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- カテゴリ:一般
- 発売日:2003/11/01
- 出版社: 紀伊国屋書店
- サイズ:20cm/352p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-314-00950-0
- 国内送料無料
紙の本
数量化革命 ヨーロッパ覇権をもたらした世界観の誕生
著者 アルフレッド・W.クロスビー (著),小沢 千重子 (訳)
数字、暦、機械時計、地図、貨幣、楽譜、遠近法、複式簿記…。ヨーロッパ帝国主義を成功に導いた、数量化・視覚化という世界観の革命。その変化を跡づけてゆく西欧精神史。【「TRC...
数量化革命 ヨーロッパ覇権をもたらした世界観の誕生
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商品説明
数字、暦、機械時計、地図、貨幣、楽譜、遠近法、複式簿記…。ヨーロッパ帝国主義を成功に導いた、数量化・視覚化という世界観の革命。その変化を跡づけてゆく西欧精神史。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
アルフレッド・W.クロスビー
- 略歴
- 〈クロスビー〉1931年ボストン生まれ。歴史学者。オハイオ州立大学、ワシントン州立大学、テキサス大学などで教職を歴任。著書に「ヨーロッパ帝国主義の謎」がある。
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紙の本
音楽を聴くように会計を勉強する
2006/11/23 03:40
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くにたち蟄居日記 - この投稿者のレビュー一覧を見る
欧州での中世から近世へと移行するに際し 物事の「数量化」と「視覚化」が大きな役割を果たした点を解明する一冊である。
既に「数量化」「視覚化」を前提とした現代に生まれた僕ゆえ 「当たり前」であることが 実は「革命」であったという本書は 目からうろこが落ちる思いである。歴史の本を読む楽しさの一つは 自分が持っている常識が いかなる経緯で常識となっていったのかが分かる点であると思っている。
また 本書の特色としては 数学、音楽、絵画、会計という 現代人から見ると全く別々の世界を 横串で突き刺し それらが誕生した際にあった共通の心性を見事に炙り出している点にある。会計と音楽を貫く時代の精神がかつてあったという点は 「現代会計入門」とかいう本をたまに読まざるを得ない サラリーマンたる僕にしても 一服の清涼感である。そう 音楽を聴くように会計を勉強すればよいのだ。
仕事に直接関係ない本を読むことは 気分転換になるし 勉強にもなる。しかし それ以上に 特に このような本を読んでいると 日々の仕事に潜んでいる 歴史、人間の「精神」が見えてくることがある。そうなると仕事も馬鹿にできない。仕事の先に見えてくる「精神」。そんなものも信じているのが若干楽観的な僕ではある。
紙の本
キリスト教のご都合主義については気づかないふりをするんだよね
2008/11/12 18:24
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校あたりでちゃんと世界史を勉強したヒトなら知ってることだが(でも最近は日本がアメリカと戦争したことも知らない現役高校生もいるそうだからなぁ),中世のヨーロッパというのは全くの文化的辺境であった。本書第1章の冒頭に10世紀の地理学者マスウーディーの言葉として引用されているように「北へ行けば行くほど,愚かしくて粗野で残酷になる」……つまりは野蛮人だったんですな。イスラムの知識人から見てどーしようもなく。
ところが月満ち星は流れて16世紀。そのかつての野蛮人たちがイスラムを凌ぐ科学技術を身に付けて世界を席巻することになる。本書はこの600年の間に西ヨーロッパで何が起こってそのようなことが可能になったのか,人々の思考様式という側面から分析したものである。……と書くとすげぇ難しそうだけど,早い話が暦だの地図だの遠近法,記譜法だのモノゴトから宗教的(つうかオカルト的)意味がはぎ取られ全てが「数量化」されていくという過程を追った研究である。
それはそれで面白いんだけど(特に絵画における遠近法の発展なんかとってもとっても興味深い),当初それらの科学技術を異端とし自分たちの宗教的支配に敵対するものとして排斥していたキリスト教側が,それらの産み出す現世的利益の魅力に負け,抵抗をやめて逆にその成果を収奪する立場であり続けるためにどのように自らを変容させていったのか,という視点が欠けている気もするんだよね。
翻訳者である小沢千恵子さんが訳者あとがきで書いていることにも通じるんだけど,なんつうかマックス・ウェーバーが「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」で指摘したキリスト教のご都合主義みたいな部分がすっぽりないみたいな……。たしかに面白い本ではあったけど,そのあたりにちと反感を覚えました,ワタシは。