このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
これが物語だ。
2007/02/13 14:56
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちひ - この投稿者のレビュー一覧を見る
他者の夢に潜ることを専門の職業(夢先案内人)としている一人の男性が、ある研究機関に依頼され、七年間も眠り続けているという女の子の夢の中に潜る。
その子はなぜ七年も目覚めないのか。一体どんな夢を見ているのか。眠る女の子の周囲で頻発する超常的な現象はその子の見ている夢と何か関係があるのか。
夢診断や催眠療法、前世、ポルターガイスト現象や異星人、はたまた××××××など、並び立つはずのないキィワードと概念が、夢に潜る男性の家族や夢に潜られる女の子の家族の深遠な物語と複雑に絡み合いながら、臨床心理学・最新科学・オカルト・SF・文化人類学、そしてロマンスの端境で一つのまったき作品に昇華する。
登場する諸要素を羅列するだけでは紹介文を書いていても混乱する。しかし、さまざまなトピックが渾然一体となり一つの壮大なドラマとなった物語は読後に圧倒的な感動の大波でこたえてくれる。
さすが萩尾望都だとしか言えない。これが物語だ。
二〇〇六年日本SF大賞受賞。マンガでの受賞は大友克洋『童夢』以来。