったマーラを忘れられないから。映像化不可能な「バンコクに死す」(1993)。

どの作品も、予想以上に複雑な構造と重い内容で(死が常に中心にある)、しかもエンタテイメントというよりは現代小説の趣がつよく、まさに叢書の趣旨に沿う作品群だと思うけれど、中でも堪らなく好きだったのが「ケリー・ダールを探して」。殺人ゲームを焦点にして、大人と少女の想いが意外な展開をして、その官能的な描写も、その時空的な広がりと青春の煌き見たいなものがいい。

それは私だけの思いかと思っていたら、訳者の嶋田洋一もあとがきで同様のことを書いていた。どれも、恐ろしいくらい完成度が高いなあと思っていたら、「黄泉」は、コンテストの第一席、「ドラキュラ」は、ローカス賞、「夜明け」もローカス賞、「最後」は世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞、星雲賞、「バンコク」も、ブラム・ストーカー賞と世評の高いものばかりである。

いやあ、それにしても死者が重要な意味を持っていて、それはホラーにとっては常道ではあるけれど、垣間見える深淵の底の見えなさの度合いが違うのである。まさに『ハイペリオン』4部作のシモンズ、面目躍如といったところだろう。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

みんなエントロピーのせいね(としてみる)

2004/01/24 11:58

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る

 エントロピーが今ももりもり増大しつづけて宇宙がまっしぐらに熱死に向かっている中、生命というのはそれに抵抗して秩序を維持し続けようとしている存在なんだそうだね。
 じゃあ死者はどうなのか。土に埋められて分解されていく死体は、新たな生命の活動に役立ってるのかもしれないけど、その輪廻はマクロには忌むべき道なのだろうか。あるいは、動き続ける死体とか、人の血を吸って微かな新陳代謝を維持しているアレとか、生きながらに死んでいる者とか。
 アル中になったり、ベトナムの戦場にまた帰って行こうとしている人達は、きっと自分の中のエントロピーを抑えきれなくなってしまったんだよ。
 90年代に「ハイペリオン」で日本でも熱狂的評価を獲得した作者の初期短編集。「殺戮のチェスゲーム」他たくさんの長編も人気を得ているが、この同時期にそっと出ていた短編集「愛死」はあまり知られていない。が! 「愛死」所収2作を含むこの短編集も、シモンズの陰鬱な面が凝縮されていて、実はもっとも「らしさ」が味わえるのではないだろうか。グローバリズムの進行する世界の中で、親子、夫婦、教師と生徒、様々な人間関係が少しずつ生まれ、そして壊れていく、いや逆だ、まず壊れ、それから命を得る、その非可逆的過程を描くところが真骨頂。泣けるって、ほんと。
 ま、エントロピーと言えばトマス・ピンチョンなのだが(乱暴)、ピンチョンがあらゆる日々に泡のように吹き出してくるのを描くとすれば、シモンズではハイウェイで、ベトナムで、HIV検査などの場で極大に姿を現す。そして人間と吸血鬼という二項対立も、それ以上に乾燥した者や崩れさる肉体が入り交じる混沌と化す。
 「最後のクラス写真」、名作「バンコクに死す」(ぐぎゃー)の2作のブラム・ストーカー賞受賞作を擁する本書、最強。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

ダン・シモンズのすごさ、改めて堪能。

2016/08/20 07:30

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る

かつて、キング・マキャモン・シモンズがホラー三大巨頭と言われた時代(そういう時代があったのです。 マキャモンの代わりにクーンツが入ることもあり)、私はいまいちシモンズがピンとこなかった。
期待した『サマー・オブ・ナイト』に今ひとつ入り込めなかったからか、『ハイペリオン』はハードSFのイメージが強すぎたのか・・・いまいち縁がないまま今まで来てしまいました。

今回、<奇想コレクション>の一冊として手に取りました久し振りのダン・シモンズ。 しかも初めての短編集に取り組んでみて・・・かつてシモンズが苦手な理由がわかった気がした。
文体が静かすぎるのだ。
だからこそ恐怖は倍増するわけですが、かつての私はそれを物足りなく感じていたのだなぁ・・・としみじみ。 『サマー・オブ・ナイト』、もう一度読んでみようかなぁ、という気になりました。 他の作品も。 今更ながらダン・シモンズの真価を知る、そんな貴重なチャンスをありがとう。(2010年4月読了)

