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邂逅の森
  • みんなの評価 5つ星のうち 4.3 57件
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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2004/01/28
  • 出版社: 文芸春秋
  • サイズ:20cm/456p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-16-322570-6

紙の本

邂逅の森

著者 熊谷 達也 (著)

【山本周五郎賞(第17回)】【直木賞(131(2004上半期))】大正年間、身分違いの恋から故郷を追われたマタギの青年、松橋富治の波乱の人生を描く。奔放に生きてきた富治を...

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商品説明

【山本周五郎賞(第17回)】【直木賞(131(2004上半期))】大正年間、身分違いの恋から故郷を追われたマタギの青年、松橋富治の波乱の人生を描く。奔放に生きてきた富治を巨大熊に向かわせたものは何か。自然に対する畏敬の念あふれる雄大な物語。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

熊谷 達也

略歴
〈熊谷達也〉1958年宮城県生まれ。東京電機大学理工学部数理学科卒業。中学校教員等を経て、「ウエンカムイの爪」で第10回小説すばる新人賞を受賞して作家デビュー。著書に「漂泊の牙」など。

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みんなのレビュー57件

みんなの評価4.3

評価内訳

紙の本

人間の生と性と死への意識に深く切り込み、自然への畏敬の念を呼び覚ます良書−主人公松橋富治の波乱万丈な人生の中に本当の男のやさしさを感じた

2004/11/17 14:48

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まざあぐうす - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「獣を殺す旅だった。」
 『邂逅の森』の冒頭の一行である。山形県月山での旅マタギ、アオシン猟の緊迫したシーンから始まる。雪の急な斜面を登り、体ごと滑ってゆくマタギ達。勢子たちの「ほーいっ、ほれっ!」という威勢の良い掛け声、凍りつくような寒さの中、急峻な崖で息を詰めて獲物を見つめる緊迫感、そして、獲物を仕留めた時の「勝負!」という頭領の一声。
 執筆にあたり、実際に新潟のマタギ集落に足を運び、泊りがけの取材を重ね、マタギの頭領の許しを得て、一緒に山に入り、「巻き狩り」を実体験した著者ならではの迫力と臨場感に溢れる語りである。
 時代は大正から昭和初期。秋田地方の山間部の僻村阿仁の打当に生まれた松橋富治を主人公とした小説。旅マタギの一章では、富治の後の人生を暗示する邂逅がある。肘折温泉街のこけし売りの妙に色っぽい女性だ。
 富治は、なろうとしてなったわけではなく、ごく自然にマタギになっていた。優秀なマタギに成長した富治であったが、地主の娘・文枝を身ごもらせたことで、有力者である文枝の父親の怒りを買い、村を追われ山形県大泉村の大鳥鉱山の鉱夫の道を歩まされることになった。
 マタギとしても誠実で腕のいい富治は、鉱夫としてもすぐに認められ、人望を得ることになる。どんな環境であってもひたすら耐え、やさしさを忘れない富治。面倒を見ていた少年が、年長の鉱夫に犯されている場に遭遇した時には、年長の鉱夫二人を殴り倒してしまう。
 銅鉱山の鉱夫として働き始めた富治は、いったん諦めていたマタギへの道に再び戻る。そのきっかけを作ったのが同じ鉱山で働く小太郎の素人猟を目にしたことであった。年長の鉱山仲間達からも扱いに手を焼き、疎まれがちな小太郎にも富治はやさしかった。自分の道を自ら選び歩き始めた富治であるが、自分で仕留めた熊を背負って小太郎の住む村へと赴く富治の姿は、誠実さや真面目さを通り越して、滑稽である。
 小太郎の姉で、娼婦あがりのイクと成り行きで結婚した富治は、村の狩猟組の頭領として、猟を指揮してゆくことになった。イクは、肘折温泉でこけしを売っていた妙に色っぽい女性と同一人物である。結婚前は、淫らなイクであったが、一女に恵まれ、内助の功を発揮する。以後、小説は、再び猟の緊迫したシーンを交えながら、進んでゆく。性描写が多く、リアルであるが、濫りがわしさを感じないのは、著者の時代背景や生活習慣の描写が丁寧であるからだろう。小説を通して、人間に潜む野性や獣性をまざまざと知らされた。
 娘も嫁ぎ、老年期にさしかかった富治に意外な邂逅が待ち受けていた。
 初恋の女性文枝とその息子が富治の前に現れる。それを知ったイクが自ら身を引き、家を出る。イクの富治への精一杯の愛であろう。貧しさのゆえに遊女となったイクの生活環境をつぶさに語る著者の筆致に好感を抱いた。
 文枝との再会の後も、イクを決して裏切ることのなかった富治、イクを探して、肘折温泉まで足を伸ばし、女房にこけしを買いたいと言う。こけしを売っていたのが年老いて家を出たイクであった。イクを見つけた富治と若かりし日の富治の誠実さが重なり、富治という男のやさしさに厚みを増す。
 圧巻は、富治が「山の神様」と呼ばれる巨大熊に向かう終章であろう。「家に帰って、妻の手を握りたい」という思いだけをよすがに巨大熊との闘いに挑む富治、生まれた環境と時代に翻弄され波乱万丈の人生を送った富治の最後の自らの意志であろう。
 『邂逅の森』から先に読み、『相剋の森』を読んだが、いずれも人間の生と性と死への意識に深く切り込み、自然への畏敬の念を呼び覚ます良書ではないだろうか。



