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ニシノユキヒコの恋と冒険
  • みんなの評価 5つ星のうち 3.9 150件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2003.11
  • 出版社: 新潮社
  • サイズ:20cm/249p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-10-441203-1

紙の本

ニシノユキヒコの恋と冒険

著者 川上 弘美 (著)

無類の女性好きのニシノくんの一代記。彼と関係を持った女性10人がニシノくんを語る。ニシノくんの少年時代、中年、壮年、そしてゆうれいになったニシノくんについても語られる。『...

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ニシノユキヒコの恋と冒険

税込 1,512 14pt

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商品説明

無類の女性好きのニシノくんの一代記。彼と関係を持った女性10人がニシノくんを語る。ニシノくんの少年時代、中年、壮年、そしてゆうれいになったニシノくんについても語られる。『小説新潮』等に掲載された連作短篇集。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

川上 弘美

略歴
〈川上弘美〉東京生まれ。お茶の水女子大学理学部生物学科卒業。小説家。「蛇を踏む」で第115回芥川賞、「溺レる」で伊藤整文学賞、「センセイの鞄」で谷崎潤一郎賞を受賞。

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みんなのレビュー150件

みんなの評価3.9

評価内訳

紙の本

川上弘美ファンは、昔からだって言うと思うけれどね、わたしは『光るものあれは』とこの作品で、川上は化けたって思うわけ

2004/01/16 21:41

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

ともかくカバーデザインがいいのである。バカボンのほっぺたにあるような模様が、いかにも日本的な優しい色合いに包まれ、そこにタイトルと著者名が組み込まれている。切れがいいとか、心にズンとくるとか、そういう派手さはないけれど、ジワッっとくるのである。なんだかオノマトペ大会になってしまうが、これが外部のデザイナーを使わないで新潮社装丁室の手になるというのだから、ここからクレストブックのあのデザインが生まれるのもむべなるかなである。

で、そのデザインにふさわしい、ゆったりとした大きな話である。ま、物語のスケールがでかい、というのではなくて、せこせこ前戯抜きでことに及ぶとか、どこの頁をとっても愛液が滴り落ちるとか、はたまた「させろよ、させろよ」といった性急さや思わせぶりが全く無い、悠揚迫らぬ展開のことをいうのだが。

いや、この話は展開といったような構築的な話ではない。時間は往ったり来たりしながら、部分が独立した連作であるのだから、最近流行りの伏線だとか、どんでん返しなどといったものを期待してはいけないのである。個々の逸話が積み重なった時浮かび上がるニシノユキヒコの人間性を味わう、いや彼の存在から逆照射される彼の恋の相手の心情や関係を楽しむ本である。

描かれる恋と冒険の数は合わせて10。その数だけ相手の数と話の数がある。ちなみに各編のタイトルをあげておくと「パフェー」。「草の中で」。「おやすみ」。「ドキドキしちゃう」。「夏の終わりの王国」。「通天閣」。「しんしん」。「まりも」。「ぶどう」。「水銀体温計」である。

ニシノユキヒコは、西野幸彦のことである。彼の恋の相手は、20代の人妻のときもあれば、30代の会社の上司の場合もある。30代の作家の相手もするし、14歳の中学生にキスをすることもある。大学の先輩もいる。ただし、話によって彼の年齢は変わる。だからオジサンが援交している不純な話だ、などと憤慨するには及ばない。驚いたことに幽霊というか人魂みたいな存在になることもあるのである。勿論、死の直前にだけれど。

だから、たとえば『センセイの鞄』みたいな薄汚れた(ま、そう思うのは私を含めた少数であって、アノ本を読んだ大半の人は、老人と若い人との恋をかなり好意をもって受け入れていたんだろうことは認めた上でいうのだけれど)性愛談という印象は全く無い。やはり、恋する年齢をばらけさせたことで、ある年代に媚を売るといったあざとさが無くなったぶん、私は素直に楽しんだ。

おっと、それから最初に断っておかなければいけないのは、基本的にニシノユキヒコは物語の語り手になることはない。彼に纏わる様々な恋と冒険を話してくれるのは、恋?の相手である10人の女たちである。時には脇役で、彼女たちの娘が声を発することはあるけれど、ともかくご当人はあくまで語られる役なのである。さすが、もてる男は違うなあ、である。

で、川上弘美体験4冊目という情けない読者である私が言うのもなんだが、やはりこの物語のレベルの高さは生半可なものではない。いや、年末ぶっちぎりの穏やかな面白さ、ベスト本である。もう一度書く、「穏やかな」傑作である。しかし、老人には受けないだろう、それでいいのだ。愛欲に目をギトつかせた祖父母の姿を誰が見たいというのだ、ばかものが!である。いやいや、それはともかく、数少ない作品を読んで断言するのはおこがましいが、やはり川上弘美はバケたのではないだろうか。もちろん「穏やかに」だが。

