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夜更けのエントロピー
  • みんなの評価 5つ星のうち 4.4 15件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2003.11
  • 出版社: 河出書房新社
  • サイズ:20cm/349p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-309-62181-3
  • 国内送料無料

紙の本

夜更けのエントロピー (奇想コレクション)

著者 ダン・シモンズ (著),嶋田 洋一 (訳)

保険調査員のオレンジファイルにつづられていた事故の事例は、愛と死と苦い笑いに満ちている。いつか彼の娘も事故に遭遇する時が…。「偶然」に翻弄された人たちの不思議な運命を描い...

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夜更けのエントロピー (奇想コレクション)

2,052(税込)

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商品説明

保険調査員のオレンジファイルにつづられていた事故の事例は、愛と死と苦い笑いに満ちている。いつか彼の娘も事故に遭遇する時が…。「偶然」に翻弄された人たちの不思議な運命を描いた傑作短編集。日本オリジナル編集。【「TRC MARC」の商品解説】

収録作品一覧

黄泉の川が逆流する 7-28
ベトナムランド優待券 29-62
ドラキュラの子供たち 63-102

著者紹介

ダン・シモンズ

略歴
〈シモンズ〉1948年生まれ。教鞭を執りながら創作を始め、『トワイライト・ゾーン・マガジン』誌のコンテストで入選した「黄泉の川が逆流する」でデビュー。「カーリーの歌」で世界幻想文学大賞受賞。その他受賞多数。

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みんなのレビュー15件

みんなの評価4.4

評価内訳

  • 星 5 (7件)
  • 星 4 (5件)
  • 星 3 (1件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)

紙の本

ダン・シモンズのすごさ、改めて堪能。

2016/08/20 07:30

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る

かつて、キング・マキャモン・シモンズがホラー三大巨頭と言われた時代(そういう時代があったのです。 マキャモンの代わりにクーンツが入ることもあり)、私はいまいちシモンズがピンとこなかった。
期待した『サマー・オブ・ナイト』に今ひとつ入り込めなかったからか、『ハイペリオン』はハードSFのイメージが強すぎたのか・・・いまいち縁がないまま今まで来てしまいました。

今回、<奇想コレクション>の一冊として手に取りました久し振りのダン・シモンズ。 しかも初めての短編集に取り組んでみて・・・かつてシモンズが苦手な理由がわかった気がした。
文体が静かすぎるのだ。
だからこそ恐怖は倍増するわけですが、かつての私はそれを物足りなく感じていたのだなぁ・・・としみじみ。 『サマー・オブ・ナイト』、もう一度読んでみようかなぁ、という気になりました。 他の作品も。 今更ながらダン・シモンズの真価を知る、そんな貴重なチャンスをありがとう。(2010年4月読了)

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紙の本

内容紹介

2003/11/03 23:16

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る

【内容紹介】
 奇想コレクション第1回配本は、『ハイペリオン』でその人気を不動にした、つねに最高の作品を生み出す作家ダン・シモンズ!ローカス賞受賞の表題作「夜更けのエントロピー」ほか、教え子を殺すために異世界を旅する元教師の孤独な追跡劇「ケリー・ダールを探して」、デビュー作「黄泉の川が逆流する」、世界幻想文学大賞受賞の傑作「最後のクラス写真」、ローカス賞受賞作「ドラキュラの子供たち」、ブラム・ストーカー賞受賞作「バンコクに死す」、そして本邦初紹介の「ベトナムランド優待券」の全7編を収録。
【著者略歴】
 ダン・シモンズ(Dan Simmons)1948年、米国イリノイ州生まれ。『カーリーの歌』で世界幻想文学大賞を、『殺戮のチェスゲーム』でブラム・ストーカー賞を、『ハイペリオン』四部作でヒューゴー賞、英国SF協会賞、ローカス賞、星雲賞を、それぞれ受賞。著書多数。

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紙の本

みんなエントロピーのせいね(としてみる)

2004/01/24 11:58

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る

 エントロピーが今ももりもり増大しつづけて宇宙がまっしぐらに熱死に向かっている中、生命というのはそれに抵抗して秩序を維持し続けようとしている存在なんだそうだね。
 じゃあ死者はどうなのか。土に埋められて分解されていく死体は、新たな生命の活動に役立ってるのかもしれないけど、その輪廻はマクロには忌むべき道なのだろうか。あるいは、動き続ける死体とか、人の血を吸って微かな新陳代謝を維持しているアレとか、生きながらに死んでいる者とか。
 アル中になったり、ベトナムの戦場にまた帰って行こうとしている人達は、きっと自分の中のエントロピーを抑えきれなくなってしまったんだよ。
 90年代に「ハイペリオン」で日本でも熱狂的評価を獲得した作者の初期短編集。「殺戮のチェスゲーム」他たくさんの長編も人気を得ているが、この同時期にそっと出ていた短編集「愛死」はあまり知られていない。が! 「愛死」所収2作を含むこの短編集も、シモンズの陰鬱な面が凝縮されていて、実はもっとも「らしさ」が味わえるのではないだろうか。グローバリズムの進行する世界の中で、親子、夫婦、教師と生徒、様々な人間関係が少しずつ生まれ、そして壊れていく、いや逆だ、まず壊れ、それから命を得る、その非可逆的過程を描くところが真骨頂。泣けるって、ほんと。
 ま、エントロピーと言えばトマス・ピンチョンなのだが(乱暴)、ピンチョンがあらゆる日々に泡のように吹き出してくるのを描くとすれば、シモンズではハイウェイで、ベトナムで、HIV検査などの場で極大に姿を現す。そして人間と吸血鬼という二項対立も、それ以上に乾燥した者や崩れさる肉体が入り交じる混沌と化す。
 「最後のクラス写真」、名作「バンコクに死す」(ぐぎゃー)の2作のブラム・ストーカー賞受賞作を擁する本書、最強。

