紙の本
美しい。が、馴染み無し。
2018/12/09 01:51
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投稿者:つきたまご - この投稿者のレビュー一覧を見る
クリスマスのシーズンだからか、本屋に平積みされていたので購入してみました。薄いし、字は大きいし、とても読みやすかったです。
アガサ・クリスティーといえば、ミステリーか愛の小説というイメージがあったので、こういう感じの本を書いているのが意外でした。
とても美しい話が多くて、「読んでよかった」という気持ちになりました。しかしながら、私自身は聖書の中身について完全に無知なため、分からない話の流れが多かったのは事実です。聖書を知っていれば、もっと理解しながら読めたのだろうと思います。
紙の本
クリスマスにぜひ
2004/04/29 14:11
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投稿者:零時 - この投稿者のレビュー一覧を見る
クリスティーによる、クリスマス短編集。聖書が背景にある話で、子供にも読み聞かせられるような平易な文章だけれど、内容は大人向け。幻想的なようでいて、現実的なようでもある。不思議な感じ。
季節外れに読んでしまったのが、ちょっともったいなかったかも。でも、何度でも読み返したくなるので、次はぜひクリスマス・シーズンに読んでみたい。
言葉づかいが普通の小説と違うので、訳者もきっと大変だっただろうと思う。なんてきれいに訳しているんだろう、と感心した。
紙の本
クリスマスにはクリスティー
2022/12/23 07:04
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「クリスマスにはクリスティー」というのが、アガサ・クリスティーの存命中のキャッチフレーズだったという。
その時期の新刊を上梓していたところから、そういう風にいわれたのでしょう。
そして、まさにこの本は著者自身がクリスマスを意識して1965年に出たもので、原題は「Star Over Bethlehem」。
街のあちらこちらにクリスマスツリーを飾る日本人であっても、実際「ベツレヘムの星」と言われても多くの人はその意味がわからないのでは。
この星は、イエス・キリストが誕生した直後に輝いて東方の三博士にそのことを知らせたとされ、クリスマスツリーのてっぺんにある星は「ベツレヘムの星」を表しているそうだ。
そんなクリスマスのぴったりのタイトルがついたこの本には、ポアロもミス・マープルも登場しないし、ミステリーでもない。
4つの詩と6つの掌編が収められていて、そのどれもがクリスマスのためのもの。
しかし、ここにあるどれも、けっしてわかりやすいものではない。
最後は、クリスマスだから、ハッピーエンドというファンタジーでもない。
正直にいえば、作品を楽しむということはなかった。
そのことを知ったら、アガサはきっと悲しそうな表情をするだろうか。
それとも、それも仕方ないわねと、あきらめるだろうか。
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タイトルに惹かれて手に取りました。ミステリーで有名な方ですが、きちんとアガサを読んだのは、この作品が初めて。イエス・キリストと聖書について、かなり深い洞察の上に書かれていると思いました。日常的に聖書を読んでいるクリスチャンの私には、とても楽しめたし、信仰理解がより深まった気がします。クリスマスプレゼントにもよい本だと思います。
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新約聖書を読んだ事がある人なら、
クリスマスの物語として楽しめるかもしれない。
新約聖書を読んだ事がないと、
書かれている意味が分からないかもしれない。
大人よりも、子どもが読んだ方がいいかもしれない。
意味を分かることより、展開を楽しめるから。
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クリスマスをメインとしたお話だったけど、クリスティらしくい人間模様がよかった。ただやっぱりミステリーのがイイなぁ
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予備知識なしで読んだが、タイトル通り、イブに読むのにふさわしい本。
キリスト教の信仰にまつわる短編集。
こういう本を読むと、聖書の知識があればもっと作品を深く読むことができるのだろうなぁ、と思う。
信仰ではなくて、一般教養的な意味で聖書を読む必要性を感じる。それと同時に、西欧とはやはり根本的に分かり合えない何かがあるのだろうな、と思う。
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ミステリーでないアガサ・クリスティー。全編、クリスマス、キリストに関わる話と詩。感動的だったり、ほんわかっと暖かかったり、クスっと面白かったり、SFみたいだったり、ちょっと辛口だったり、様々な小さなお話と詩が集まる短編集。薄手の本だったので、一晩で読めたが、なかなか面白かった。ちょっと星新一っぽくも感じた。
