- カテゴリ:中学生 一般
- 発行年月:2004.4
- 出版社: 文一総合出版
- サイズ:21cm/310p
- 利用対象:中学生 一般
- ISBN:4-8299-0071-7
紙の本
新しい科学の教科書 現代人のための中学理科 第2版 1
現代人として必要な科学の基礎・基本を、身近な事象から理論的に学ぶ。1巻では、原子・分子のイメージをもちながら水溶液や状態変化を学習する。植物のくらし、大地の成り立ち等も取...
新しい科学の教科書 現代人のための中学理科 第2版 1
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商品説明
現代人として必要な科学の基礎・基本を、身近な事象から理論的に学ぶ。1巻では、原子・分子のイメージをもちながら水溶液や状態変化を学習する。植物のくらし、大地の成り立ち等も取り上げる。初版2003年刊に次ぐ第2版。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
科学者になりたいと思ってしまう教科書だ
2004/03/06 12:01
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:南亭骨怠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本はおもしろい。おもしろいのだが,あくまでもこの本は教科書である。教科書としては非常におもしろくできているのだ。
この教科書は,文部科学省の新学習指導要領と教科書検定の束縛を受けずに作られた教科書である。執筆代表となっている左巻健男さんは,中学校や高校の理科(化学)の教科書の編集委員・出筆者である。実際に教科書をつくっている左巻さんが,あえて教科書検定の足かぜを取り除いた教科書を作ったのである。
そこには,新学習指導要領で大幅に内容を削られてしまった今の教科書に対する哀しみがあるのだろう。同じような考えを持つ100名以上の教員や識者があつまり,究極の科学教科書を目指したのだ。
できあがった教科書は,実際の使われている教科書に比べ,はるかに詳しい内容になっている。現在の教科書は,内容を削減し簡単なものとしたために,科学のおもしろさも大きく削られてしまった。勉強は,簡単だから楽しいのではない。難しい内容を自分の物にしていくからおもしろいのだ。
実際にこの教科書で授業を行った場合,決められた時数でやり終えることは難しい。しかし,発展的に学習を進めていくためには,教科書には高度な内容も盛り込んでおいて欲しいのだ。
この教科書の編纂の特徴として,「はじめに」で『仮説』と『証明』,そして『反証』という科学的な考え方がわかりやすく語られている。ここを読んだだけで自分が科学者になったような気になってくる。教科書全体に科学者を育てたいという気持ちがあるような気がする。
原子・分子の授業を一年生の早い段階で行い(現行教科書では2年生),その後の授業では物質の概念をつかみやすいような流れになっている。それ以外にもエネルギーの概念など1年生の教科書に移動してきている。
おもしろく,わかりやすい教科書になっている。しかし,あくまでも教科書である。授業を行うことを前提に作られているものであり,読み出したら止まらなくなるようなおもしろさではない。(私にとってはです)
(※bk1注 この書評は第1版刊行時に投稿いただいたものです)
紙の本
現代人に必須の科学リテラシー
2004/03/09 12:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:彦坂暁 - この投稿者のレビュー一覧を見る
学習指導要領と教科書検定が理科教育をつまらないものにしてしまった。子どもたちの理科離れが進み、日本人の科学リテラシーの低下には目を覆うばかりだ。そんな現状に危機感をもつ200人もの人たちが集まって作った検定外の中学理科教科書、それが本書である。
現場の教師や研究者たちを中心にしたボトムアップ方式の成り立ちと、教育現場で培われた経験の蓄積を元にしていることが、まずは本書の大きな特長だろう。そんなかれらの理科教育への熱い思いが、本書の内容にも色濃く反映している。
理科教育において知識を伝えることはもちろん重要だが、その知識はどのようにして得られてきたのかを知ることもまた、科学リテラシーにとっては大切なことだ。本書を読んでまず感じたのは、自然科学はどのような活動なのかをきちんと伝えようとしているということだ。冒頭で「これまでに得た知識をもとに仮説をたて、それを検証する方法を考え、実際に自然に問いかけてみる」という科学の活動を紹介し、その後の各章の実験でも「予想を立てて、調べてみる」という姿勢が重視されている。自分の頭で考えること、自分の手で確かめてみること、それが科学の楽しさなんだよ、という著者たちの声が聞こえてくるようだ。
科学のもう一つの特徴は、その体系性、個々の知識の間の論理的な連関性だが、本書ではこの点も重視されている。本書の内容は物理、化学、生物、地学の各分野にわたっているが、これらの分野の知識を結び付けるのに重要な、原子、分子、力、質量などの自然科学の基本概念を早い段階で提示することによって、物質の状態変化や熱、光合成、そして鉱物の成り立ちなどについても、見通しよく学ぶことができる構成になっている。
本書には、II巻、III巻が続く。こちらも大いに楽しみだ。
(彦坂暁/広島大学 総合科学部 http://home.hiroshima-u.ac.jp/akirahs/index-j.html)
(※この書評は第1版刊行時のものです)
【II巻、III巻はこちら】
『新しい科学の教科書 現代人のための中学理科 II』
『新しい科学の教科書 現代人のための中学理科 III』
【目次】
第1章 光と色の世界/第2章 音の世界/第3章 物質と原子・分子/第4章 物体と力/第5章 溶液と水溶液/第6章 物質の状態変化と気体/第7章 植物のくらしとからだの仕組み/第8章 植物のなかまと歴史/第9章 大地の成り立ちと生い立ち/第10章 震える日本列島
紙の本
著者コメント
2004/03/09 11:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:左巻健男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いまの薄っぺらな,内容のない中学校理科に不満を持つ人たちが,「これでは学びがいのないつまらない理科になってしまう!」と声をあげ,本物を教える理科の教科書をつくろうと動き出してつくりあげたものです。
原稿を書いた人とその原稿を検討する人が1冊あたり約百人。その人々の知恵がこの教科書には詰まっています。
この検定外中学校理科教科書は、単に昔に戻れというものではなく、MLで活発な議論をして本当に最低限の科学リテラシーはどんなものか、を提案するものです。
大人のやり直し科学教科書にもなると思います。
(執筆代表 左巻健男)
(※このコメントは第1版刊行時のものです)