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紙の本

喪失の物語

2004/03/22 13:55

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぼこにゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ネコは死期が近づくと姿を消すというけれど、それは必ずそうだということではなくて、確かにある日を境にいなくなってしまうネコもいるが見取らせてくれたネコもあり、その辺はネコの性格によるのではないかと思う。いずれにしてもネコを失うというのは相当な痛手で、残された人間はネコと過ごした日々のことを懐かしく楽しく思い出す一方で、もっと大切にしてやればよかったとか、あの時あんなに叱るんじゃなかったとか、姿を消したネコに関しては今もどこかで生きているんじゃないかとか、おなかを空かせているんじゃないだろうかとか、いじめられたりしていないだろうかとか、実際愚にもつかないような循環性の思考の虜となってしまうものだ。
 なにものかを愛し慈しむというのは自分の体を養分に樹木を育てるようなもので、その成長を幸せな気持ちで見守りつつも疲弊して消耗して行くのがその定めとするところなのかも知れない。愛するものを失うというのはつまり、そうして育てている最中の樹木を無理矢理引っこ抜かれて血を流し、抜かれた跡の穴のむなしさに涙するということなのだ。
 家族を亡くした男の物語として、『夜更けのエントロピー』と『黄泉の川が逆流する』の二作が特に心に残るのだが、両者から受ける印象はまったく異なっていて、『夜更け』の方が比較的健全な再生のきざしを暗示しているとすれば、『黄泉』はかなり不適応な蛮行とも見えて、そこがまた運命の前でひとしなみに非力で愚かな人間の性(さが)のネガフィルムを見るようで、しみじみと哀しい。特に最後の、主人公の男性が意気揚揚と車で帰宅する場面は、そのまま引き返すことのできない道をゆく亡者の姿のようで、哀しいやら恐いやらブキミやら、いやはやたまらないのである。つまるところ愛するというのは自分を失うことだろうか。
 社会性という点ではどう考えても『夜更け』の方が好ましい方向性を持ってはいるのだけれど、私としてはその愚かしさの度合いにおいて圧倒的な『黄泉』の方が好きで、それはやはりいい年をして未だに喪失に対する恐怖を克服できずにいるせいでもあるし、恥ずかしいことにはたぶんそういう青臭さを自分で気に入っているためでもあるのだろう。ああ、嫌だ嫌だ。

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紙の本

さすが『ハイペリオン』の作者、シモンズ。この重さは生半可じゃありません、そう、読み終わってからカバーを見ると少女の目が怖くなったりして

2004/04/04 17:29

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

ミステリ、SF、ファンタジー、ホラー、現代文学のジャンルを越えて、「すこし不思議な物語」の名作を作家別に編集したという、奇想コレクションの一冊。さいきん、よくみかける装画は松尾たいこ、装丁は阿部聡(コズフィッシュ)。著者は、あの『ハイペリオン』4部作の、ダン・シモンズ。

当時、八歳だった家に母が帰ってきた。病院から帰ってきたようなものだと父は言うけれど、日ごと顔色が悪くなって「黄泉の川が逆流する」(1982)。28機のヒューイ武装ヘリに乗ってきたのは、笑顔溢れる家族連れ。彼らが大枚叩いて得ようとするのは「ベトナムランド優待券」(1987)。

ブカレストに向かったわれわれを迎えたのは、ドラキュラが彷徨う闇ではなくて、チャウシェスク政権がもたらした暗黒だった「ドラキュラの子供たち」(1991)。自動車の暴走事故はこわい。しかし、低速でいても事故はやってくる。アルペン・スライドで遊ぶキャロラインと私に「夜更けのエントロピー」(1990)。

私を狩るのは、17歳の少女。彼女が11歳の時の教師が突然、もと生徒と殺人ゲームをする羽目に「ケリー・ダールを探して」(1998)。彼女が担任するクラスの生徒たちは、ゾンビ。なんとか彼らから人間としての反応を得ようと腐心する教師だが「最後のクラス写真」(1992)。主人公がバンコクに舞い戻ったのは、以前自分が出会ったマーラを忘れられないから。映像化不可能な「バンコクに死す」(1993)。

どの作品も、予想以上に複雑な構造と重い内容で(死が常に中心にある)、しかもエンタテイメントというよりは現代小説の趣がつよく、まさに叢書の趣旨に沿う作品群だと思うけれど、中でも堪らなく好きだったのが「ケリー・ダールを探して」。殺人ゲームを焦点にして、大人と少女の想いが意外な展開をして、その官能的な描写も、その時空的な広がりと青春の煌き見たいなものがいい。

それは私だけの思いかと思っていたら、訳者の嶋田洋一もあとがきで同様のことを書いていた。どれも、恐ろしいくらい完成度が高いなあと思っていたら、「黄泉」は、コンテストの第一席、「ドラキュラ」は、ローカス賞、「夜明け」もローカス賞、「最後」は世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞、星雲賞、「バンコク」も、ブラム・ストーカー賞と世評の高いものばかりである。

いやあ、それにしても死者が重要な意味を持っていて、それはホラーにとっては常道ではあるけれど、垣間見える深淵の底の見えなさの度合いが違うのである。まさに『ハイペリオン』4部作のシモンズ、面目躍如といったところだろう。

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2004/11/28 12:10

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2007/05/06 05:35

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2011/08/09 13:44

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