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紙の本

大自然の一部である「ヒト」の動物的本能的な営み…

2004/08/27 15:20

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:burapo - この投稿者のレビュー一覧を見る

奥深い山里の中で、生きる。
大自然の一部である「ヒト」の動物的本能的な営み(食う、生きる、性)。
ふと垣間見る「人間」の美しさや、醜さ。
森に対する感謝、恐れ。
マタギという一見の特殊な習俗も、自然に理解できるようなきがする。

森を舞台に、何かに出会う、だから「邂逅の森」なんでしょう。
これ以上は、説明しないでおきましょう…。

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紙の本

これほど読み応えのある作品って次にいつめぐり合えるだろうか!

2004/07/22 00:19

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る

史上初の直木賞&山本周五郎賞同時受賞作品である。

時代は大正時代。東北地方の寒村でマタギ(狩猟)を生業としている富治が主人公。
地主の娘、文枝と身分違いの恋をしたために村を追われその後転々とする人生であるがその運命に逆らえずにいながらも自分で人生を切り開いて行った過程を見事に描いた作品である。

日露戦争から昭和初期にかけて描いているが“毛皮需要”によって庶民の生活がが翻弄されている点が特に印象に残った。
われわれの祖先って本当に大変だったのだ。
本作を読めば真っ先に感じ取れる率直な気持ちである。

何よりも前半の文枝との恋愛シーン、あるいは後半の夫婦となってのイクとの葛藤シーンが良い。

もちろん熊との決闘シーンも良い。
思わずコブシを握り締めて読書している自分がいた(笑)
女性が入り込めないマタギの世界を自然描写を巧みに用いて読者を釘付けにしてくれる。
前者は女性の素晴らしさ・後者は男性の勇ましさを読者に余す所なく見せ付けてくれた。


主人公の富治は幸せものだ。必ずしも世間一般的には恵まれている人生とは言えないが陰で支えてくれる人が素晴らしい。

女だけじゃない。生涯の友と言うか弟分小太郎の存在も物語の中で重要な役割を演じる。
何と言っても姉であるイクを引き合わせたのだから…

個人的にはいちばん本作を読んで力づけられるのは、イクの男性顔負けの力強い生き様であろう。
読者が見逃してならないのは“イクは主人公富治よりもっと波乱万丈な人生を過ごしつつも、誰よりも心を捧げる生き方を成就させたのは彼女だった”に違いない点である。
女性読者の感想を是非聞きたいなあと思ったりする。

--------------------------------------------------------------------------------

読み終えて現代に生きる私たちと比べてみた。
確かに本当に不況が長びいて苦しい。
でも本作における厳しい社会(世界)よりはずっとましなはずだ。
クライマックスでのクマとの決闘に打ち勝った精神力は待ちわびるイクへの愛情のあらわれに他ならない。

本作を読み終えて普段些細なことを思い悩む自分に叱責したい衝動に駆られた。
少しは自分自身を顧みるいい機会としたいなと思う。

本作は男と女の本来の“生々しさ”を存分に描写した感動の大傑作である。
本当に素晴らしいと思える点は“まるでノンフィクション、いや伝記を読んでいるような感覚で読める点である。”
ただ、普段あんまり読書をされない方にはオススメし難いのは残念である。

