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火曜クラブ (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫)
火曜クラブ
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紙の本
ミス・マープルは本当にイギリスにいるのですたぶん
2003/11/09 15:40
11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:星落秋風五丈原 - この投稿者のレビュー一覧を見る
英国湖水地方のウィンダミアにいく途中の駅で、ローカル列車を待っていた。
ちょうど昼過ぎだったので、何か食べようと思い、駅の売店で
キドニーパイを買った。ところが中年の店員は、
平べったい皿に入ったパイだけよこして、フォークやナイフをくれない。
「おかしいなぁ、これってかじるの?」と不思議に思ったけれど、何せ
初めての英国一人旅。英語で質問するには、勇気がなかった。
仕方なく座ったベンチの端で、さいぜんから白髪の老婦人がちらちらと
こちらを見ているのに気がついた。私が覚悟を決めてかじり出すと、
「あのね、それはフォークで食べるのよ。」
と婦人は話しかけてきた。
びっくりした私は、
「えっ、でも…。」
ときょろきょろあたりを見回し、
「フォークないんですけど。」
と言うと、婦人は苦笑しつつ、売店の方へ行った。
そして、
「はい。」
と私に手渡すと、またベンチに座ってクロスワード・パズルの本に
熱中し始めた。
「あ、ありがとうございます。」
と言って食べ始めた。
やがて列車がホームに入って来ると、
彼女は一度私に会釈して、列車に乗り込んでいった。
上品な物腰に服装。
好奇心はあるけれど、今どきの若者みたいに表に出さないし、
やたらめったら話しかけてこない。
必要最小限な事だけ言って、自分の趣味に没頭する。
うーん、まさしく、ミス=マープル。
彼女が戻っていく場所は、やっぱりセント・メアリー・ミードみたいな
こじんまりした村なのかなぁ。まさかね。
あれこれ空想しながら、私は
ミス=マープル登場の短編集-本作の事を思い出していた。
前警視総監のサー・ヘンリー・クリザリングはセント・メアリー・ミード村を訪れ、
知人の作家レイモンドの叔母であるミス・マープルの晩餐に招かれた。
同席したのは女流画家ジョイス・ランプリエール、老牧師ペンダー博士、
ペザリック弁護士。その席上、一同は毎週一人ずつ迷宮入り事件の謎を
提出して、皆で推理しあうことになる。最初の語り手は前警視総監。
しかしえび料理の中毒事件の真相は難問で、誰も当たらない。
ところが、正解を出したのは、「気持ちを傷つけたくないから、
仕方なく仲間入りさせたけれど、仲間入りをしている事さえ忘れられていた」
ミス・マープル!
「だれだれ殺人事件」「なんとか盗難事件」なんてものものしい
話をしているのに、突如「村の保健婦が」とか
「村の爺さんと家政婦が」など
たわいない話を始めるマープルに、登場人物同様
「なな、何を言い出すんだ、この人?」
と面くらったが、その後、村の出来事に当てはめて犯罪を解決していく
彼女の推理法が展開されると、毎回「参りましたぁ。」と白旗を掲げていた。
女優、画家、作家、村の名士達がそれぞれ推理を展開するが、
それぞれ肩書きを持つ身だから、似たような立場の人々が関係する
事件の枝葉末節に惑わされ、逆にタイトルを取り払った人間性に着目したマープルが、回答を出してしまうというパターンが読んでいて痛快だった。
見た目はどうってことない人が実は名探偵というパターンに、私がはまった
きっかけは、このシリーズだったと思う。
これらの短編で使われたモチーフ、シチュエーションは長篇で使われている場合もある
ので、どこでどんな風に使われているのか、探して見るのも一興。
同じ女同士として、マープルが心憎い配慮を示す「バンガロ−事件」
話下手なバントリー夫人が、事件の顛末を語ってゆく、
そのやり方がまさに推理小説を書いてゆく過程そのものだった「毒草」が
お気に入りである。
紙の本
短編集
2021/05/23 16:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミス・マープルは確かに、短編小説の方がより生きる気がします。
人の話を聞いただけで、こんなにもあっさりと謎が解けるものなの?
紙の本
このおばあちゃん、すごい!
2015/08/27 10:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とと - この投稿者のレビュー一覧を見る
いろんな人がひとつの部屋に集まって、自分の遭遇した奇妙な話をしていく。それを、おばあちゃんがどんどん推理して正解を重ねる!というお話。すごい、すごい!
紙の本
面白かったです
2021/11/19 12:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:iha - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミス・マープルの短編集です。座談会にてひとりひとりが話す迷宮入り事件をマープルが解き明かしてゆきます。彼女の謎ときは元々事件を解決するための物ではなく、日々の生活の中での人間観察を応用したものなのですね。今まで長編に始まり順番にマープルを読み進んできましたが、これで初めてマープルの読み方が判った気がいたしました。
紙の本
ミス・マープルの一人勝ち
2019/10/21 13:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
推理大会ですが、ミス・マープルの一人勝ちです。もしミス・マープルに、あなたは誰それに似ているわなんて言われたらすごく怖い気がします。