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商品説明
ジャーナリスト、脚本家から建築家へ転身後、マンハッタンの成り立ちをゴーストライターとして解き明かし、建築の実作なくして建築界へ華々しくデビューしたコールハース。世界を飛び回る建築家への密着取材の記録。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
滝口 範子
- 略歴
- 〈滝口範子〉上智大学外国語学部卒業。スタンフォード大学工学部コンピューター・サイエンス学科客員研究員を経て、現在、ジャーナリスト、編集者。
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著者/著名人のレビュー
「見て、聞いて、撮っ...
ジュンク堂
「見て、聞いて、撮って、話しました。」本書の帯にはこう書かれている。ジャーナリストである著者が、世界中を飛び回るレム・コールハースを徹底的に追いかけた記録。コールハースの建築哲学はもちろん、人生観や素顔ものぞくことができる。著者がそうであったように、気がつけば彼のペースに乗せられ、一気に読んでしまうこと必至。
紙の本
密着取材の成果ここにあり
2004/06/07 11:49
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:marinaka - この投稿者のレビュー一覧を見る
建築畑の読者に留まらず、広く一般に建築家の活動や生活を紹介した滝口範子の面白本。コールハースの超人的な生活、創作舞台裏の秘話、創作への拘り等はこういった密着取材を通してのみ明らかになる。コールハースは流行を追うだけのミーハーな建築家ではなく、世界の情勢にアンテナを広げ、賢明にかつ全力で邁進することによって成功を修めた芸術家であることが判った。コールハースへのインタヴューを最終章にまとめることによって、内容の濃い記述となった反面、第1章の中でやっと著者が多忙なコールハースを捕まえたところで話が途切れてしまう風があるのが、読者の期待を裏切られるようで残念である。
紙の本
カリスマ・アーキテクトの栄光と孤独
2004/04/27 23:08
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:脇博道 - この投稿者のレビュー一覧を見る
レム・コールハースはいまやカリスマである。で、カリスマのライフ
スタイルがいかに過酷なものであるか、本書によって理解出来ると共
にそのすさまじさにノックアウトされることうけあいである。これほ
どスピード感に満ちたドキュメントもめずらしいのではないか?
密着取材とはよくいわれることばではあるが、敏腕のジャーナリスト
である著者が、このカリスマのトラベリング&シンキングのライフ
スタイルに翻弄される記述は、そのまま本書の核心を貫いていると
いっていい。
小生がコールハースという建築家の存在を知ったのはいまを去ること
20余年前、まだ日本の雑誌にはほとんど紹介されていない時分で
ある。洋雑誌に掲載されていた、一風変わったドローイングには
アンビルトアーキテクト(建てざれらる建築家)としてのコールハー
スの独自の物語性に満ちていて、当時から資本主義やさまざまなポリ
ティカルな問題に対してアイロニカルでありながらも、その行く末を
予見しているかのような迫力に圧倒されていたのである。
80年代前半、パリのラ・ヴィレット公園のコンペで惜しくも2位と
はなりながらも、その前衛性によって世界の建築デザインシーンに
華々しく登場してから、現在まで、コールハースはその途方もない
アイデアによる作品によって現在にまで疾走し続けている訳であるし
本書を読むとそのスピードはますます加速していると感じるのである
が、それにしてもその過程において生み出された作品(実作及び計画
案問わず)が世界の建築シーンに与え続けている影響はすさまじく強
力といわざるを得ない。
さて、計画案は勿論の事、実際に建った作品も素晴しいのではあるが
小生は常にコールハースの作品にはラブ&ヘイトのような微妙な感覚
を持ち続けてきたのも事実である。本書にその感覚の直接の答えなど
書かれてはいない。が、はっと直感的に気付かされたことがある。
次なのである。コールハースの作品は常にネクストステージに向かっ
てベクトルが加速しているのである。完結などない。著者の記述に
ある。ひとつのプロジェクトに関して造られた膨大な模型を前にして
私(著者)はどれでもいけるのでは?と思ってしまうのであるが、と。
何処かの時点で固定しなければ、実体としては、建ち上がらない建築
という本来静的な事物に対して、理不尽とも呼べるようなスピードの
強靱なる思考で横断していくコールハース。もはや資本主義の根源的
なスピードにみごとにシンクロした唯一の建築家なのかもしれない。
コールハースはOMAとAMOという素晴しいオフィスを率いている。
優秀なコラボレーターもごまんと存在する。にもかかわらず本書から
浮かび上がるコールハースの姿はトップランナーのロンリネスそのも
のである。ぜひ本書においてこの超人的な建築家のクールで卓越した
行動のスピード感を味わって頂きたいと思う次第である。