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

喪失の物語

2004/03/22 13:55

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぼこにゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ネコは死期が近づくと姿を消すというけれど、それは必ずそうだということではなくて、確かにある日を境にいなくなってしまうネコもいるが見取らせてくれたネコもあり、その辺はネコの性格によるのではないかと思う。いずれにしてもネコを失うというのは相当な痛手で、残された人間はネコと過ごした日々のことを懐かしく楽しく思い出す一方で、もっと大切にしてやればよかったとか、あの時あんなに叱るんじゃなかったとか、姿を消したネコに関しては今もどこかで生きているんじゃないかとか、おなかを空かせているんじゃないだろうかとか、いじめられたりしていないだろうかとか、実際愚にもつかないような循環性の思考の虜となってしまうものだ。
 なにものかを愛し慈しむというのは自分の体を養分に樹木を育てるようなもので、その成長を幸せな気持ちで見守りつつも疲弊して消耗して行くのがその定めとするところなのかも知れない。愛するものを失うというのはつまり、そうして育てている最中の樹木を無理矢理引っこ抜かれて血を流し、抜かれた跡の穴のむなしさに涙するということなのだ。
 家族を亡くした男の物語として、『夜更けのエントロピー』と『黄泉の川が逆流する』の二作が特に心に残るのだが、両者から受ける印象はまったく異なっていて、『夜更け』の方が比較的健全な再生のきざしを暗示しているとすれば、『黄泉』はかなり不適応な蛮行とも見えて、そこがまた運命の前でひとしなみに非力で愚かな人間の性(さが)のネガフィルムを見るようで、しみじみと哀しい。特に最後の、主人公の男性が意気揚揚と車で帰宅する場面は、そのまま引き返すことのできない道をゆく亡者の姿のようで、哀しいやら恐いやらブキミやら、いやはやたまらないのである。つまるところ愛するというのは自分を失うことだろうか。
 社会性という点ではどう考えても『夜更け』の方が好ましい方向性を持ってはいるのだけれど、私としてはその愚かしさの度合いにおいて圧倒的な『黄泉』の方が好きで、それはやはりいい年をして未だに喪失に対する恐怖を克服できずにいるせいでもあるし、恥ずかしいことにはたぶんそういう青臭さを自分で気に入っているためでもあるのだろう。ああ、嫌だ嫌だ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

内容紹介

2003/11/03 23:16

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る

【内容紹介】
 奇想コレクション第1回配本は、『ハイペリオン』でその人気を不動にした、つねに最高の作品を生み出す作家ダン・シモンズ!ローカス賞受賞の表題作「夜更けのエントロピー」ほか、教え子を殺すために異世界を旅する元教師の孤独な追跡劇「ケリー・ダールを探して」、デビュー作「黄泉の川が逆流する」、世界幻想文学大賞受賞の傑作「最後のクラス写真」、ローカス賞受賞作「ドラキュラの子供たち」、ブラム・ストーカー賞受賞作「バンコクに死す」、そして本邦初紹介の「ベトナムランド優待券」の全7編を収録。
【著者略歴】
 ダン・シモンズ(Dan Simmons)1948年、米国イリノイ州生まれ。『カーリーの歌』で世界幻想文学大賞を、『殺戮のチェスゲーム』でブラム・ストーカー賞を、『ハイペリオン』四部作でヒューゴー賞、英国SF協会賞、ローカス賞、星雲賞を、それぞれ受賞。著書多数。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2004/11/28 12:10

投稿元:ブクログ

収録作品は
・『黄泉の川が逆流する』
・『ベトナムランド優待券』
・『ドラキュラの子供たち』
・『夜更けのエントロピー』
・『ケリー・ダールを探して』
・『最後のクラス写真』
・『バンコクに死す』

初訳は『ベトナムランド優待券』
近未来、ベトナム戦争をアトラクション化し、そこで観光客が当時の作戦などを追体験するのだ。
かつて参戦したアメリカ人の老人が、あるベトナム人の男と出会い……
参戦した者は心に今も傷を負い、
戦争を知らない世代は今も金で好き放題やってる。
裏アトラクションのゲリラ掃討作戦とか、実は本当にありそうな感じ。
ああいうトラウマがあるのに、アメリカは戦争大好きだからなぁ。

気に入ったのは
『最後のクラス写真』
大異変が起こり、世界中がゾンビで溢れた荒廃した世界。
そこで、教育の望みを捨てず、子供のゾンビたち集めて授業を続ける老教師。
いつかはそれが実を結ぶ日が来ると信じているが……
何が起こったのかもわからないし、未来があるのかもわからない。
ただ、迫力があり、ラストは感動的。