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紙の本

どうして僕はきちんと女の人を愛せないんだろう。

2004/01/04 16:37

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:アベイズミ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「川上弘美」を読むと、ついそうなってしまうのだけれどー途中で一息つくことになる。まるでギアを入れ替えるみたいに、ペースを調整するのだ。もちろん「low」に。彼女の本から放たれる間合い(空気感)は、私の日常や常識の垢を、キレイさっぱり洗い流してくれる。にわかに浮世離れした気分になっていく。そして、私にはきっと、こういう時間が必要なのだね。と、思ったりする。

「ニシノユキヒコの恋と冒険」。女には一も二もなく優しい、無類の女好き。姿よしセックスよし人当たりよしの、言うなれば申し分ない男。女に対して懲りることを知らず、果敢に恋を求める男。それでも最後は、いつも必ず女に去られてしまう男。そんな彼が「とめどない世界」に、真実の愛を求めて彷徨った。言わば、男ニシノユキヒコの一代記なのである。

などと紹介してみれば、さぞや波乱万丈、アッパー系の小説。と思う人もいるだろうけど、そこはそれ「川上弘美」の事。この本から立ち上がってくるのは、そんなはっきりとしたものではない。しようもなさや情けなさ、切なさやもどかしさ。もっとしみじみとした、とりとめのない事どもなのである。

この本は、生前のニシノ君と交情のあった十人の女性が、それぞれにニシノ君を語る連作形式で出来上がっている。少年時代、中年、壮年、そしてユウレイになったニシノ君まで。彼女たちに語られるニシノユキヒコは、それぞれに呼ばれている。西野君であったり、ニシノさんであったり、幸彦であったり。そのトーンの違いひとつを聴いただけでも、彼女たちとニシノくんのそれぞれの関わりが立ち上ってくるようだ。

十人のそれぞれ違った顔を持つ女の人たちは、(全く違うというのに)どこか似通っている。少女から、中年、壮年まで。誰か一人を取り上げて、この人が好きだということが出来ない。どこか底の所で繋がっていて、同じような悲しみややるせなさを抱えているように思える。まるで「川上弘美」という人を、十の角度から見せられたようだ。もっと言ってしまえば、問題の当の本人「ニシノユキヒコ」でさえ、川上弘美のひとつの顔に過ぎないと思うのだ。すべての人が底の所で繋がっている。その流れの元を辿れば「川上弘美」本人へと繋がっている。私が彼女の小説を読む。という事は、いとしい彼女を辿って行く行為なのかもしれない。

「誰かを きちんと 愛する」

という事は、どういう事かと。「川上弘美」を読む度に考える。「愛しているよ」「愛しています」という人もいれば「きちんと出来ない」という人もいる。「愛された」人もいれば「されなかった」人がいるかもしれない。それでも、そのどちら側の話も聞き(読み)ながら、私は気がつくのだ。どちらも大きくは違わないことに。同じということに。一緒だということに。

私たちに出来るのはいつでも「愛する事」でなく、誰かを「愛していると決める事」だけなのだから。そういう個人的問題なのだから。

最後まで読み終わり、自然と、最初の話へと意識はシフトしていった。そこからもう一度ゆっくりと、ニシノユキヒコの恋と冒険に満ちた人生に思いを巡らせる事が出来た。とても自然な感じで、物語は繋がって輪になった。ニシノ君は充分女の人を愛せていたと思った。どの人もどの人も。女の人たちだって、充分愛されていたと思った。どの人もどの人も。

そして、私にとってのニシノ君はと言えば。

ただっ子でさびしんぼうで諦めの悪い、赤子のような無防備な存在として記憶に留まった。彼にやさしくしてあげたくなった。彼にとっての、やさしい存在でありたいと思った。新年早々であります。

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紙の本

お芽出度き男の一生

2004/01/18 21:30

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ニシノユキヒコ(作品によっては西野幸彦と漢字表記もされている)という男の、中学生からそれこそ幽霊となってまでの女性との愛の遍歴を、十人の女性を語り部にした、川上弘美さんの異色の連作集である。異色ではあるが、いかにも川上さんらしい作品集だ。特に連作一作めの「パフェー」は幽霊となってかつて関係があった女性の家に現れるニシノさんを描いているが、川上さん得意の霊異な説話めいて、私たち読者をすでに不思議な空間に誘う。ニシノユキヒコってどんな男だったのか?

