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紙の本
今、鳥インフルエンザに何故大騒ぎしてるかわかる
2004/01/26 13:24
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投稿者:あいたろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
SARSについての知識を得ようと2003年末に買って読んだが、鳥インフルエンザが人に感染したら大変だ、という記述に出会った。そして半月経ったら、この大騒ぎ。うーむ、正にタイムリーな本というか予言が当たったというべきか。現在進行形の問題をきちんとまとめた形で(数年で内容の見直しが必要になるだろうリスクにも関わらず)出版したのは立派なものです。ということで、この本は今読まずして、いつ読むんだ?という本です。
本書では、インフルエンザとは何か? ウィルスとは何か? SARS感染騒動の経緯、現状といった知りたい内容について、結構専門的内容まで突っ込んで書かれています。ちょっと難しいけど、もちろん、素人はしろうとなりに理解できる内容が満載です。この中で、鳥インフルエンザの恐怖についてもしっかり書かれています。
著者は冒頭で、そもそも日本人は「風邪」と「インフルエンザ」の区別ができていないから、インフルエンザワクチンの接種率が異常に低く、結果としてインフルエンザで毎年多くの人が亡くなっている現状に警告を鳴らしています。本書後半で指摘されている麻疹(はしか)問題(先進国の中で日本だけが麻疹を撲滅していない)も合わせて考えると、過去に種々の予防接種の副作用が出た反動で、逆に感染症のリスクを増やしてしまっているのが現状だと考えられます。もっと専門家が積極的な情報発信を行い、みんなの誤解を解いたり、新しい正しい知識を普及させる必要があると言えます。
幸いにも、この冬SARSが大きな流行を迎えずに沈静化したままで済んでいる一方で、鳥インフルエンザという新たな脅威にさらされています。今後とも冬が来るたびに新たな感染症とたたかっていかなくてはならないのかも知れません。正にそういった時代、われわれは、こういった知識をきちんと身に付けて、いたずらに恐怖に怯えるのではなく、正しい対処をしていきたいものだと思います。その意味で、本書は必読の書と言えるでしょう。
あえて苦言を呈すると、著者が感染症の恐怖を伝えたい思いが強い余りか、その恐怖をいたずらに煽りすぎているのではないか?という点と、岩波新書という一般読者を対象とした本としては、やや専門的な内容に偏りすぎているという点でしょうか。それでも読む価値十分です。