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商品説明
アメリカがイラク戦争を仕掛けた本当の理由を暴き、フセイン逮捕の茶番劇と、アメリカ企業と政界との癒着構造をも暴く。そして、いまイラクで展開されている復興ビジネスの実態を描いて、日本の将来を展望する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
浜田 和幸
- 略歴
- 〈浜田和幸〉1953年鳥取県生まれ。アメリカのジョージ・ワシントン大学大学院で政治学博士号を取得。現在、国際未来科学研究所主宰。著書に「たかられる大国・日本」「ウォーター・マネー」など。
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紙の本
石油決済ドルVSユーロ:米VS西欧の経済戦争
2004/03/12 22:31
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:妹之山商店街 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルからして私としては根底的に相容れないんですが、まあ色々なものを
読んでみようと思い、読んでみました。
立場は違っても、資料・データ・情報・観点等大いに学びました。
特に、石油決済をドルで行うのか、ユーロで行うのかを巡る、石油決済機軸
通貨ドル対ユーロの熱い経済戦争には、大いに学ばせていただきました。
ただ筆者はユーロ決済という問題を少々過大に評価しているのではないかとも
思います。OPECや独仏がユーロ決済に傾いているにしろ、非OPECやロシ
ア、東欧諸国、日本はユーロ決済に傾いていない訳ですから。
それでも、「ドル一極支配体制」から「ドル・ユーロ二極体制」へと向かって
いるとは言えるのかもしれません。
<はじめに>
・バグダッドに世界最大のアメリカ大使館を建設
エシュロン:盗聴システムの構築
日本の三沢にもある「像の檻」を2基建設工事は既に始まっている
1基に諜報分析要員が3000人必要、2つで6000人
これまで不可能と言われた光ファイバーの傍受実験も
独仏はこれに対抗し欧州通信傍受システム構築の動きが始まっている
日本は一人“蚊帳の外”
・湾岸戦争後の経済制裁下での“オイル・フォー・フード”
その石油の8割をアメリカの石油会社が買占め
(イラクの石油は高品質で採掘コストは安い)
(アメリカ国内の油断はあと10年で枯渇する)
2000年11月フセインは「今後は石油代金のドルでの受け取りを拒否する。
ユーロでしか受け取らない」と宣言。この時からアメリカの対イラク強硬姿勢
が始まった。
フセインは100億ドルをユーロに変える。
その後ユーロ高となり、フセインは資産を17%膨らませる
「フセインは賢明である」と他のアラブ諸国に広まる
・ヨルダン、リビアもユーロに切り替える
・(対米輸出国トップとなった中国も「貿易の決済は将来不安がつきまとう
ドルではなく、ユーロで行いたい」)
・2002年4月OPECのヤラニ市場分析部長がスペインで、「ユーロ圏はOPECの
総輸出量の45%以上を引き受けている。アメリカ以上に大事なお得意様だ」
・ユーロ加盟国も石油を買うのにドルを買う手数料に辟易
OPECや中国、ロシアまでユーロにシフトしたら、ドルは大暴落
このままでは、「ドル1極体制」から「ドル・ユーロ2極体制」へと移行して
しまう
「今回の戦争の最大の目的は、石油を背景にした『ドル基軸通貨体制』の維持が
本当の目的だったのである」
だから、このイラク戦争を、「アメリカ対ヨーロッパの大西洋戦争」と呼ぶ
戦後のドサクサ紛れに、「オイル・フォー・フード資金」を「イラク復興基金
」に衣替え。本来イラク人に食糧・医療品を供給する資金が、アメリカ企業の
復興関連ビジネスへの支払いに流用できるようになった
2003年6月、イラク開発基金の口座がニューヨーク連邦準備銀行に開設
イラク中央銀行に置くはずだった(国連安保理の経済制裁解除決議)
<第五章>イラク復興ビジネスの実態
・アメリカの<献金企業ランキング>と<受注企業ランキング>の対比
献金額に応じて受注額が多くなっているのは、一目瞭然
・米兵の自殺者は20名(陸軍18名、海兵隊2名)
内部調査によると、
・ストレスで精神安定剤を飲み過ぎて死亡
・帰国するための「自作自演の負傷」が致命傷に
・戦友にレイプされてショックで自殺した女性兵士
・2003年12月8日、精神異常と判断された兵士600名が送還
・民間戦争会社のスタッフ1万人以上がイラクに
・正規米兵の日給は5000円程度
・戦争のプロは日給10万円程度
今年度の追加予算870億ドルの3分の1が彼らへの報酬