 ニシノユキヒコはすでに中学生の頃から同級生の女の子の心の奥に突き刺さる怪しい雰囲気があった(「草の中で」)ようだし、五十才になっても何歳も年下の女性を虜にする魅力をもっていた(「ぶどう」)みたいだ。そんなニシノユキヒコでありながら「どうして僕はきちんと女の人を愛せないんだろう」とうなだれる。連作最後の作品である「水銀体温計」は、そんなニシノユキヒコ(この作品では西野くんだが)を切なく描いた。この作品でニシノユキヒコから姉の形見である水銀体温計をもらった「わたし」は最後に彼のことをこんな風に述懐する。「生きて、誰かを愛することができただろうか。とめどないこの世界の中で、自分の居場所をみつけることが、できたのだろうか?」(249頁)

 誰にも愛されながら、誰をも愛せないニシノユキヒコながら、この男の一生は<お芽出度い>ものであったように思う。芽出度いとは愛でたいという字の当て字らしいが、そもそもが好み愛したい感じがするという意味らしい。ニシノユキヒコらしい言葉ではないか。うるわしいという意味も彼らしいし、この言葉から派生する<めでたくなる>とは死ぬという忌み言葉らしいから、彼が幽霊となって現れる第一作はまさに<お芽出度い>男がめでたくなった物語といえる。

 そう考えると、ニシノユキヒコの一生はそれほど悲しいものではなかったかもしれない。むしろそういう男を愛してしまった女性たちの方が淋しく切ないものであったともいえる。川上弘美さんは<お芽出度き男>ニシノユキヒコの一生を描きながらも、実はそういった淋しい女性たちのことを書きたかったのではないだろうか。 

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紙の本

なかなか甘ったるくてよろし。

2004/01/02 20:28

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちはな - この投稿者のレビュー一覧を見る

こんなに甘い小説は今まで読んだことがない。
「ニシノユキヒコ」は本当の恋愛を求めている。あがいてあがいて本当の恋愛を求めている。セックスがうまいだけじゃ恋愛は成立しない。肉体の恋愛ではなく、それをも含んだ本当の恋愛をさがしている。
わたしも「ニシノユキヒコ」に愛されたい。

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紙の本

真実の愛ってどんなモノ?

2003/12/04 11:41

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:雪兎 - この投稿者のレビュー一覧を見る

なかなかの男前で、清潔で、仕事も出来て…、心の襞に、いとも簡単にするりと入り込む男、「ニシノユキヒコ」。
こんな彼がモテないはずもなく、恋の遍歴を重ねていきます。
彼は女性を愛したいのに愛することができない、または愛さないようにしているという葛藤の中で、トラウマ的な心の闇に光を射すべく、彼は恋の冒険者となります。
そして彼の恋人たちは至福の時を味わいますが、彼の闇に触れた時、本能的に彼を捨てます。彼を愛する一歩手前で…。
真実の愛って何でしょうか…
これが真実の愛だ、という思い込みを許さず、妥協しない。
冒険者というよりは放浪者になってしまいそうです…。
真実の愛を求めて迷走し続け、辿りつくその先は…?

そんな彼と、彼女たちのいとしい愛のカタチです。
ぜひ、読んでみてください。

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紙の本

好きになること、好きでいること

2004/11/30 12:22

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みかん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「ニシノユキヒコ」について、彼と付き合った女の子の視点から描かれている連作短篇集。
 おそらくモテるタイプである彼。けれども本質的な部分が原因で、決してのぼせあがったりお気楽に幸せそうだったりはしないのだ。
 さまざまなタイプの女の子による、さまざまな年代の彼についての語りを読むうちに、自然と彼に親近感がわいてくる。ひとりの男のニンゲンとして、美しく描かれすぎなんじゃないかとは思うけれど、そこがまた欠かせない良さでもある。
 作者らしいゆったりした、かつ儚げなさみしさの拭い去れない作品。

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紙の本

ニシノユキヒコと恋してみたかった…

2004/05/03 22:38

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ひさ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ニシノユキヒコと恋してみたかった…読み終わった後、そう思った。

 彼に恋した11人目の女性となってみたい。そのとき、どの時代のニシノユキヒコに恋するのだろうか? 「ニシノくん」にだろうか、「幸彦」にだろうか、「西野さん」にだろうか。
 
 彼との思い出を語る10人の女性。彼女たちは疑問符を抱きながら、ニシノユキヒコに恋をし、恋を終わらせる。そして、彼を思い出す。とても自然に、とてもやさしく、その思いを抱きしめている。そこはかとなく切なくて、時には激しくて、時には穏やかな彼との時間を…その思いは著者の紡ぎ出す甘く優しい文体からあふれ出している。

 人を愛するとは、実はこんなにも穏やかなものなのかもしれない。
 時に激しい愛とは、往々にして自分自身を愛していたり、愛に愛していたりということがある。
 愛しているのか、愛されているのか、疑問に思いながら、愛しているということに気づいていく、いや愛していたという答えがでないかもしれない、それが人を愛するということなのかもしれない。

