- カテゴリ:一般
- 発行年月:2003.10
- 出版社: 勉誠出版
- サイズ:20cm/344p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-585-05093-0
- 国内送料無料
紙の本
張赫宙日本語作品選
植民地時代に朝鮮人として日本文壇に登場し、後に一方的に批判され忘却された作家・張赫宙の日本語作品(小説・エッセイ)を、初めて初期作品に重点を置き選んだ一冊。【「TRC M...
張赫宙日本語作品選
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商品説明
植民地時代に朝鮮人として日本文壇に登場し、後に一方的に批判され忘却された作家・張赫宙の日本語作品(小説・エッセイ)を、初めて初期作品に重点を置き選んだ一冊。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
白楊木 | 1-4 | |
---|---|---|
餓鬼道 | 5-47 | |
迫田農場 | 48-90 |
著者紹介
張 赫宙
- 略歴
- 〈張〉1905〜97年。朝鮮生まれ。大邱高等普通学校卒業。小説家。52年日本に帰化。著書に「韓と倭」「陶と剣」「マヤ・インカに縄文人を追う」など。
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紙の本
戦後の作品も復刻して。
2008/10/04 21:06
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本の編者の一人である白川豊氏はソウルで「嗚呼朝鮮」を読んで、張赫宙研究を志したと後書きに書かれている。確かに、あの作品は今読んでも、よく取材して書いた傑作だ。というより張赫宙作品を幾つか読んだが、初期の朝鮮人の運命を書いた作品が一番優れている。
当方が読んだ中で一番、というか、今まで読んだ本の中で一番影響を受けた本の一冊が昭和二五年に書いた「秘苑の花」だ。初期のアナーキストがかった民族主義者時代にしろ、朝鮮の風俗を日本人向けに書いた時代にしろ、「親日文学期」にしろ、そして戦後日本人になろうとした彼にとって李王家とは、李王垠殿下とは如何なる存在だったのだろう。ある意味では李王垠殿下は作者の、方子女王殿下は彼の日本人の夫人の分身かも知れない面もあるだろうが。何故李王垠殿下も王家と縁がなさそうな張赫宙氏に証言を残されたのだろう、という意味も。
「嗚呼朝鮮」にしても、人民軍の「南朝鮮解放」の実態や国民防衛隊事件を書いた中に主人公と一緒に国民防衛隊に従軍していた隊員が南部軍パルチザンに投じる場面があるが、もう捨てたはずの「朝鮮」が彼にとって如何なるものか、重要だ。帰化してから朝鮮戦争を書いた「無窮花」もあるが、ややレベルが落ちる。
この二作をどこかで復刻する価値がありそうなものだ。