『バンコクに死す』
バンコクを訪れた主人公。
彼はラーマという女を捜していたが、訊くもの全てが怯えて話そうとしない。
彼は、20年前、ベトナム戦争中、一度バンコクを訪れていた。
そのとき、親友に、怪しげなショーに連れられていった。
そこにはラーマと呼ばれる人とは思えぬ女が究極の快楽を与えてくれる場所だった。
親友は、大金を払ってその相手になったのだが、彼は死体になって見つかる。
主人公はその復讐のためにラーマを探していたのだ。
その復讐の方法とは?
後味悪いし、男としては生理的にイヤ〜ンな話。

『ケリー・ダールを探して』や、ここには収録されていないけど、好きな作品の『ケンタウロスの死』も
教師と生徒の関係の物語なんだけど、なんでだろ、と思ったら、ダン・シモンズって教師やってたのね。

ダン・シモンズの作品は、「SFマガジン」に載ってれば、SFと思って読むんだけど、
それ以外だと、なんだろね、メインストリームじゃないけど、かといってSFって感じでもないんだよね。
奇妙な話って感じかな。

2007/05/06 05:35

投稿元:ブクログ

SFといっていいのかわからないけれど。小説がうますぎるダン・シモンズが(簡単に)堪能できる一冊。なけたり、ほろりときたり、怖くなったり、倒れたりできます。ラストの1つ、今まで読んだ本の中で一番気持ち悪い(褒めてる)。すごい。

2011/08/09 13:44

投稿元:ブクログ

ゾンビも出てくれば吸血鬼も出てくるし、ベトナム戦争まで出てくる。書き出しで何の話なんだかさっぱりわからないまま妙な世界に連れ込まれる感じ。「ハイペリオン」シリーズの緻密さはないけれど、守備範囲の広さに驚いた。

2007/05/22 09:32

投稿元:ブクログ

ローカス賞受賞の表題作をはじめ、死んだ母がぼくの家に帰ってきた…デビュー作「黄泉の川が逆流する」、かつての教え子ケリーを殺すため異世界を旅する元教師の孤独な追跡劇「ケリー・ダールを探して」、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞受賞の傑作「最後のクラス写真」、本邦初紹介の「ベトナムランド優待券」ほか、全7篇を収録。

2008/01/22 17:27

投稿元:ブクログ

ガッツリ引き込まれました。好みです!嶋田洋一訳とあって、ややテンション上がり気味で心地よく読めました。私的には「黄泉の川が〜」が一番グッときました。サイモン兄がかっこいい。「ケリー・ダール〜」では「私を見つけたのね」という台詞にキュンとときめき、「最後の〜」はテーマとしてはありふれてるかもしれませんが、書き手によってこんなにスケールが大きくなるのか、と圧倒されると同時に思わず笑ってしまいました。

2010/04/15 22:17

投稿元:ブクログ

再読。

人生に絶望した男の再生譚として読める、表題作「夜更けのエントロピー」と「ケリー・ダールを探して」が好き。
特に「ケリー・ダール・・」は、教師だったシモンズが、教師時代に救えなかった子どもたちの顔を思い浮かべながら書いたのだろうか、などと勝手な想像をして読むと、切なさも一入。

同じく教師を主人公とした「最後のクラス写真」。
教室内の秩序を保つことに腐心し、教室の支配者として君臨する教師にとって(最初はそういう教師に思える)、生徒が生きていようがゾンビであろうが、何の変わりもないんじゃない・・・と、意地悪く考えたりもしたけれど、
己の教師としての使命に一点の揺るぎもないギース先生の、その不撓不屈の精神には感服。
そんな彼女の心が折れそうになった時に起こった出来事は感動的ではあるのだけれど、これってまさかゴールディングの『ピンチャー・マーティン』
風のオチってことはないよね、という疑問がちらりとかすめたりする。

「バンコクに死す」は、まさにうぇぇなグロテスクな話なのだが、最後の一節でやるせない愛の話となっていく。

本書で一番グロテスクなのは、「ベトナムランド優待券」でベトナム戦争のアトラクションに興じるアメリカ人観光客の姿かも。

Entropy's Bed at Midnight by Dan Simmons

2012/10/16 01:29

投稿元:ブクログ

収録
「黄泉の川が逆流する」
「ベトナムランド優待券」
「ドラキュラの子供たち」
「夜更けのエントロピー」
「ケリー・ダールを探して」
「最後のクラス写真」
「バンコクに死す」