 では、ニシノユキヒコは、彼女たちを愛していたのだろうか?
 きっと彼女たちと同じように、愛しているのか、愛されているのか疑問を抱きながら、恋をしていたのだろう。でも、彼女たちと違うのは、彼は「愛している」と気づくのでなく、愛という答えを追い求めていたのではないか。そんな気がしてならなかった。

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紙の本

完璧な人間より、人間臭い人間が幸せなのです

2004/04/02 14:17

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:遊子 - この投稿者のレビュー一覧を見る


かわいそうなニシノユキヒコ。

これが私の率直な感想。ニシノユキヒコはたくさんの女性と知り合って、
たくさんの恋愛をするけれど、結局成就することはなかった。
これは、彼が付き合ってるさなかに他の女の人と関係をもったり、
たくさんの女の人に愛想をふりまくからではない。
本人は「自分はきちんと女の人を愛せない」と嘆くけれどそうでも
ないと思う。(浮気性はおいといて)ニシノユキヒコはけっこう女の人と
誠実に向き合っていると思う。自分の考えを相手に押し付けたり
相手の気持ちを無視したりはしない。
ではなぜ、彼が最後には振られてしまうのか。

完璧すぎたからである。

もちろんニシノユキヒコは完璧な人間なんかじゃない。けれども
女の人から見ると完璧な人間に映ってしまうのである。
かっこよくて、フェミニストで、頭もいいし、かと思うと少年のようで。
理想なのである。そんな男と付き合って、最初はとってもうれしいんだけど
ふと冷静になる。こんな人が本当に本当に私のことが好きなのか?
今は好きでもこれからもずっと私を好きなのか?
ニシノユキヒコに捨てられたら私生きていけない・・・。
口でどんなに愛してるといっても、人の気持ちはわからない。

そう、わからないのだ、人の気持ちは。ニシノユキヒコがどんなに
その女の人を愛していても、彼の完璧さがうそ臭くしてしまう。
浮気性の彼だけど、もし女の人が結婚にOKを出したら浮気なんて
しなくなったんじゃないかなと思う。

ああ、かわいそうなニシノユキヒコ。

完璧な人間。それよりもどこか不器用で女性よりも劣ったところを
もってる男のほうが幸せになれちゃう世界。
世の中ってこういうものですね。

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紙の本

あいまいな鮮やかさ、あるいは近くて遠い愛・恋・性

2004/02/01 21:24

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:けんいち - この投稿者のレビュー一覧を見る

 おそらく本書は、数ある川上弘美作品の中に置いたとき、とりたてて傑作と言うことにはならないだろう。それにしても、いや、それだからこそ、本書において十全に展開されたかに見える川上弘美の「言葉」のあり方は興味深い。本書は、「男と女の恋のようなもの」と要約可能なストーリーにではなく、小説として選び・書かれ・紡がれた「言葉」の1つ1つこそが、暗闇に優しく光るあかりのように、「恋のようなもの」をめぐる雰囲気をやわらかくつくりあげていく。しかも、そのカタチは、好きなようなそうでもないような、「なんとなく」といったひどくあいまいなものであり、ただし、女性人物たちはいずれもニシノユキヒコに「なんとなく」惹かれていることだけは確かなのだ。川上弘美の紡ぐ言葉は、このとらえどころのない「なんとなく」を、見事なまでに描き出している。

 わたしたちは抱きあった。ゆるく。水のように。けれど水には、なりきれずに。/わたしたちは不安だった。わたしたちは恍惚としていた。わたしたちは絶望していた。わたしたちは軽かった。わたしたちは愛しあいかけていた。けれど愛しあうことはできずに、愛しあう直前の場所に、いつまでも佇んでいた。(「おやすみ」)

 こうした一節を見るだけでも、川上弘美の言葉が立ち上げる世界の見事さがわかる。とりてて珍しい言葉が使われているわけではなく、一文だけ取り出せばつまらなく見える文も少なくない。しかし、突如挟まれる「ゆるく。」といった語のもたらす浮遊感、「わたしたちは〜た。」のリフレインのもたらすリズム、抱きあいながらも「愛しあう直前の場所」に「佇」み、それでいて「なんとなく」惹かれあう二人。こうしたあいまいさが、本書ではいたるところで鮮やかに描き出されているのだ。
 
 西野さんとの関係は、ほんとうはそこにはないもの、掴もうとするとかげろうのように消えてしまうもの、と思うことができる。(「ぶどう」)

 こうした女性とニシノユキヒコとの愛や恋や性が、各章にわたり展開される本書は、川上弘美という作家の、その言葉の世界を探る、格好の手がかりとなるだろう。

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2008/01/02 21:28

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2004/10/04 10:55

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2004/10/08 02:00

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2004/11/20 17:07

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2004/12/03 22:46

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2006/10/23 00:27

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