そういう方には同時受賞された奥田英朗さんの『空中ブランコ』を是非オススメしたい。
まさに“2段構え”の直木賞発表であった。

時代は熊谷氏の登場を待ってたのかもしれない。
直木賞発表がもたらせてくれた読者との“一期一会”の機会である。

これから読まれる方も是非本作を堪能されることを願ってやまない。

トラキチのブックレビュー

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紙の本

獣を殺す旅

2004/08/25 19:21

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ナカムラマサル - この投稿者のレビュー一覧を見る

「獣を殺す旅だった」−冒頭のこの一文が、この物語全体を貫いている。
本作の舞台は、大正時代の東北地方。マタギと呼ばれる猟師の物語だ。

石垣りんという詩人に「儀式」という詩がある。
母親は、年頃になった娘に魚のおろし方をまず教えなければならない、そうやって人間がどうやって生きてきたのかを、生きるとはどういうことなのかを示さなければならない、という内容だ。
本作の猟の描写を読んで、その詩を初めて目にしたときの粛然とした思いが蘇ってきた。
凍てつく寒さ、血の色、獣の匂いをまざまざと感じさせる文章から、人間が生きるということが、他の動植物の犠牲の上に立っているということを再認識させられた。
人間の業の深さを、身をもって知っているマタギは、ゆえに厳しい禁忌や掟をもっている。彼らが抱く神への畏敬の念には、背筋を正される。

本作はR指定がついてもいいくらい、性描写が露骨だ。
人間には性欲は不可欠のものだと物語っていると同時に、人間を獣と同じレベルにまで落としめてしまうのも、この性欲なのだと示唆しているようだ。
主人公の富治は、若い時分、村の地主の娘と深い仲になり、村から追放される。流転の日々の中で、男娼として辱められる弟分を救い出し、近親相姦の姉弟を諭し、後に妻となるイクの売春を止めさせる。彼自身、結婚した後も昔の女のことが忘れられずにいる。それを‘俺の中の獣’と呼んでいる。
彼の一生は、獣を殺すことで成り立っていると同時に、人の心の中の獣を殺す旅でもあったのだ。

ラストの、「ヌシ」と呼ばれる巨大グマとの対決は、近年まれに見る凄まじい描写だ。
それはもう、読んでいて貧血起こしそうになるほど。
この結末を、神の存在を疑問視した者への報いと捉えるか、信念を貫いた人間が神の領域まで達した境地と捉えるか。
読後も尾を引く1冊だ。

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紙の本

ある民族にとって自然はただ過酷であった。そこで人間に絶対服従を課したのが神であった。しかし、日本民族にとって自然は生きとし生けるものに恵みを与える神である。

2004/08/18 10:30

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

大いなる自然の道理に導かれている存在。山、森、谷、川、そのものがそうであり、そこで息づいている草木や熊、カモシカ、ウサギなどの獣がそうだ。それらは自然の恵みをあるがままに受け入れる。しかし一方で自然の過酷な試練にさらされ、しかも生きつづけることもまた道理なのである。
人間はそうではなかった。人間は常に自然を征服しようとする。それが人類の進歩であり、文明発展の歴史であり、合理主義を真理とする近代化である。そして現代の繁栄がある。ただその延長にある未来に栄光が待っているのだろうか。自然界の摂理と人間社会の発展、抜き差しならぬ両者の対立構図を作者は念頭にしている。

大正期の秋田県。山々の懐に囲まれた集落。マタギ。狩猟の民。近代化の浸透。なお彼らの生活は山の神様に導かれている。マタギにとって獲物はすべて山の神様からの授かりものである。恵みである。そのために、狩猟時の規律、一族には頭領への絶対服従、族間の規則、遠征する旅マタギの縄張り、さらに生活慣習にいたるまでの厳しい掟がある。彼らの生活ぶりを詳細に描き、また熊狩りのディテイルは興味が尽きない。

地租改正の帰結として主人公松橋富治の父は猫の額ほどの耕地を地主に奪われる。貨幣商品経済の浸透、日清日露戦争の軍需、あるいは戦後の恐慌などによってマタギの生活は綻びはじめる。山の神様とは相容れないハンターの登場。密猟の横行。また東北地方の貧困の代償は娘の身売りである。現金が欲しい。固有の伝統と戒律の世界にありながら、やむなく近代化・合理化と折り合いをつけなければならない。マタギは不安定な均衡状態でようやく生活を保っている。