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クリスマスに読むクリスティの本とは知っていたけれど『春にして~』の余韻を味わいたくて手に取った本。正しくど真ん中。素晴らしい短編集でした。キリスト教のことは詳しくないけれど、聖書をもっとしっていたのなら、「あ~それそれ!」といった、ミッケ的な楽しみも出来たはずでした。分からないなりにきっと、信者の皆さんの息を呑む場面やゾクゾクって思うところなど推察して一緒にドキドキしたつもりになれた。
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聖書のことはよくわからないけど楽しめました。ちょいちょい解説も載っていますし。
ミステリーでは無いけどクリスティーの文章が好きな人間であれば、他の作品とはまた違った面白みを感じられると思う。とても好きな一冊でした。
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クリスティーはミステリ作家以前に、作家としての筆力が尋常ではない。
本書はノン・ミステリ。表題作はミステリ寄り。
クリスマスブックとあるが、ディケンズ「クリスマス・キャロル」辺りから始まった伝統だろうか。
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2003年発行、早川書房のクリスティー文庫。解説は児童文学評論家の赤木かん子。全11編。キリスト教に材をとった短編集。確かにキリスト教の説法くさくはある。でもキリスト教説話って(神話、説話全般かもしれませんが)SF風なんですよね。ここにある話の一部は若干星新一のショートショートを思わせなくもないです。星にも「銀の十字架」という若干宗教風の作品もありますし。
収録作:『ごあいさつ』、『ベツレヘムの星』、『クリスマスの花束』、『いたずらロバ』、『黄金、乳香、没薬』、『水上バス』、『夕べの涼しいところ』、『空のジェニー』、『いと高き昇進』、『神の聖者』、『島』、
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表題作の、ベツレヘムの星(Star over Bethlehem) が一番良かった。(聖書にちなんだ場面が多く、表題作以外では、どの逸話と絡んでいるのか分からないから。)マリアとイエスの話なんだけど、普通の母子の間のお話として読んだ。神(っぽい人)が、イエスの人生の三つの場面(磔刑前とか)を切り取ってマリアに見せ、こんな人生だがいっそいま命を奪ってあげたらどうか?と提案し、マリアがなんと答えたか、というお話。全ての母は、きっと同じ答えをするのではないだろうか。
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クリスティーのクリスマス。
聖書の話を知っていると、あのことか、と気が付く。さすがクリスティーというべきか、やってきた天使(を騙る者)は何者か、このロバはどんなロバか、など正体が最後にわかる作品の楽しさ。聖人たちの会話も楽しく、もしかして町の中にいたりして、と思わせる。
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ミステリと思う勿れ笑
季節に応じた作品に触れようの回。(今夏は横溝正史の『獄門島』)
オリエント急行もポワロ・シリーズも未だ手付かずなのに、いきなりソフトな面からお邪魔する。あとがきにも書いてあるけど心理描写が巧み。「何?どうなる⁉︎」とビクビクじゃなくてワクワクした気持ちで各話の続きが気になっていた。
彼女が料理したクリスマス・ストーリーズはどれも不思議な構成だった。短編集ではあるけれど「信仰」をキーワードに各話が一本の糸で繋がっている。(自分にとって短編は変わらずとっつきにくいものだけど、そう考えたら個々の話として楽しめた) 彼女の代表作もこのスタイルで展開していくのかな。『クリスマス・キャロル』みたいなストーリーブック調にも見受けられるけど、聖書の知識を蓄えるのもさる事ながら大人になって再読するとまた違った味わいになってくると思う。
第1章は彼女なりにアレンジした聖誕劇だけど、とにかくルシファーの登場シーン(聖誕劇で⁉︎と思うだろう…)が一番度肝を抜かれた、を飛び越して笑いでつんのめった。東方の三博士が”VIP”と呼ばれていたのも。(間違ってはいない笑)
『いと高き昇進』もお気に入り。聖者達の行進で幕を開ける衝撃のイントロ。14人の聖人(ペトロ以外知らない人達。翻訳者さんですらご存知ない人もいる汗)が静物として崇拝される運命から解放されてそれぞれの形で現代を生きるところが何だか清々しい。(「解放された」って解釈で合っているのかは疑問だけど…)
彼女がどれほどの信仰心を持たれていたかは知らないけれど、普段「目に見えざるもの」への感謝を忘れがちな人が読んでも説教っぽくは聞こえないだろうし、クリスマスを機に思い出させてくれる仕掛けになっているのかね。