全体的に暗いトーンが漂う短編集。ベトナム戦争、エイズ、子ども、教師、屍者など、同じモチーフが形を変え何度も用いられている。

「ドラキュラの子供たち」まで読んだ時点では、社会性が強い物語をブラックジョークのような設定で描いていて面白いとは思ったもののそこまでではなかった。
しかし、
「夜更けのエントロピー」以後は最高だった。どれも読み終わって溜息が出る。

「夜更けのエントロピー」
自動車保険会社員である父親が別居中の妻のもとにいる娘と久し振りに会ってアルペン・スライドで橇を滑る現代パート、過去の回想、様々な保険関係の自動車事故を「オレンジファイル」から選んで語る話。
全体としてこの三つの軸が次々と入れ替わりながら語られる。
積極的に語り手がどう感じているかは語らず、なんとなくジョークじみた調子で物語は進む(オレンジファイルから選ばれる話は当事者にとっては悲惨であっても、笑い話にしか読めない)

しかし、現代パートである娘との橇に乗っている場面が、物語の進行とともに見え方が変わっていく。これが本当に鮮やか。
「事故は死と似ている」
いくら注意したって突然事故は起きてしまうように、死も突然起こってしまう。序盤では父親は、やたら神経質に娘の安全を気にする人間に見える。けれども娘を持つこの父親は人並み外れてその事実に触れて来ていて、そうしたものに対する不安や恐れを抱きながらどうすればいいのかと迷い続けている。
こうした父親の思いと娘を見る視線が、橇で前を行く娘との移り変わる距離感とリンクしてて絶妙。
そして重力(グラヴィティ)とエントロピーの解釈を交えつつ、父親は自身のスタンスを求めて、最後には……
ラスト間近に父親が思う、「とはいえ、」以降の言葉がそれまでの伏線と展開がたっぷり効いてきて感動。

「ケリー・ダールを探して」
元・教師と元・教え子が誰もいない世界で狩り合う。
装備品や描写が妙にリアルでありながらも、非現実観ある対話や雰囲気が気にいった。
言葉にできないこうした関係性を描けるのはいい。

「最後のクラス写真」
ゾンビ小説として素晴らしい。
冷静沈着に歯と爪を除去した子どもゾンビ相手に毎日規則正しく授業をし、時には迫りくるゾンビにレミントンをぶっ放すギース先生(60歳越え、88.5キロ)。
ジョジョに出てきてもおかしくないレベルの精神力と意志力。
消極的にではなく、積極的にあるはずのない日常を作ろうとする。

「バンコクに死す」
医学知識を大量動員&人間のとある営みを絡めて、古今東西で描かれたあるモノを描いている。とても面白い。
これもインパクトが強烈過ぎて忘れ難い一編。
なんとなく読みながら竹本健治「白の果ての扉」を思い出した。
ひとつの感覚の行き過ぎた先を描いてる作���として。

2013/03/05 14:18

投稿元:ブクログ

「夜更けのエントロピー」……エントロピーとは失敗する可能性のあるものが実際に失敗する確率、つまり保険業としてはエントロピーが高くなってはだめなんだろう。多くの失敗を目にし、経験し、限りなくエントロピーが高くなっても、可能性を信じよう。「ケリー・ダールを探して」……なんて美しい話なんだろ。そして自分探しとしても極上。「ドラキュラの子供たち」ではリアルな社会問題とファンタジーの奇妙な合成がスレスレの所でとても良い。

2016/02/23 23:13

投稿元:ブクログ

タイトルだけで選んだ本。読んでいていやな気分になる本かな。特に初めの2編が重かった。ちょっと失敗したかもと思った。設定や文章のトーンなども相まって、万人向けではなさそう。
途中から読みやすくなった。作者の文体やトーンに慣れたのかも。ちょっとグロい世界を覗いてみたい人には良いかもです。

2013/12/31 22:28

投稿元:ブクログ

パッと見爽やかそうに見える表紙絵とは打って違い、ホラーものの短編が多いです。
珠玉の短編が揃っていますが、最後に収録されている「バンコクに死す」の強烈さだけで自分は本書の評価を星五つにしました。
限りなく負の方向に突き抜けている作品なので、他人には薦められるようなものではありませんが。

英米 ランキング

英米のランキングをご紹介します一覧を見る

前へ戻る

次に進む