マタギである松橋富治は自分の子を宿した地主の娘と別れ、鉱山に追いやられる。ここにもマタギと同様に親分・子分、掟の世界があった。死と向かい合わせの鉱山で生きるための秩序があった。彼はそこでたくましく一人前の採鉱夫に成長する。しかし、彼の狩人としての血の騒ぎはおさまらずふたたびマタギに戻る。その村の男の誰しもが寝たことのあると言う多淫な元娼婦と結婚して子をなす。

作者は近代化する社会から疎外されたところにある人間の生の営みにフォーカスする。マタギである富治の野性のエネルギー、本能に突き上げらるかのようなふたりの女との性愛、それが昇華したところにうまれる男女の深く結びついた生活、さらに動物的に強靭な親子の絆を濃厚に描写する。
久しぶりに恋愛小説を読んだと思った。でもこれはいわゆる恋愛小説ではないことに気づかされる。ここに登場する男と女の関係には人倫の概念は全くない、むしろ雄と雌の性愛である。さらに男女の結びつきよりも親と子の絆を明らかに上位概念としている。もちろん儒教的価値尺度ではない。種族維持最優先の動物的結合とはそういうものであろう。いくつかの親子の別れ、親子の再会、親子のありようが描かれ、その本能的愛、無心の愛にわたしは涙をこらえられないところがあった。

人は善をなすつもりで悪行を重ねるものだ。その積み重ねに今がある。それが身にしみた者にとって「自然さ抗(あらが)ってはだめなのっしゃ」との言葉には新鮮な刺激がある。
娘の幸せな行く末を確認した。マタギをやめ夫婦ふたりのつつましい生活をはじめるつもりであった。しかし富治は知り合いのマタギが娘を身売りするのを放っておけなかった。そして金を得るために最後の熊狩りを仕掛ける。しかし金だけが目的ではない。自分の明日を山の神様に尋ねるための熊狩りである。そして神様の化身である巨大熊に邂逅する。死闘の結末は………。

主人公も著者もあからさまな文明批判などはしない。ただしずかに大自然の神性に帰依していくだけである。ここには限りない生命への賛歌がある。

書評集「よっちゃんの書斎」はこちらです

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紙の本

自然と人間の協働、こんな社会に憧れる

2004/08/01 09:21

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:未来自由 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 綿密な調査により、マタギ(猟師)の仕事と自然観、そして明治維新以降の経済と戦争、その中で時には流されて生きる人間の弱さと逞しさを見事に描いている。

 何よりも感心したのは自然観。そして自然の獣を相手にするマタギたちの協働である。一匹の熊を仕留めるために繰り広げられる、獣と人間との智恵比べ。そして人間の協働の素晴らしさが巧みに描かれている。

 自然の一部である人間。協働することによって、自然と格闘しながらも、それぞれの能力に基づいた役割を果たし、一つの仕事をやり遂げる、そんなマタギたちの世界。現実の社会も、みんなで協力し、助けあえる社会にならないものだろうか。
 しかし人間社会の貪欲さは、マタギの世界の掟とは相容れない。身分や階級の違いで、生まれながらに差異が生じる。恋愛さえまでもが身分に翻弄される。

 マタギとして生きようとする青年が、身分違いの女性を愛することにより、その生き方さえも否定される。
 理不尽にも、鉱山の採鉱夫になることを強制される。憤りながらも、その運命を受け入れる青年。なんなんだこれは!と叫ばずにはいられない憤怒に襲われる。

 自然の摂理に反した人間の欲や身分社会は、結局は自然を破壊し、社会に歪を生み出す。そんな社会に警告を発する。
 貧しさゆえに売られていく女性の問題を描くことによって、社会の矛盾がより明確にされている。そして、その犠牲になった女性を描くことにより懸命に生きる人々の現実が描かれている。

 愛とは何か? 本当に人を愛するとはどういうことか? 随所に涙する話が盛り込まれている。
 しかし、たんなる恋愛小説ではない。人間が自然と社会の中でいかに生きるかを問うた小説だ。

 最後に一言。性の描写が少し多い気がした。ストーリーの流れから厭らしさは感じなかったが…。

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紙の本

波瀾万丈な人生!本当にイイオンナとは??

2005/05/17 06:19

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たけくん - この投稿者のレビュー一覧を見る

松橋富治の波乱の人生、最後に出会った女性との恋は読んでて飽きない本でした

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2005/01/15 16:51

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